2年ほど前に、Safari11に搭載された仕組みである「ITP」によって、サードパーティクッキーが制限され、広告配信に制限がかかる。というインターネット広告会社としては致命的なことが起こりました。
さらに、Googleが提供しているブラウザ「Google Chrome」でも2年以内にサードパーティクッキーをブロックするという発表があり、インターネット広告業界では激震が走っています。
この記事では、そんなクッキーの基本から、サードパーティクッキーがブロックされることによってどんなことが起こるのか?を詳しく解説します。
クッキー(Cookie)とは?
インターネットにおけるクッキー(Cookie)とは、Webサイトが発行するデータをブラウザ(ChromeやSafariなど)に保存する箱のようなものです。
クッキーは発行元の違いによって、大きく2つの種類があります。
- ファーストパーティクッキー
- サードパーティクッキー
この上記の2種類が存在します。
それではこのクッキーの種類について解説します。
ファーストパーティクッキーとは?
ファーストパーティクッキーとは、インターネットユーザーが見たドメインから発行されています。
ChromeやSafariを使ってWebサイトを見るわけなんですが、見るとデータがブラウザに保存されるわけです。
つまり、ZOZOTOWNを見るとZOZOTOWNから発行されたファーストパーティクッキーが、ブラウザに保存されるわけですね。
サードパーティクッキーとは?
続いて本題のサードパーティクッキーを説明します。
サードパーティクッキーとは、簡単に言うとそれ以外のドメインから発行されたクッキーのことです。
例えばZOZOTOWNを見ると、ZOZOTOWNからはファーストパーティクッキーのデータが保存されるわけですが、それ以外のドメインからもデータが付与されています。
たとえば、アドテク系サービスによる、
- トラッキング
- リマーケティング・リターゲティング
- ターゲティング
- デモグラ属性判別・・など
こんな目的によるユーザーの判別にサードパーティクッキーを利用しています。
サードパーティクッキーは複数のサイトを横断し、閲覧を追跡し、ユーザー属性に合わせた広告配信が可能になります。
ちなみにアップルのブラウザ「Safari11」に搭載したITPは、サードパーティクッキーデータを利用できる時間を24時間以内に制限しました。
これにより広告系のトラッキングができなくなり、正確な広告配信ができなくなってしまいます。
サードパーティクッキーの制限によって使えなくなる4つの広告
Google Chromeがサードパーティクッキーを制限すると、世界のユーザー9割を占めているChromeとSafariでサードパーティクッキーがブロックされ、正確な広告配信ができなくなります。
2年後にはアドテク系のサービスを提供している会社やインターネット広告会社が提供する広告配信ができなくなり、多くの企業のマーケティングに影響が出てきます。
それでは具体的にどんな広告配信が使えなくなってくるのでしょうか。
サードパーティクッキーを使用したDMP
まずサードパーティクッキーを使用した「DMP(Data Management Platform)」が使用できなくなります。
DMPに関しては「DMPとは?IT初心者でもわかるように説明します【おすすめDMPも】」で解説しています。
オーディエンスターゲティング
続いて使えなくなるのがオーディエンスターゲティングです。
オーディエンスターゲティングとは、
- サイトの訪問履歴
- ECサイトの購入履歴
たとえばこのようなデータからユーザーの興味関心や属性を見極め、広告配信する方法です。
リマーケティング・リターゲティング広告
一度サイトに訪問したユーザーに対して、そのサイトの広告が表示されるリマーケティングやリターゲティング広告が使えなくなります。
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ビュースルーコンバージョン計測
続いてビュースルーコンバージョン計測が使えなくなります。
ECサイトでよくあるのですが、広告をクリックしたことのあるユーザーが、別の日に他の経路から商品を購入した際に、コンバージョン計測ができなくなります。
これができなくなると、どれくらい広告がコンバージョンに寄与していたかがわからなくなり、広告効果を可視化することができなくなります。
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ブロックはプライバシー保護の理由
なぜグーグルやアップルがこのようなサードパーティクッキーを制限するかというと、
- GDPR(一般データ保護規則)
- CCPA(カリフォルニア消費者プライバシー法)
ヨーロッパやアメリカではこのようなプライバシー保護規約が施行されていて、グーグルやアップルも従うしかないということです。
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ちなみに日本でも個人情報保護法の改正によって3月に成立される予定です。
ターゲティングに頼らないマーケティングを意識しよう
ここまでご覧いただきありがとうございます。
2年ほど前に、Safari11に搭載された仕組みである「ITP」によって、サードパーティクッキーが制限され、広告配信に制限がかかる。というインターネット広告会社としては致命的なことが起こりました。
さらに、Googleが提供しているブラウザ「Google Chrome」でも2年以内にサードパーティクッキーをブロックするという発表があり、インターネット広告業界では激震が走っています。
サードパーティクッキーの制限によりインターネット広告会社はもちろん、企業としても広告効果を見ることができず痛手です。
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とはいえ広告テクノロジーに頼らず、より良い商品づくりや時代にあったマーケティングを実施する、企業本来のマーケティング方法を実施していき、売上拡大を目指していきましょう。