世界一のEC大国である、中国BtoCの大手ネット通販・ECサイト&モールの売上ランキングが発表されました!
相変わらずアリババグループの「天猫(Tmall)」と「京東(JD)」の2強ではありますが、中国のBtoC-EC売上が非常に大きな伸びを見せており、世界でもEC売上1位を誇る中国のEC市場が、まだまだ成長するという確信的な数字になっています。
それでは上半期の中国BtoCのネット通販・ECの売上ランキングTOP10を発表します。
上半期の中国EC売上ランキング
出展:www.100ec.cn
2018年上半期の中国EC売上ランキング表
順位 | ECサイト名 | 取引額 | 市場シェア |
1位 | 天猫 | 36兆1,900億円 | 55.0% |
2位 | 京東 | 16兆5,816億円 | 25.2% |
3位 | 拼多多 | 3兆7,506億円 | 5.70% |
4位 | 蘇寧易購 | 2兆9,610億円 | 4.50% |
5位 | 唯品会 | 2兆8,294億円 | 4.30% |
6位 | 宝尊 | 1兆9,740億円 | 3.0% |
7位 | 国美在線 | 7,896億円 | 1.2% |
8位 | amazon中国 | 3,948億円 | 0.6% |
9位 | 当当 | 329億円 | 0.5% |
10位 | 聚美优品 | 212億円 | 0.3% |
相変わらず断トツ1位のシェア率を誇る、アリババグループの「天猫(Tmall)」が2018年上半期で36兆円以上の売上を達成、昨年よりも5%ほどシェア率を伸ばし、市場シェア率は55%と断トツです。
続いて2位の「京東(JD)」も16兆円以上の売上を達成し、昨年よりも0.8%増加し、シェア率は25.2%となっています。
続いて中国ECでは後発であったグルーポン形式で商品を販売している「拼多多(pinguoduo)」が3位にランクイン。
その後は4位に蘇寧易購(Suning)、5位に唯品会(Vipshop)、国美在線(Gome)、Amazonの中国(0.6%)などが続くという結果になりました。
中国BtoCのEC売上高は65.8兆円(上半期)
中国電子商取引研究センターによると、中国国内のEC小売市場は「4081000000000元」=約65.8兆円となり、30.1%増加しています。
さらにその中でも「2737000000000元」の約66%がモバイルでの取引、つまりスマートフォンでの購入となります。
さらにこの2018年上半期のBtoC-ECのオンライン小売市場は、中国小売市場の22.7%を占めるということになっています。
ちなみに中国の消費者同士の取引である、CtoCのECに関しては「CtoCのEC市場規模は1兆円超え!国内のメルカリや海外市場の事例など」でも紹介しています。
ということでこのシェア率TOP5のECサイトを、簡単に説明していきたいと思います。
1位 天猫(Tmall)
2018年上半期売上高:約36兆1,900億円(55.0%)
天猫(Tmall)はアリババグループが2013年に開設したショッピングモール型のBtoC-ECサイトです。
特徴として、中国のユーザーから非常に高い信頼性があります。
そもそもこの天猫(Tmall)を設立した背景としては、中国国内に流通してしまっている非正規品、つまり偽物を流通させないために、高級で本物志向のニーズに応えるために、天猫(Tmalll)を開設しました。
そのため厳しい審査が通った法人のみが出店できるというショッピングモールとなり、国内企業でもパナソニックやソニー、ユニクロ、資生堂、花王、ライオンなど日本を代表する企業も出店しています。
詳しくは「天猫(TMALL)とは?中国ECシェア6割を占めるNo.1のECサイトです」で解説しています。
2位 京東(JD)
2018年上半期売上高:約16兆5,816億円(25.2%)
世界一のEC市場規模を誇る中国でも、天猫(Tmall)に次いでランクインしているのが京東(JD)ですが、京東(JD)は天猫(Tmal)とはECにおけるビジネスモデルが異なります。
天猫(Tmall)は各事業者に対して出店をさせるというビジネスモデルですが、京東(JD)は超大型のセレクトショップとなり、自社で商品を仕入れ、それを消費者向けに販売しています。
ただ中国国内の直販型ECサイトでは、京東(JD)はシェア50%を超えています。元々が家電やPCをメインに扱っていたため、今でもデジタル家電なら京東(JD)というイメージがあるECサイトです。
詳しくは「京東商城(JD.com)とは?中国EC売上No.2!読み方や特徴をご紹介」で解説しています。
3位 拼多多(pinduoduo)
2018年上半期売上高:約3兆7,506億円(5.7%)
拼多多(pinduoduo)は中国でECサイトが普及しているところに現れたダークホースと言われており、2015年に開設されたECプラットフォームです。
昨年2017年にはユーザーが3億人を超え、昨年末の1日の注文量は京東(JD)を超えたというニュースもあり、2018年1月のアクティブユーザー数は1.14億人と3位になりました。
ちなみにこの拼多多(pinduoduo)は、グルーポン形式で商品を販売しているということもあり、SNS上でのつながりをはじめ、テンセントが提供する中国最大のチャット「微信」などでのアクセスが伸びた要因と言われております。
4位 蘇寧易購(Suning)
2018年上半期売上高:約2兆9,610億円(4.5%)
蘇寧易購(Suning)を運営しているのは、「蘇寧電器」という中国の家電量販店で、中国中に1,600以上の店舗展開をし、日本のラオックスを買収した企業です。
元々が家電量販店ということもあり当然家電に強く、2010年に蘇寧易購(Suning)をのECサイト開設してからは、店舗とECの連携を行い、物流も含めたオムニチャネルを実行しています。
実店舗を他店舗展開しているというこから、天猫(Tmall)と同じく信頼性が高く、メーカーからの仕入も長年行ってきたことから仕入原価も安く、比較的安い金額で販売をしています。
5位 唯品会(VIP.com)
2018年上半期売上高:約2兆8,294億円(4.3%)
唯品会(VIP.com)はアパレルやアクセサリーを中心としたファッションアイテムを得意としているECサイトで、会員数は約2億人以上、女性ユーザーを中心に人気のECサイトです。
唯品会(VIP.com)の特徴として、海外のブランドやメーカーから直接仕入をしているため、中国で懸念されている非正規品、つまり偽物の心配がない信頼性の高いECサイトです。正規品の保証も手厚く、万が一偽物であった場合は全額保証などのサービスも展開しています。
「フラッシュセール」という期間限定の割引を行う手法を行い、定期的に行われるフラッシュセールはユーザーのリピート率を増加させる理由でもあります。
ちなみに国内のファッション・アパレルECサイトの売上ランキングは「【2019年最新】ファッション・アパレルECサイト売上高ランキングTOP50」で解説しています。
中国ネット通販、EC売上ランキングまとめ
ここまでご覧いただきありがとうございます。
この記事では2018年1月〜6月の中国BtoCにおけるECサイトの売上ランキング&シェア率を説明しました。
下半期では11月11日に行われる、中国ECで一番盛り上がる「独身の日」もありますし、上半期よりも売上高は大きくなると予想されます。また2018年下半期の売上が発表されたら2018年の中国EC売上ランキングまとめを書きますので、期待しておいてください。
ちなみに日本国内のEC売上ランキングは「【2019年最新】ECサイト・ネット通販売上高ランキングTOP100を発表!」でご紹介しています。