EC構築システムの選定、パッケージとクラウド(SaaS)どっちがいいの?

中規模~のECサイトを構築する際に悩みどころなのが、「ECパッケージ」「クラウドEC(SaaS)」のどちらを選ぶのか?です。

これから新規のECサイトを構築する場合はもちろん、現在ASPカートを使っていたり、EC-CUBEなどのオープンソースを使っているECサイトからのリニューアルなど、「ECパッケージ」がいいのか?「クラウドEC(SaaS)」がいいのか?どちらを選べばいいのか悩んでいるEC事業者さんは多いと思います。

この記事では、そんな悩みを抱えている担当者さん向けに、「ECパッケージ」と「クラウドEC(SaaS)」の特徴やメリット、代表的なECシステム会社(ベンダー)をご紹介します。

悩みどころ!パッケージとクラウド(SaaS)はどっちがいいの?

こんな悩みを抱えている担当者さんは多いのではないでしょうか?

  • 独自機能や外部連携をした新規のECサイトを構築したい
  • ASPカートで運営しているが、カスタマイズをして受注業務を改善したい。
  • EC-CUBE(オープンソース)で運営しているが、老朽化によりリニューアルしたい
  • さらなる売上アップを目的にMAやCRMと連携するシステムにリニューアルしたい

など、これから中〜大規模の新規ECサイトを構築したいだったり、現在のECシステムに不満があり、ECサイトのリニューアルを考えている担当者さんが多いと思います。

小規模向けのASPカートや、小規模~中規模のEC-CUBEで構築しているECサイトであれば、次のステージでは「ECパッケージ」か「クラウドEC(SaaS)」のどちらかを選ぶタイミングです。

それでは「ECパッケージ」と「クラウドEC(SaaS)」の特徴を解説していきます。

練馬聡一
練馬聡一
特徴やメリットを理解して、ベストなECシステムを選定しましょう!

ECパッケージの特徴

ECパッケージとは中規模~大規模向けのECサイトを構築できるシステムで、ECサイト運営に必要な機能を備えたアプリケーション・ソフトウェアのことです。

国内では数十社ほどECパッケージを提供しているベンダー(システム会社)があり、そのベンダーが開発したECパッケージを、サーバーにインストールしてECサイトを構築していきます。

ECパッケージでECサイトを構築・運営するメリットとしては大きく7つあり、

  • デザインの自由度が高い
  • ECに必要な標準機能が充実している
  • 標準機能にない機能は開発して付け足せる
  • バックエンド機能のカスタマイズも可能
  • 基幹システム(外部システム)とのデータ自動連携も可能
  • セキュリティが高い
  • システム会社(ベンダー)が保守をしてくれる

上記のようなメリットがあります。

【2019年最新】大手ECサイト・ネット通販売上高ランキングTOP100を発表!」で紹介しているような、売上高の高い大手・有名企業に導入されています。

最大のメリットは自由自在なカスタマイズ

ECパッケージで構築する最大のメリットは、自由自在にカスタマイズができるということです。

ECパッケージはもともと充実した標準機能を備えてはいますが、フロント機能やバックエンド機能をはじめ欲しい機能はカスタマイズで作ることができ、基幹システムをはじめマーケティングオートメーション(MA)や顧客管理システム(CRM)との連携も自由自在です。

練馬聡一
練馬聡一
実店舗との大規模オムニチャネルや複雑な外部システムとの連携までも自由自在にできちゃうのがECパッケージです。

デメリットはシステムの老朽化

ECパッケージのデメリットはシステムが老朽化してしまうことです。

ECパッケージは構築したタイミングのバージョンから、時流にあった機能などはカスタマイズをしていかないとシステムが古くなってしまいます。

練馬聡一
練馬聡一
システムを共通環境で使えていれば良いのですが、ECパッケージは一戸建てのようなものなので、改修しないと古くなってしまうのです。

EC年商の目安は1億円~50億円

ECパッケージで構築したECサイトの年商の目安は、1億円~50億円くらいまで対応が可能です。

練馬聡一
練馬聡一
もちろんそれ以上でも対応は可能ですが、50億円を超えるとフルスクラッチ開発でEC構築を行うケースが多いです。

EC年商が1億円というとASPカートでも運営は可能ですが、受注業務を始めとしたバックエンド業務が追いつかなくなってきます。

さらなる売上をアップを狙うにはバックエンド業務をカスタマイズし、自動化することで売上アップを狙うことができますので、「ECサイトの運営業務を効率化・改善することが、売上アップの近道!」の記事をご覧ください。

練馬聡一
練馬聡一
ASPカートはカスタマイズできないので、売上アップにも限界がありますからね。

初期費用は1000万円以上

ECパッケージの初期費用は1,000万円以上は想定しておきましょう。

ECパッケージはカスタマイズが可能になるので、ベンダー各社が提供しているECパッケージの標準機能に加え、フロント&バックエンドをはじめ様々なカスタマイズを行っていきます。

フロント&バックエンドのカスタマイズをはじめ、基幹システムとの連携などを考えると、1000万円以上の初期費用は想定しておきましょう。ちなみにECサイトの構築費用に関しては、「ECサイトの構築費用は?費用の相場・目安・内訳を解説します」で解説しています。

練馬聡一
練馬聡一
それでもカスタマイズを加えていくと1500万円〜、オムニチャネルをしていくと3000万円を超えたりすることもザラです。

それでは、クラウドEC(SaaS)の特徴を解説します。

クラウドEC(SaaS型)とは?

