SNSの投稿を見て購買行動を起こさせるソーシャルコマースは、ECサイトで販売する小売事業者としても話題の手法となり、様々な企業がソーシャルコマースにチャレンジしています。
とはいえ実際にソーシャルコマースで購買行動を起こすユーザーは、どんな年代・性別の消費者が多いのでしょうか?
ソーシャルコマースの施策を行うにあたり、訴求すべきターゲットが定まっていないと、なかなか成功しないというのが現状です。
この記事では、そんなソーシャルコマースの基本から、どんな年代・性別の消費者が関心があるのか?ということを、海外のマーケティング事例を参考にご紹介したいと思います。
ソーシャルコマースとは?
ソーシャルコマースとは、ソーシャルメディア(SNS)とECを組み合わせて、商品販売を促進する手法です。
- LINE
- ブログ etc
活用されているソーシャルメディアは様々で、上記のような情報発信が可能なプラットフォームとECを組み合わせる施策のことです。
たとえばインスタグラムで投稿された写真で使用しているワンピースが欲しくなったときに、投稿からECサイトに遷移させて、購入ができる仕組みをつくったりします。
普通にECサイトで商品を購入する場合は、GoogleやYahoo!の検索エンジンで商品名などを検索したり、アマゾンや楽天などのECサイトで商品を検索するという顕在的なニーズがあります。
ですがソーシャルコマースは、SNSでフォローしている友だちやインフルエンサーの投稿を見ているなかで、商品に興味を持ったり購入したいという意欲が湧くという潜在的なニーズに対して施策を行います。
ちなみに潜在層や顕在層については「潜在層と顕在層とは?これを理解してマーケティングや営業に活かそう」で詳しく解説しています。
なので買いたいと思っているユーザーではなく、投稿を見ているうちに興味を持ったり、買いたくなってしまったというユーザーに対して、購入できる仕組みをつくることがソーシャルコマースです。
InstagramとTwitterでトレンド検索を行う
出典:トレンダーズ 女性のSNS利用と消費行動に関する調査を実施
上記で説明したように、ECサイトで購入意欲の高い顕在層ユーザーは、GoogleやYahoo!の検索エンジンや、アマゾンや楽天などのECサイトで検索をします。
逆に「トレンド」を知りたい場合は、Google、Yahoo!で検索する人は少なくなり、「Twitter」や「Instagram」で検索することがかなり多いという調査結果が出ています。
そんなトレンド検索に便利なSNSですが、近年そのまま買い物ができるソーシャルコマース系の機能が充実しています。
Instagramのショッピング機能
2018年6月にリリースされたのが、インスタグラムの「ショッピング機能」です。
すでに導入している事業者も多いですが、ショッピングが可能な商品を掲載した場合に、投稿の左下にショッピングバッグのアイコンが表示されます。
そこでECサイトの名前と金額が表示されるので、そこからECサイトの商品ページに飛ぶことができ、商品を購入できるという仕組みです。
Instagramのチェックアウト機能
2019年3月にベータテストが開始された、「インスタグラムのチェックアウト機能」です。
これはショッピング機能とは違い、ECサイトに遷移せずに商品購入ができてしまいます。
すでに有名事業者ではこの機能を活用しており、アディダスやバーバリー、ディオールなどでこの機能が実装されています。
詳しくは「インスタグラムのプレスリリース」をご覧ください。
関連記事:GoogleやFacebook社の広告売上高はいくら?インスタやツイッターもご紹介
SNSの投稿で商品を購入したことがあるのは63%
出典:女性のSNS利用と消費行動に関する調査を実施 トレンダーズ
トレンダーズの調査によると、「SNSの投稿を見て、インターネットで商品を購入したことはありますか?」というアンケートに対して、
- インフルエンサー型:63.2%
- フォロワー型:46.1%
このような国内ユーザーが購入したことがあるという結果が出ています。
SNSの投稿から商品を購入したことがあるというユーザーも増えているので、ソーシャルコマースは非常に効果のある施策ということもわかっています。
ちなみにインフルエンサーとの取組みする費用感は「インフルエンサーマーケティングの費用はいくら払えばいいの?」でご紹介しています。
国内のユーザーではこのような結果が出ていますが、IT先進国であるアメリカのユーザーの調査もでているので、ご紹介します。
どんな年代や性別の消費者が購入・関心があるのか?
出典:emarketer.com
続いてはBizrate Insightsによる、「ソーシャルメディアを通じて商品購入をすることにアメリカのユーザーがどの程度関心を持っているか?」という調査結果をご紹介します。
- 定期的に購入している
- 定期的には購入しないが、以前購入したことがある
- 購入していないが、非常に興味がある
- 購入していないが、やや興味がある
- 購入しておらず、興味がない
- そもそも知らない
インターネットユーザーを性別、年齢別のユーザーに対して上記のようなアンケートでわけたところ、以下のような結果になっています。
42%の女性がソーシャルコマースでの購入実績あり
この調査結果では、42%の女性はソーシャルコマースにて購入した実績があるということがわかっています。
さらに購入はしたことはないが、28%のユーザーが、「少なからず興味がある」という調査結果がでています。
男性が購入したことがあると答えているのは26%で、興味があると答えているのは27%となるので、女性の方がソーシャルコマースの購入・興味換気という点では135%ほど高いということがわかります。
47%の男性はソーシャルコマースに興味がない
男性全般でいうと47%のユーザー、約半数がソーシャルメディアを見ていても商品に興味がないということがわかっています。
女性がソーシャルコマースに興味がないと答えているのは31%なので、男性のソーシャルコマース興味がないという人々が、女性の約1.5倍いるということになります。
F1、M1層(18~34歳)は44%が購入実績あり
逆に年齢別で行くと、女性・男性の18歳〜34歳、つまりF1層とM1層は、ソーシャルコマースでの購入実績があるという結果が出ています。
35歳〜54歳になるとそれが32%に減少し、55歳以上になると24%に減少していきます。
このような調査結果がでているので、結論ソーシャルコマースを狙うなら、「18歳〜34歳の女性が狙いどころ」ということになりますね。
ターゲットを明確にしてソーシャルコマースで訴求しよう
ここまでご覧いただきありがとうございます。
SNSの投稿を見て購買行動を起こさせるソーシャルコマースは、ECサイトで販売する小売事業者としても話題の手法となり、様々な企業がソーシャルコマースにチャレンジしています。
ソーシャルコマースで購買行動を起こすユーザーは、上記の調査結果から「18歳〜34歳の女性」が多いということがわかっています。
「メーカーEC(DtoC)事業者はマーケティング予算をどこに投資すべきなのか?」で紹介しているように、メーカーなどのDtoC事業者は、メインの顧客獲得チャネルとしてSNSにマーケティング費用を投下しています。
ソーシャルコマースの施策を行う際には、ぜひ参考にしてみてくださいね。