PRは(Public Relations)パブリックリレーションズと読み、会社や事業を成長させることにおいてPR活動が非常に重要です。
そんなカッコいい響きのあるPR会社ですが、「何をしているのか?」「具体的な仕事は?」「信頼できるPR会社は?」など、PR会社に依頼をするにも基本知識がないとうまくいきません。
この記事ではPR会社の基本的な知識から、広告代理店との違い、有名なPR会社の売上ランキングをご紹介します。
PRの定義(Public Relations)
PRの定義はいくつかありますが、まずは世に言う「PR(Public Relations)の定義」を叩き込んでおきましょう。
「Public relations is a strategic communication process that builds mutually beneficial relationships between organizations and their publics.」
アメリカパブリックリレーションズ協会より「パブリックリレーションズ(Public Relations)とは、組織とその組織を取り巻く人間(個人・集団)との望ましい関係を創り出すための考え方および行動のあり方である。」
日本パブリックリレーションズ協会より
簡単にいうとパブリックリレーションズとは、企業が関わっているステークホルダー(消費者をはじめ株主~従業員)に対して情報共有をし続けることで、相互の信頼関係を構築し続ける。ということです。
PR会社とは?
パブリックリレーションズの定義がわかったところでPR会社を説明すると、企業が関わっているステークホルダーに対して情報共有を行ってくれる会社です。
一般的にPR会社というと、新商品を様々なメディアに露出させるというイメージがあるかもしれませんが、今は従来のマスメディア(TV、雑誌、新聞)へのパブリシティ活動だけでは思ったような信頼関係の構築ができない時代です。
なので従来のパブリシティ活動をはじめ、イベントプロモーションからSNS運用などのマーケティング活動も行っているという会社です。
広告代理店との違い
近しい活動を行っている「広告代理店」との違いも理解しておきましょう。
広告代理店とはマーケティングの4Pのひとつであるプロモーションのなかの、「広告出稿」を代行している企業のことです。マーケティングの4Pについては「マーケティングの4Pとは?基本を理解して最適な施策をしよう」をご覧ください。
広告とは具体的にいうと、メディアにお金を払って広告枠を買いつけて、そこに広告を掲載することです。
テレビCMの枠を買う、雑誌広告の枠を買う、新聞広告枠を買う、買った広告枠に制作した動画や画像のクリエイティブを掲載します。
PR会社との大きな違いは、メディアを運営している会社(テレビ局や出版社)との取引口座があるかどうかです。というのもテレビ局や出版社などのメディアを運営している会社は、取引口座がある広告代理店を通さないとクライアントは広告出稿ができない決まりになっています。
テレビ局や出版社などが発表している広告掲載金額は、そもそも広告代理店のマージンを含んだグロスの金額になっています。
たとえば100万円の広告掲載金額だったとすると、クライアントから100万円の金額をもらった場合、20万円は広告代理店のマージンとなり、80万円はメディア側に払うネット金額になります。広告業界のグロスとネットについては「グロスとネットの意味、計算方法を解説します!」をご覧ください。
つまり広告枠を買うことができるのが広告代理店で、広告枠が買えないからこそ様々なPRを行うのがPR会社というわけです。それではPR会社の具体的な仕事内容についてご紹介します。
PR会社の具体的な仕事内容
広告代理店とPR会社の違いがわかったところで、PR会社の具体的な仕事内容を解説します。
- メディアパブリシティ・メディアリレーション
- PRイベント・記者会見
- プレスリリース配信
- タレント・インフルエンサーキャスティング
- SNS運用
PR会社の仕事内容は上記のようなことをメインに行なっています。それでは具体的にどんなことをやっているのかをご紹介していきます。
メディアパブリシティ・メディアリレーション
企業の商品やサービスを消費者をはじめとしたステークホルダーに伝えるために、メディア(媒体)やメディア関係者との関係を構築していく活動です。
メディアといってもテレビや雑誌、インターネットメディアまで多岐にわたります。企業がとても素晴らしい商品やサービスを提供していたとしても、メディア関係者との関係が悪ければ掲載をしてもらえません。
メディア関係者に信頼を得ているPR会社があるからこそ、パブリシティ獲得をすることができ、商品やサービスを露出することができるようになります。
PRイベント・記者会見
多くのメディアに掲載されるためには、話題の人や演出を行うようなイベントも大事です。
たとえば企業の商品発表会で囲み取材によるゴシップを取り上げられたりもしますが、それも話題の人物のキャスティングができているからこそ、テレビなどでの露出が見込めます。
さらにイベントをするだけでなく、上記のメディアリレーションを行っているからこそ、それを掲載してもらえるメディアに対してもアプローチができるというわけです。
プレスリリース配信
企業が発信したい商品やサービスだけでなく、広報的なニュースリリースを発信する、プレスリリースの配信も行います。
単純にプレスリリースを発信するだけでなく、最適なタイミングで最適なメディアを選定することで、適切なメディアでの露出ができるようになります。
⇒プレスリリースの書き方。2秒しか見られないことを考慮して書く
タレント・インフルエンサーキャスティング
企業の商品やサービスの認知拡大のために、女優や歌手、タレントを起用します。
イベント出演からビジュアル、テレビCM制作まで、広告に起用する演出や芸能事務所との契約〜交渉までを行います。今どきはインスタグラムなどのフォロワーが多数のインフルエンサーをキャスティングすることも多いです。
SNS運用
企業の商品やサービスの認知拡大や消費者とのコミュニケーションとして、SNSの活用は必須です。
PR会社が多いのはインスタグラムですが、twitterやyoutubeなどの運用からディレクション、運用の代行までも行います。
PR会社との契約形態
PR会社との契約形態は2種類あります。スポットで短期的なPRを行う「スポット契約」と長期的にPRを行う「リテナー契約」があります。
スポット契約
スポット契約は短期的にPRをお願いしたいときに行う契約です。
たとえばスタートアップの事業や商品で、情報拡散・認知拡大を行いたいときの契約形態です。新商品のPRで大規模なイベントを行うようなときに契約するのがスポット契約です。
リテナー契約
リテナー契約は中〜長期的にPRをお願いしたいときに行う契約です。
新商品や新サービスというよりは、ブランドなどの新事業を立ち上げたばかりで専任のPR担当がいないというときに、月間数十万円〜をお支払いして、様々なPRを包括的にお願いするときに契約する方法です。
PR会社を選ぶポイント
契約内容はスポット契約と、リテナー契約がありますが、PR会社を選ぶポイントもご紹介します。選ぶポイントは多くはないので、しっかりポイントを見定めて選びましょう。
どの業種に強いか?