クラウドECとはSaaS型ともいわれ、上記で説明したECパッケージをクラウド環境でECサイトを構築・運営することです。

SaaSとは「Software as a Service」の略で、インターネットを使って必要な機能を必要な分だけサービスとして利用できるようにしたアプリケーション・ソフトウェアのことです。

国内でもECパッケージほど提供しているシステム会社は多くありませんが、一部制限がありますがカスタマイズが可能で、独自の機能を持ったECサイトを構築することができます。

小規模向けのECサイトで使われる「ASPカート」も提供形態はSaaS型ではありますが、カスタマイズができず、好きな機能を付け足したり、外部システムとの連携はできないです。

ちなみにASPカートに関しては「ASPカートシステムでECサイト構築、7つのメリットをご紹介」で解説しています。

最大のメリットは自動バージョンアップ

クラウドEC(SaaS)の最大のメリットは、「自動バージョンアップ」です。

ECシステム自体はシステム会社(ベンダー)が提供している共通プラットフォームを利用しているので、ECシステムが自動的に最新バージョンにアップデートされていきます。

ECパッケージでは構築した段階からお金をかけてカスタマイズをしていかなければなりませんが、クラウドECはその必要はありません。

練馬聡一
練馬聡一
なのであまり改修にお金をかけたくないという企業にはピッタリのECシステムですね。

デメリットはカスタマイズに限界がある

ここまでいうとクラウドECのほうがよく見えると思いますがデメリットもあり、それはカスタマイズに限界があるということです。

というのも最大のメリットである「自動バージョンアップ」を行うためには、その自動バージョンアップに干渉してしまう機能に関しては、カスタマイズができないというデメリットがあります。

カスタマイズができない箇所に関しては提供しているシステム会社の提供システムによって違いますが、たとえば購入フローを大幅に変えることだったり、外部システム連携ができないものがあったりします。

練馬聡一
練馬聡一
最初は良くても、いざこのカスタマイズしたいんだけどとなったときに、「これはできないんですよ〜。」となるケースも多々あります。

EC年商の目安は1億円~20億円

クラウドEC(SaaS)で構築したECサイトの年商目安は、1億円~20億円くらいです。

それ以上になると独自のカスタマイズや複雑な外部システム連携が必要になるケースが多いので、ECパッケージを選ぶ企業が多いです。

練馬聡一
練馬聡一
EC年商20億円といえば大したものですが、EC業界的には中規模と言われているゾーンです。

初期費用は300万円以上

クラウドEC(SaaS)の初期費用は300万円以上は想定しておきましょう。

といってもカスタマイズが可能なシステムなので、カスタマイズする箇所によっても費用が増額します。ある程度のカスタマイズを行う場合は、1000万円、1500万円くらいになるケースも多いです。

練馬聡一
練馬聡一
ECパッケージよりはだいぶ費用も安いんですけどね。

それでは国内のEC事業者さんは実際どちらのシステムを選定しているのでしょうか?

EC構築市場ではクラウド(SaaS)が2桁成長

2018年度
(実績)
2019年度
(予測)
2020年度
(予測)
2021年度
(予測)
2022年度
(予測)
2023年度
(予測)
ECパッケージ 250社 275社 300社 320社 340社 355社
クラウドEC
(SaaS)
580社 660社 780社 940社 1,100社 1,220社

出典:月刊ビジネステクノロジー2019より

月刊ビジネステクノロジーによると、2018年度に国内企業に導入されたEC構築システムは、ECパッケージが250社、クラウドEC(SaaS)が580社と、後者が2.3倍上回る結果になっています。

さらに5年後の予測では、ECパッケージが355社、クラウドEC(SaaS)が1,220社と、年間の導入数が3.4倍に開く予測となっています。

練馬聡一
練馬聡一
このご時世はクラウドEC(SaaS)型のシステムが国内企業に多く導入されているということになりますね。

とはいえECパッケージもクラウドEC(SaaS)も事業者のビジネスモデルに合わせて選定する必要があるので、ECパッケージのほうが人気がないということではありません。

それでは代表的なECパッケージベンダーやクラウドECを提供しているシステム会社(ベンダー)をご紹介します。

代表的なECパッケージベンダー

国内のECパッケージを提供しているシステム会社(ベンダー)をご紹介します。

  • ecbeing社(ecbeing)
  • GMOシステムコンサルティング社(ecOrigins)
  • NEC社(NeoSarf)
  • SAP社(SAP Commerce)
  • TIS社(Retail Cube)
  • ITFOR社(ITFOReC)
  • エスキュービズム社(Orange EC)
  • オラクル社(Oracle Commerce Platform)
  • コマース21社(Commerce21 Sell-Side Solution)

代表的なクラウドEC(SaaS)ベンダー

国内のクラウドEC(SaaS)を提供しているシステム会社(ベンダー)をご紹介します。

  • ecbeing社(メルカート)
  • SAP社(SAP Commerce Cloud)
  • インターファクトリー社(ebisumart)
  • オラクル社(Oracle Commerce Cloud)
  • セールスフォース・ドットコム社(Salesforce Commerce Cloud)

将来を見据えたプラットフォームを選定しよう!

ここまでご覧いただきありがとうございます。

中規模~のECサイトを構築する際に悩みどころなのが、「ECパッケージ」「クラウドEC(SaaS)」のどちらを選ぶのか?です。

結論をいうとEC年商20億円を超えるような、多くのカスタマイズをした中〜大規模ECサイトを構築したい場合は「ECパッケージ」を、20億円以内の中規模ECサイトを構築したい場合は「クラウドEC」を選定すると良いでしょう。

もしこれから新規のECサイトを構築したい、既存のECサイトをリニューアルしたいという場合は、ぜひ参考にしてもらえると嬉しいです。

もっとわかりやすく説明してくれ!という方は「EC構築 ASP・クラウド・パッケージの違いをかなり詳しく説明」で解説していますので、ぜひご覧くださいね。

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