日本では「電通」や「博報堂」、世界では「WPP」をはじめ「広告代理店」が多数存在します。
広告代理店といえばテレビや新聞など、マスメディア広告がメインの媒体でしたが、ここ15年でインターネット広告が急拡大し、サイバーエージェントをはじめ多くのインターネット専門広告代理店が誕生しています。
昨年はついにインターネット広告がマスメディア広告市場を抜き、インターネット広告でもメディアやSNS、運用型広告と多角化しているため、広告代理店のビジネスも多岐にわたります。
そんな星の数ほどある広告代理店のなかで、どの企業の売上・収益が高いのでしょうか?
この記事では、「日本の広告代理店における売上・収益ランキングTOP30」と、「世界の広告代理店の売上ランキングTOP10位」をご紹介します。
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日本の広告市場は6兆7,998億円
引用:電通報「2021年 日本の広告費」
国内広告代理店No.1の電通が展開するメディア「電通報」によると、日本の広告市場は6兆7,998億円です。
2019年には6兆9,381億円まで拡大したのですが、コロナの影響で一時減少し、昨年には同水準まで市場が回復しました。
広告市場とは、マスメディアやインターネット、交通広告をはじめとした広告の出稿額で、多くの事業者が「認知拡大」や「顧客獲得」において広告を実施していることがわかります。
広告代理店は、スマートフォンを中心としたデジタルでの接点が増えているなか、クライアント(事業者)がどのように情報を届け、消費者に対してコミュニケーションをとっていくのかを日々考案し、提案をしています。
インターネット広告費がマスコミ4媒体を抜く
引用:電通報「2021年 日本の広告費」
ずっと囁かれていたことではありますが、ついに2021年、マスコミ4媒体への広告出稿額よりも、インターネット広告費が多くなりました。
引用:電通報「2021年 日本の広告費」
6兆7,998億円の広告市場のうち、以下の構成比となっています。
- インターネット広告費:39.8%
- マスコミ4媒体広告費:36.1%
- プロモーションメディア広告費:24.1%
ではどの媒体にどれくらいの広告費が制作・出稿されているかというと、
引用:電通報「2021年 日本の広告費」
- マスメディア(マスコミ4媒体):2兆4,538億円
- 新聞:3,815億円
- 雑誌:1,224億円
- ラジオ:1,106億円
- テレビ:1兆8,393億円
- インターネット広告費:2兆7,052億円
- 媒体費:2兆1,571億円
- EC系プラットフォーム広告費:1,631億円
- 制作費:3,850億円
- プロモーションメディア広告費:1兆6,408億円
- 屋外:2,740億円
- 交通:1,346億円
- 折込:2,631億円
- ダイレクトメール:3,446億円
- フリーペーパー:1,442億円
- POP:1,573億円
- イベント、展示、映像:3,230億円
と上記のようなセグメントになっています。
日本だけでなく世界の広告市場として、インターネット広告がメインになってくることは間違いありません。
では本題の「日本の広告代理店 売上・収益ランキングTOP30」をご紹介し、続いて「世界の広告代理店の売上ランキングTOP10」をご紹介します。
日本の広告代理店 売上・収益ランキングTOP1位~10位
順位 | 企業名 | 売上高 | 前年比 |
1 | 電通グループ | 1兆855億円 | +15.6% |
2 | 博報堂DYホールディングス | 8,950億円 | +25.3% |
3 | サイバーエージェント | 6,664億円 | +39.3% |
4 | 東急エージェンシー | 1,043億円 | -20.1% |
5 | デジタルホールディングス | 905億円 | +11.0% |
6 | ジェイアール東日本企画 | 886億円 | -26.7% |
7 | ホープ | 356億円 | – |
8 | GMOアドパートナーズ | 345億円 | – |
9 | バリューコマース | 335億円 | +15.0% |