PR会社ごとにどんな業種に強いか?ということを把握するのがポイントです。
たとえばファッションに強いだったり、化粧品に強い、スポーツ系に強いPR会社など、各業種に強みを持ったPR会社が存在します。
なぜその業種への強さがポイントかと言うと、メディアとのパイプの強さがあります。
たとえばファッション系であればテレビよりも雑誌を運営する出版社だったり、化粧品であれば雑誌やインフルエンサーとのパイプ、スポーツであればテレビ局など、業種によって親和性の高いメディアが存在するからです。
PR会社を選定するときは、どんな業種に強いのかを確認することがPR成功のポイントです。
どのメディアに強いか?
業種によって親和性の高いメディアが存在しますが、それでもメディアは多岐にわたります。
大手企業であれば信頼性担保のために雑誌に掲載することを重きにおいていたり、中小企業でマーケティングよりのPRを行いたい場合はインフルエンサーやSNSなどに強いPR会社を選ぶことが重要です。
自社の目的や実施したいPR内容によっても、PR会社がどのメディアに強いのかを把握しておく必要があります。
PR会社 国内売上ランキングTOP5
最後に国内のPR会社の売上ランキングを発表します。
PR会社は国内に星の数ほどあるというのと、非上場企業が多いためデータは多くありませんが、参考にしてもらえると嬉しいです。
- 株式会社ベクトル:301億円
- 株式会社サニーサイドアップ135億円
- 株式会社電通パブリックリレーションズ:105億円
- 株式会社プラップジャパン:68億円
- 株式会社共同ピーアール:43億円
※2019年4月段階での各決算書より
PR会社としての国内1位の売上は「株式会社ベクトル」で、ベクトルグループとして13社を持株会社化しており、連結売上高も増加しています。
メインのPR事業をはじめ、ネットを使ったPRサービスを提供する「PR TIMES」や、おもしろメディアの「クレイジー」などの運営も行っています。
売上ランキング2位は「株式会社サニーサイドアップ」で、メインのPR事業の他にクリエイティブ制作の会社から、パンケーキでお馴染みの「bills」まで幅広く展開しています。
売上ランキング3位は電通グループの「電通パブリックリレーションズ」で、売上高は105億8,010万円です。PR業務を中心にマーケティングまで総合的に行っている企業です。
売上ランキングにランクインしているPR会社だと、スポット契約というよりは長期的なリテナー契約を行うことを前提にしていくと良いです。
PR会社まとめ
ここまでご覧いただきありがとうございます。
PRとは情報を共有し続け信頼関係を築くいていくという意味で、それをお願いすることができるのがPR会社です。
PR会社は広告代理店と違い、広告枠を買って広告掲載をするわけではなく、消費者や株主や従業員などの企業が関わっているステークホルダーに対し、情報を共有し続けることで、相互の信頼関係を構築することを行ってくれます。
ぜひPR会社とパートナーシップを組んで、自社の商品やサービスだけでなく企業としても効果的なPRを行っていきましょう。
ご覧いただきありがとうございます。競合他社がどんなマーケティングを行っているかを知ることも重要なのでご興味があれば「競合比較~調査~分析方法を紹介」もご覧ください。
PR・マーケティング企業への転職は
PRやマーケティング支援企業への転職をお考えの方は、マーケティングやデジタルに特化したエージェントにお願いするのがベストです。
転職サイトだと今の会社に見つかってしまうかもなので、私は宣伝会議グループの「マスメディアン」にお願いをしたのですが、事業者側や支援企業の募集が多数あります。
自分の向いているマーケティング領域を明確にするだけでも、まずは無料相談だけでも実施してみましょう。