売上1兆円企業の「明治」や「日本ハム」を含む、食品メーカーの売上ランキングTOP50です。
食品メーカー各社、多くのブランド商品を展開していますが、どの食品メーカーが人気があって、実際に売上が高いのでしょうか?
国内の食品メーカーでは売上高1兆円を超える企業が4社あり、売上高5,000億円を超える企業は9社あります。
この記事では、そんな日本の食品メーカーの売上ランキングTOP50位と、各社のトピックスを紹介しています。
ぜひご自身の転職や、マーケティング情報としてご活用いただけると嬉しいです。
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食品業界の市場規模は42兆円
財務省の調査によると、食品製造業(メーカー)における業界の市場規模は、現在42.1兆円を超えています。
42兆円という市場規模は、国内でも大きな市場ではありますが、実は2018年から減少傾向にあります。
ここ10年の食品メーカーの市場規模でいうと、
- 2011年度 50兆7,000億円
- 2012年度 47兆7,000億円
- 2013年度 42兆7,000億円
- 2014年度 44兆円
- 2015年度 44兆5,000億円
- 2016年度 45兆2,000億円
- 2017年度 45兆円
- 2018年度 45兆5,000億円
- 2019年度 44兆1,000億円
- 2020年度 42兆1,000億円
市場規模が上がるタイミングもありましたが、ここ10年間でいうと残念ながら減少傾向にあります。
特に近年はコロナの影響もあり、
- 消費者向け ○
- 業務用 ✕
と、消費者向けの食品は堅調ですが、レストランをはじめとした外食店舗が営業ができないこともあり、卸の業務用食品の売上が下がっているということが大きな要因です。
以下でご紹介する食品メーカーランキングで前年売上を割ってしまっている企業は、メイン商品が業務用食品のメーカーの売上減少が大きいです……。
売上高1兆円を超える食品メーカーは4社
苦戦を強いられる食品メーカーですが、売上高として1兆円を超えている企業は以下の4社です。
- 明治ホールディングス
- 日本ハム
- 味の素
- 山崎製パン
上記の食品メーカーは日本の誰もが知っていると思うのですが、日本国内で売上1兆円を超えている食品メーカーは4社しかありません。
各社スーパーや小売店への卸による流通チャネルがメインではありますが、食品メーカーもECサイトを活用して直接消費者に販売するDtoCモデルも盛んになってきています。
関連記事②:食品EC・ネット通販の市場規模やEC化率は?
関連記事③:健康食品ECサイト・ネット通販売上高ランキングTOP88を発表!
小売店向け卸販売、業務用向け卸販売、ECサイトによるDtoC販売という販売チャネルが大きなシェアを占めています。
では食品メーカー売上ランキングTOP50位と、各社のトピックスをご覧ください。
食品メーカー売上ランキングTOP1位~10位
順位 | 企業名 | 主力商品 | 売上高 | 本社 |
1 | 明治HD | 発酵デイリー食品、加工食品、菓子 | 1兆1917億円 | 東京 |
2 | 日本ハム | ハム、ソーセージ、その他肉加工品 | 1兆1761億円 | 大阪 |
3 | 味の素 | 調味料、加工食品 | 1兆714億円 | 東京 |
4 | 山崎製パン | 食パン、菓子パン、和洋菓子 | 1兆147億円 | 東京 |
5 | マルハニチロ | 冷凍食品、その他加工品 | 8625億円 | 東京 |
6 | 伊藤ハム米久 | ハム、ソーセージ、その他肉加工品 | 8426億円 | 東京 |
7 | 日清製粉グループ | 製粉、加工食品、健康食品 | 6794億円 | 東京 |
8 | 日本水産 | 冷凍食品、フィッシュソーセージ、水産加工品 | 6564億円 | 東京 |
9 | 雪印メグミルク | 牛乳、乳飲料、バター、チーズ、乳製品 | 6151億円 | 東京 |
10 | 森永乳業 | 乳製品、飲料、デザート | 5835億円 | 東京 |
※売上高の青字は前年増、赤字は減少、黒字は横ばいです