10 | ファンコミュニケーションズ | 267億円 | -9.1% |
※青字は前年比増、赤字は減少、黒字は横ばい(各社IR情報より)
まずは日本の広告代理店の売上・収益ランキングTOP10をご紹介します。
ちなみに「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)を適応していたりしていなかったりする企業が多く、広告代理店用語でいう売上総利益(マージン)を売上として計上している企業が多いです。
関連記事:【広告用語】グロス・ネット・マージンの意味を必ず理解しよう
1位 電通グループ:1兆855億円
まず日本の広告代理店の売上・収益ランキング1位はみなさんご存知「電通グループ」で、売上高は1兆855億円、前年比で+15.6%となっています。
電通は多くのグループ会社が存在するためグループ各社の売上がわかりづらいのですが、「電通ジャパンネットワーク」と「電通インターナショナル」にわかれており、決算説明資料による各社セグメントは以下になります。
- 電通ジャパンネットワーク:4,159億円(前年比:+19.2%)
- 株式会社電通:2,214億円(+18.3%)
- 電通国際情報サービス:400億円(+6.8%)
- 電通デジタル:353億円(+41.0%)
- CARTA HOLDINGS:238億円(+17.5%)
- 電通テック:190億円(+31.7%)
- 電通ライブ:113億円(+23.7%)
- 電通インターナショナル:5,609億円
- メディア:2,800億円(+20.9%)
- クリエイティブ:982億円(+3.1%)
- CXM:1,826億円(+11.2%)
昨年比をみると、インターネット広告をメインとした「電通デジタル」や、DXやシステムインテグレーションの「電通テック」の増加率が高くなっています。
やはり日本の広告代理店といえば「電通」ですが、売上・収益面でも確固たる地位を築いています。
2位 博報堂DYホールディングス:8,950億円
2位にランクインしているのは博報堂DYホールディングスです。
売上高は1兆5,189億円ですが、同ランキングで記載している「売上総利益は8,950億円」となり、前年比で+25.3%となっています。
ちなみに博報堂グループも多くのグループが存在しますが、主要グループ会社とその連結子会社は、
- 博報堂グループ
- 博報堂
- 博報堂プロダクツ
- 博報堂Gravity
- スパイスボックス
- QUANTUN など
- 大広グループ
- 大広
- 大広WEDO
- 大広メディアックス
- チョーズン・ワン など
- 読売広告社グループ
- 読売広告社
- YOMIKO Digital Shift など
- アイレップグループ
- アイレップ
- ロカリオ
- カラック など
- 博報堂DYメディアパートナーズグループ
- 博報堂DYメディアパートナーズ
- 博報堂DYスポーツマーケティング
- 博報堂DYアウトドア など
- デジタル・アドバタイジング・コンソーシアムグループ
- デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム
- 博報堂アイ・スタジオ
- トーチライト など
- kyu
- kyu(アメリカ)など
- Hakuhodo DY Matrix
- 博報堂テクノロジーズ
- 博報堂テクノロジーズ
- ソウルドアウトグループ
- ソウルドアウト
- アンドデジタル など
主に上記のようなグループで構成されています。
3位 サイバーエージェント:6,664億円
3位は6,664億円で、前年比+39.3%ともっとも高い比率の「サイバーエージェント」です。
2018年にベインキャピタルに買収され上場配信になった「ADK(アサツーディ・ケイ)」がずっと3位でしたが、今ではサイバーエージェントが広告代理店として3位にランクインしています。
とはいえサイバーエージェントは広告代理店からのスタートで、アメブロやABEMAなどのメディア事業で有名になりましたが、現在の売上セグメントとしては3つの柱があり、
- 全社の売上高:6,664億円(営業利益:1,043億円)※過去最高!
