世界の小売EC市場は2019年、3兆5,630億ドルに達すると予測され、トップ5位の5カ国で合計82%を占めることになります。
2022年にはこの5カ国業のEC市場で世界中の85%を占めるといわれており、さらなるEC市場の拡大が予測されています。ECの海外展開を考えるうえで、この5カ国の市場や売れている商品ジャンルを把握することは重要です。
この記事では世界のEC市場と国別ランキングをはじめ、アメリカEC市場の商品ジャンル別TOP10をご紹介します。
世界(海外)のEC市場は397兆1160億円(BtoC)
アメリカのデジタルマーケティング会社eMarketerによると、2019年の世界の小売EC市場は3兆5,630億ドルに達すると予想されており、日本円(1ドル=111円)に換算すると397兆1160億円にのぼります。

ちなみに2022年の世界のEC市場規模は600兆円を超えると予測されており、これからも世界的にEC市場の拡大が見込めています。
日本のEC市場は19兆3,609億円(BtoC)
2019年の日本国内の小売EC市場は19兆3,609億円となっており、2010年の7兆7,800億円から右肩上がりで市場が拡大しています。
世界の397兆円という小売EC市場でみると5%にも満たない市場ですが、人口や国土の広さからすると先進国に並ぶEC市場になっています。

国内小売(BtoC)EC市場に関しては、「EC業界の市場動向から見て、今後〜未来のeコマース業界は明るい!」で解説しています。
それではその世界のEC市場397兆円の82%を占めているTOP5の国別ランキングを紹介します。
世界の国別EC市場 売上ランキングTOP5
出典:eMarketer,Fec 2019より
1位 中国(1兆9894億ドル)
世界の小売EC市場のシェアNo.1は中国で、2019年の市場規模は1兆9,894億ドルに達し、世界の小売EC市場の55.8%を占めています。
理由は約14億人という世界一の人口規模であることから、中流階級の経済面が爆発的に成長しているということです。国土が広いということもありますが、地方に住んでいる中国人消費者も所得が向上しているため、ECを利用してオンラインショッピングを楽しむ人が非常に増えてるという背景があります。
さらに中国のEC事業者においては、国内シェアNo.1の「Tmall(天猫)」を運営するアリババグループや、2位の「JD.com(京東)」を運営する京東商城など世界的に強いECプラットフォームが存在するため、各事業者ごとの強みを活かし巨大なEC市場を作り上げています。
⇒中国EC市場を牽引する天猫(Tmall)とは?読み方や特徴をご紹介
⇒京東商城(JD.com)とは?中国EC売上No.2!読み方や特徴をご紹介

中国国内のEC市場については、「中国ネット通販、EC売上ランキングTOP10位を発表!」で詳しく解説しています。
2位 アメリカ(6006億ドル)
アメリカの小売EC市場は、単価の高いコンピューター・家電などのジャンルだけでなく、アパレル・アクセサリーなどが市場拡大を牽引しています。
2019年予測では、コンピューター・家電は1,302億9,000万ドルに達し、アメリカのEC市場シェアの21.7%を占め、アパレル・アクセサリーは1,227億6,000万ドルで20.4%を占めています。
さらに2022年にはコンピューター・家電は1,903億ドル、アパレル・アクセサリーは1,812億ドルに達すると予測されています。

3位 イギリス(1370億ドル)
イギリスではアマゾンが急成長しており、さらなる市場増加が予測されています。
アマゾンはプライム会員のヨーロッパ進出を推進しており、マッキンゼーの調査によると、イギリスを始めイタリア、ドイツの半数以上がプライム会員に加入しているという調査報告が発表されています。

4位 日本(1130億ドル)
日本はみなさんご存知のとおり、高齢化による物販事業が鈍ってきていますが、とはいえ世界のEC市場規模では1,130億ドルで4位となっています。
日本国内の小売ECランキングでは、1位がアマゾン(日本事業)で8,500億円、2位がアスクルで3,533億円、3位にミスミが1,951億円というランキングになっており、イギリスと同じくアマゾンが大きなEC市場を占めています。
詳しくは「大手ECサイト・ネット通販売上高ランキングTOP100を発表!」で国内ECサイトのTOP100位までをご紹介しています。

5位 韓国(865.5億ドル)
韓国は日本より国土が1/4と狭いながら、世界のEC市場規模では866.5億ドルとなり5位にランクインしています。
特にメインの商材としては、美容関連品とエレクトロニクス関連の商品です。特に東南アジアへの越境ECが増えており、海外のバイヤーから支持を得ています。

続きまして日本のEC事業者も要チェックの、アメリカの2022年のEC市場の商品ジャンル別の予測をご紹介します。
2022年 伸びる商品ジャンルTOP10(アメリカ編)
出典:eMarketer,Fec 2019より
【2022年アメリカのEC市場の売れ筋商品ジャンルTOP10】
- コンピューター・家電:1,903億ドル
- アパレル・アクセサリー:1,812億ドル
- 家具・雑貨:920億ドル
- その他:886億ドル
- 車・カー用品:816億ドル
- 健康、パーソナルケア、美容品:326億ドル
- 本、音楽関連:607億ドル
- おもちゃ・趣味:570億ドル
- 食品・飲料:326億ドル
- オフィス・事務用品:244億ドル
2022年のアメリカのEC市場は上記のような商品ジャンルになると予測されています。
冒頭でも説明したとおり、アメリカの小売EC市場は、単価の高いコンピューター・家電、アパレル・アクセサリーなどが市場拡大を牽引しています。
eMarketerの調査によると、2022年にはコンピューター・家電は1,903億ドル、アパレル・アクセサリーは1,812億ドルに達すると予測されています。

世界(海外)小売EC市場は4倍の割合で成長中!
ここまでご覧いただきありがとうございます。
eMarketer シニアディレクターのモニカ・パーツによると、「リテール e コマースの成長は依然として世界的に非常に堅調であり、小売販売全体の約4倍の割合で成長している」と分析しております。今までの店舗を中心とした小売よりも、高い水位で成長をしています!
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世界的に収入としては増加しており、ECでの消費は日用品だけでなく、高額商品もECで買い物される時代になってきました。日本国内の小売EC市場も右肩上がりで拡大をしているので、EC市場を盛り上げていきましょう!
アメリカでも今後伸びていくと予測されるアパレル・アクセサリーの日本国内企業のランキングもまとめているので、「【2019年最新】ファッション・アパレルECサイト売上高ランキングTOP50を発表!」もご覧ください。