1位 明治ホールディングス:1兆1917億円
食品メーカー売上ランキング1位にランクインしているのは、乳製品をはじめ菓子やアイスを展開している「明治ホールディングス」で、売上高は1兆1,917億円で、前年比は-4.9%となっています。
- ヨーグルト・プロバイオ(乳製品全般)
- ニュートリション(ザバスや乳児用ミルク)
- チョコレート
食品の分類としては大きく3つに分けており、明治の牛乳やブルガリアヨーグルト、R-1やLG21をはじめ、スーパーでは見ないことのない有名ブランドを多数展開しています。
2位 日本ハム:1兆1,761億円
2位にランクインしているのは、シャウエッセンや豊潤でおなじみの肉加工品をメインで扱う「日本ハム」です。
売上高は1兆1,761億円で、前年比-0.4%となっています。
決算資料の情報としても、すべての事業において「消費者向け卸」は好調に推移しましたが、業務用卸は約2割減となっています。
3位 味の素:1兆714億円
3位にランクインしてるのが、調味料でおなじみの「味の素」です。売上高は1兆714億円となり、前年比が-3%で推移しています。
前年比で売上が下がってしまった事業体としては、
- 調味料・食品 96%
- 冷凍食品 93%
- ヘルスケア 103%
上記のようにメイン商品が若干減少傾向にあります。
4位 山崎製パン:1兆147億円
4位にランクインしているのが、食品メーカーにおける1兆円企業最後の4社目「山崎製パン」で、売上高は前年比-4.7%の1兆147億円です。
消費者向けの主力商品である食パン部門の売上高は956億円(-1%)でしたが、
- ロイヤルブレッド ○
- ダブルソフト ○
- サンドイッチ用食パン ✕
となり、サンドイッチ用の食パンが苦戦しています。
その他菓子パン部門の売上高は3,408億円(-5.7%)、和菓子部門の売上高は346億円(-2.3%)と、減少傾向にありますが、コンビニスイーツなどの洋菓子部門は、1,398億円(+1.7%)と好調に推移しています。
食品メーカー売上ランキングTOP11位~20位
順位 | 企業名 | 主力商品 | 売上高 | 本社 |
11 | ニチレイ | 冷凍食品、加工食品、水産品 | 5727億円 | 東京 |
12 | キユーピー | マヨネーズ、ドレッシング、素材食品 | 5311億円 | 東京 |
13 | 日清食品HD | レトルト食品、カップラーメン | 5061億円 | 東京 |
14 | キッコーマン | 醤油、調味料 | 4681億円 | 千葉 |
15 | プリマハム | ハム、ソーセージ、その他肉加工品 | 4335億円 | 東京 |
16 | 東洋水産 | インスタントラーメン、その他レトルト加工品 | 4175億円 | 東京 |
17 | ヤクルト本社 | 乳酸菌飲料、飲料、健康食品 | 3857億円 | 東京 |
18 | 不二製油グループ | 植物性油脂、業務用チョコレート | 3648億円 | 東京 |
19 | スターゼン | ハム、ソーセージ、その他肉加工品 | 3492億円 | 大阪 |
20 | 江崎グリコ | 菓子、飲料、乳製品 | 3440億円 | 大阪 |
食品メーカー売上ランキングの11位~20位のご紹介です。
売上レンジとしては、5,700億円~3,440億円の売上規模となっています。
スーパーなどでよく見かける知名度の高い食品メーカーがランクインしていますが、全社的に売上は横ばいで、前年を超えている食品メーカーは、
- 13位 日清食品HD:5,061億円
- 20位 江崎グリコ:3,440億円
上記の2社で、前年を下回っている企業は、18位の「不二製油グループ」です。
「不二製油グループ」は、植物性油やチョコレートなど、外食チェーン卸や業務用がメインの販売チャネルのため、コロナの影響を大きく受けています。
13位 日清食品HD:5,061億円
13位にランクインしているのが、カップヌードルでおなじみの「日清食品HD」で、売上高は5,061億円となり、前年比+7.9%となっています。
同社事業部別の売上セグメントは、
- 即席めん事業:2,432億円