- 広告事業:3,213億円(営業利益:225億円)
- ゲーム事業:2,627億円(営業利益:964億円)
- メディア事業:828億円(営業利益:-151億円)
売上を2度上方修正し、過去最高の売上収益を更新しています。
いまでは新卒社員の初任給を42万円に引き上げ、もっとも勢いがあるのがサイバーエージェントです。
5位 デジタルホールディングス:905億円
5位ランクインしているのは、広告代理店から産業変革(IX =Industrial Transformation)を掲げる「デジタルホールディングス」です。
売上は905億円で、前年比は+11%となっています。
インターネット広告で業界2位だった「オプト」からスタートし、2020年にデジタルシフトを設立、ソウルドアウト社を博報堂DYに譲渡してホールディングスに変更しました。
主要子会社としては、
- デジタルシフト事業
- デジタルシフト
- リテイギ
- コネクトム
- オプトインキュベート
- JOMYAKU
- 広告事業
- オプト
- 金融投資事業
- ボンズインベストメントグループ(BIG)
- オプトアメリカ
事業ポートフォリオを上記のように再編し、産業変革(IX)や、DX、広告事業での拡大を目指します。
日本の広告代理店 売上・収益ランキングTOP11位~20位
順位 | 企業名 | 売上高 | 前年比 |
11 | クイック | 235億円 | +17.4% |
12 | インタースペース | 231億円 | -7.0% |
13 | フルスピード ※2022年9月 上場廃止 | 150億円 | +1.0% |
14 | アイモバイル | 142億円 | -20.0% |
15 | サイネックス | 141億円 | +9.1% |
16 | ジーニー | 144億円 | – |
17 | SMN | 133億円 | +10.3% |
18 | ユナイテッド | 127億円 | -22.0% |
19 | イーエムネットジャパン | 106億円 | +14.7% |
20 | アドウェイズ | 96億円 | – |
広告代理店の売上・収益ランキングの11位~のご紹介です。
ほとんどがインターネット系広告代理店となりますが、少しだけ各社のトピックスをご紹介します。
13位 フルスピード:150億円 ※2022年9月1日上場廃止
日本の広告代理店ランキング13位にランクインしているのは、インターネット広告が中心事業の「フルスピード」で、売上高は150億8700万円となっており、前年比では+1%となっています。
売上セグメントとしては、大きく2つあり、
- アドテクノロジーセグメント:129億円※アフィリエイトプラットフォームやCDPなど
- インターネットマーケティングセグメント:36億円※インターネット広告、SNSマーケティング支援
上記のような売上セグメントになっています。
- 株式会社フォーイット(afbなどのアフィリエイトプラットフォーム)
- 株式会社クライド(アドテクノロジー)
- 株式会社ファンサイド(HRマーケティング)
- 株式会社LinkAd(運用型広告やSEO)
- Rita株式会社(動画配信)
- 株式会社JobRoad(外国人向け就労プラットフォーム) など
グループ会社も様々なマーケティングやプラットフォーマーを傘下にしていて、デジタルマーケティングやDXを推進しています。
16位 ジーニー:144億円
16位は売上高140億円、売上総利益37億円の「ジーニー」です。
2010年にリクルートのアドネットワーク事業の立ち上げメンバーが創業し、SSP(Supply Side Platform)の開発から、DSP(Demand Side Platform)など、広告プラットフォーム提供からスタートしたアドテクノロジー企業です。
- 広告プラットフォーム事業 ※SSPやDSPなど:売上高(112億円)、利益(17億円)
- マーケティングSaaS事業 ※SFAやMA、BIなど:売上高(11億円)、利益(1.2億円)
という売上セグメントになっています。
いわゆる広告代理店というよりはプラットフォーマーに近いのですが、広告にかかわる非常に重要なプラットフォーム展開をしています。
20位 アドウェイズ:96億円
20位にランクインしているのは「アドウェイズ」で、売上は96億円です。
決算期変更により前年比をだしていませんが、売上高としては約+22%にはなっているかと思います。