- 低温事業:619億円
- 菓子・飲料事業:569億円
- その他海外事業:1,408億円
上記のようになっており、特に海外事業が+10.3%の売上高増を達成したことにより、会社全体の売上に寄与しています。
18位 不二製油グループ:3,648億円
18位にランクインしているのが、植物性油脂や業務用チョコレートを中心に展開する「不二製油グループ」で、売上高は前年比-5%の、3,648億円となっています。
業務用卸がメインのため、残念ながらコロナの影響を受ける結果になってしまっています。
事業ごとの売上セグメントとしては、
- 植物性油脂 984億円
- 業務用チョコレート 1,624億円
- 乳化・発酵素材 696億円
- 大豆加工素材 344億円
と赤字の事業部の売上が約7%~10%ほどマイナスになっています。
20位 江崎グリコ:3,440億円
20位にランクインしているのが、主力のポッキーをはじめ菓子で有名な「江崎グリコ」で、売上高は3,440億円となっています。
国内の商品カテゴリー別の売上高は、
- チョコレート:445億円
- ビスケット:240億円
- 冷菓(アイス):923億円
- 発酵乳:195億円
- 牛乳・乳飲料:256億円
- ベビー育児:52億円
- 健康食品:129億円
となっています。
食品メーカー売上ランキングTOP21位~30位
順位 | 企業名 | 主力商品 | 売上高 | 本社 |
21 | 日清オイリオグループ | 食用油、調味料 | 3363億円 | 東京 |
22 | 大塚食品 | 加工食品、飲料 | 3340億円 | 東京 |
23 | ニップン | 小麦粉、調味料、加工食品 | 3295億円 | 東京 |
24 | エスフーズ | 肉加工品 | 3274億円 | 兵庫 |
25 | ハウス食品グループ | 加工食品、調味料 | 2837億円 | 東京 |
26 | カルビー | 菓子、加工食品 | 2667億円 | 東京 |
27 | フジパングループ | 食パン、菓子パン、和洋菓子 | 2651億円 | 愛知 |
28 | 昭和産業 | 食用油、調味料、粉製品 | 2559億円 | 東京 |
29 | 極洋 | 冷凍食品、加工食品、水産品 | 2491億円 | 東京 |
30 | ミツカングループ | 調味料、出汁、加工食品 | 2429億円 | 愛知 |
続いては食品メーカー売上ランキングにおける21位~30位のご紹介です。
売上レンジとしては3,363億円~2,429億円の間となっています。
売上前年比はおおよそ横ばいで推移していますが、24位の「エスフーズ」、29位の「極洋」が前年比を大きく割ってしまっています。
24位 エスフーズ:3,274億円
24位にランクインしているのが、こてっちゃんでおなじみの肉加工品を展開する「エスフーズ」で、前年比-7.0%の3,274億円となっています。
事業セグメントの売上高としては、食肉における、
- 製造・卸売事業:2,967億円(-7.5%)
- 小売事業:241億円(+11.8%)
- 外食事業:51億円(-35.6%)
- その他:13億円(+4.4%)
と卸や外食事業が減少しており、コロナの影響を受ける結果になってしまっています。
29位 極洋:2,491億円
29位にランクインしているのが、水産加工品を展開する「極洋」で、売上高は2,491億円で、前年比-5.2%となっています。
- 水産商事:1,189億円
- 冷凍食品:797億円
- 常温食品:190億円
- カツオ・マグロ:299億円
- 物流サービス:10億円
- その他:4億円
上記のような事業セグメントの売上高になっており、水産品の卸事業や冷凍食品の売上高が減少しています。
食品メーカー売上ランキングTOP31位~40位
順位 | 企業名 | 主力商品 | 売上高 | 本社 |
31 | 丸大食品 | ハム、ソーセージ、その他肉加工品 | 2341億円 | 大阪 |
32 | ロッテ | 食パン、菓子パン、和洋菓子 | 2293億円 | 東京 |
33 | 森永製菓 | 菓子、加工食品 | 1999億円 | 東京 |
34 | わらべや日洋 | コンビニ、外食卸 | 1943億円 | 東京 |