アドウェイズといえばスマートフォン向けの広告に特化していますが、今期は国内のマンガアプリへの広告が絶好調で、業績予想を超える結果となっています。
日本の広告代理店 売上・収益ランキングTOP21位~30位
順位 | 企業名 | 売上高 | 前年比 |
21 | プラップジャパン | 82億円 | +72.5% |
22 | ゲンダイエージェンシー | 74億円 | +2.4% |
23 | 中広 | 70億円 | +7.8% |
24 | 共同ピーアール | 56億円 | +12.4% |
25 | ネットマーケティング | 51億円 | – |
26 | 日宣 | 48億円 | +0.2% |
27 | GMO TECH | 42億円 | +57.7% |
28 | ログリー | 26億円 | -32.3% |
29 | インサイト | 26億円 | +33.8% |
30 | レントラックス | 24億円 | – |
最後に、日本の広告代理店売上・収益ランキングの21位以降のご紹介です。
21位 プラップジャパン:82億円
21位にランクインしているのは、「プラップジャパン」で、売上は82億円、前年比は+72%と大きく売上を伸ばしています。
同社は広告代理店というよりは、PR会社に近く、企業の広報活動を支援するようなサービスやコンサルティングを提供しています。
ちなみにPR会社の売上上位はPRTIMESなどを展開する「ベクトルグループ」や、PRだけでなくパンケーキでおなじみのbillsなども国内展開する「サニーサイドアップ」が有名ですが、PR会社としては国内売上4位にランクインしています。
- プラップジャパン社
- ブレインズ・カンパニー
- 旭エージェンシー
- ウィタン・アソシエイツ
- ポインツジャパン
- プレシジョンマーケティング
を国内拠点とし、マスメディアやWebメディア、SNSへの広告・PRを主体としています。
27位 GMO TECH:42億円
27位にランクインしているのが、GMOグループのインターネット広告・メディア事業を行っている「GMO TECH」です。
インターネット広告代理店からはじまり、SEOやMEOをはじめ一般的な広告代理店といった形ですが、近年はMEO(マップ最適化)とアフィリエイトサービスが好調に推移し、前年比も大きく伸ばしています。
ただ近年はインターネット広告というよりはMEOやアフィリエイト、GMO賃貸DXというテック事業がメインになってきているので、あまりインターネット広告代理店というイメージはありませんね。
世界の広告代理店 売上ランキングTOP10 電通は6位
順位 | 会社名 | 売上高 | 本社 |
1 | WPPグループ | 169億ドル(2兆3,254億円) | ロンドン |
2 | オムニコムグループ | 150億ドル(2兆650億円) | ニューヨーク |
3 | ピュブリシス・グループ | 123億ドル(1兆6933億円) | パリ |
4 | アクセンチュアインタラクティブ | 103億ドル(1兆4180億円) | ダブリン |
5 | インターパブリックグループ | 102億ドル(1兆4041億円) | ニューヨーク |
6 | 電通グループ ※ | 96億ドル(1兆3215億円) | 港区 |
7 | デロイトデジタル | 79億ドル(1兆875億円) | ニューヨーク |
8 | PwCデジタルサービス | 67億ドル(9221億円) | フロリダ |
9 | IBM iX | 56億ドル(7707億円) | ニューヨーク |
10 | ブルーフォーカスコミュニケーショングループ | 41億ドル(5642億円) | 北京 |
※1ドル:136円計算(円安ですね…)
最後に売上高のレベルは違うのですが、世界の広告代理店の売上ランキングTOP10を紹介します。
1位はイギリスのWPPグループで、売上高は電通の約2倍弱の2兆3,254億円となっています。
WPPはジャパン社も設立されており従業員は約1,000名、日本でのクライアントは
- Amazon(アマゾン)
- Dell(デル)
- Google(グーグル)
- 三菱商事
- ソニー
- トヨタ
などを支援しています。
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ここまでご覧いただきありがとうございます。
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