35 | 中央魚類 | 水産品、水産加工品 | 1876億円 | 東京 |
36 | カゴメ | 加工食品、飲料 | 1830億円 | 東京 |
37 | サンヨー食品 | インスタントラーメン、その他加工品 | 1816億円 | 群馬 |
38 | J-オイルミルズ | 食用油、調味料 | 1648億円 | 東京 |
39 | 日本たばこ産業 | 冷凍食品、レトルト食品 | 1587億円 | 東京 |
40 | ダイドーグループ | 飲料、健康食品 | 1582億円 | 大阪 |
続いては食品メーカー売上ランキング31位~40位のご紹介です。
売上高レンジは2,341億円~1,582億円となっており、
- 丸大食品
- ロッテ
- 森永製菓
- カゴメ
- ダイドーグループ
知名度の高い、大手・有名食品メーカーが多数ランクインしています。
32位 ロッテ:2,293億円
ガムやチョコレートで有名な「ロッテ」は売上高2,293億円で32位にランクインしています。
有名な菓子やアイスのブランドを展開していますが、お菓子ジャンルの国内シェアでいうと、
- ガム:62.6%(国内シェア1位)
- ビスケット:11.0%(国内シェア2位)
- チョコレート:19.3%(国内シェア2位)
- アイス:17.5%(国内シェア1位)
上記のようにお菓子の国内シェアを大きく占めているのが「ロッテ」です。
40位 ダイドーグループ:1,582億円
40位にランクインしているのが飲料メーカーの「ダイドーグループ」で、売上高は前年比-6.0%の1,582億円でした。
国内でも自動販売機ビジネスが多くの売上を占めているため、外出が制限されたコロナの影響を受けてしまっています。
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食品メーカー売上ランキングTOP41位~50位
順位 | 企業名 | 主力商品 | 売上高 | 本社 |
41 | 敷島製パン | 食パン、菓子パン、和洋菓子 | 1539億円 | 愛知 |
42 | アサヒグループ | 酒、飲料、健康食品 | 1225億円 | 東京 |
43 | ブルボン | 菓子、加工食品 | 1184億円 | 新潟 |
44 | エスビー食品 | 調味料、香辛料、加工食品 | 1142億円 | 東京 |
45 | DM三井製糖 | 調味料(砂糖)、加工食品 | 1088億円 | 東京 |
46 | 亀田製菓 | 菓子、米菓 | 1033億円 | 新潟 |
47 | 永谷園 | 加工食品、家庭用食品 | 1026億円 | 東京 |
48 | 正栄食品工業 | 果物、ナッツ、製菓・製パン材料 | 1005億円 | 東京 |
49 | 不二家 | 洋菓子、菓子 | 990億円 | 神奈川 |
50 | 横浜冷凍 | 水産品、農畜産品 | 864億円 | 神奈川 |
最後に、食品メーカー売上ランキングの41位~50位のご紹介です。
売上高のレンジは、1,539億円~864億円となっていますが、ここでもアサヒやブルボン、エスビー食品などの有名企業が多数ランクインしています。
前年よりも売上を落としてしまっている企業は、
- 44位 エスビー食品
- 48位 正栄食品工業
- 50位 横浜冷凍
上記の3社です。ランキング全体的に業務用卸をメインにしている企業の売上が、前年を下回ってしまう傾向が高く、コロナが収束して外食産業に陽の目が当たるまでは、長い戦いになりそうです。
今後は外食・業務用の需要拡大の見込み
ここまでご覧いただきありがとうございます。
財務省の調査によると、食品製造業(メーカー)における業界の市場規模は、現在42.1兆円を超えています。
42兆円という市場規模は、国内でも大きな市場ではありますが、実は2018年から減少傾向です。
そんな苦戦を強いられる食品メーカーですが、売上高として1兆円を超えている企業は以下の4社です。
- 明治ホールディングス
- 日本ハム
- 味の素
- 山崎製パン
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