日本には製薬会社が多く存在しますが、どの製薬会社の売上が高いのでしょうか?
テレビCMでおなじみのドラッグストアで販売している医薬品や、薬局で処方される薬など、みなさんの健康で豊かな生活に欠かせない企業が「製薬会社」です。
この記事では、日本の製薬会社における最新決算発表をもとに、各社の売上ランキングTOP50をご紹介し、各社のトピックスをご紹介します。
ぜひご自身の転職や就職活動をはじめ、BtoB企業のマーケティングデータとしてもご活用ください。
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製薬業界の動向 市場は13兆円超え
製薬業界の市場規模はここ10年増加していましたが、2020年に若干減少し、その後回復をしています。
ご存知のとおり少子高齢化により医療費が増加しているため、国は薬剤費の増加を抑えるため、薬価の値段を引き下げています。
そのため企業の利益率が低下しており、製薬会社は特許切れの事業を売却、従業員の給与削減、早期退職を募るなど、コストの削減を余儀なくされています。
もちろんコロナの影響で海外製の参入がありましたが一段落し、薬価改定の影響にも負けず、製薬会社も高利益が見込める薬の開発に取り組んでいます。
以下の売上ランキングでは前年比を大きく上回る製薬会社も多く、高齢化社会に向けて各社の取り組みが見て取れます。
製薬会社 売上ランキングTOP1位~10位
順位 | 企業名 | 売上高 | 前年比 |
1 | 武田薬品工業 | 3兆5,690億円 | +11.6% |
2 | アステラス製薬 | 1兆2,962億円 | +3.7% |
3 | 第一三共 | 1兆449億円 | +8.6% |
4 | 中外製薬 | 9,998億円 | +27.0% |
5 | エーザイ | 7,562億円 | +17.1% |
6 | 大日本住友製薬 | 5,600億円 | -8.5% |
7 | 大塚ホールディングス | 4,898億円 | +14.1% |
8 | 興和 | 4,595億円 | +11.6% |
9 | 小野薬品工業 | 3,613億円 | +16.8% |
10 | 協和キリン | 3,522億円 | +10.6% |
※前年比、青字は増加、赤字は減少、黒字は横ばい
まずは製薬会社の売上高ランキングTOP10のご紹介です。
売上が1兆円を超える企業は3社あり、1位と10位の企業では約10倍の差があります。では以下で各社の決算トピックスをいくつかご紹介します。
1位 武田薬品工業:3兆5,690億円
製薬会社の売上高ナンバーワンの企業は、「世界中の人々の健康と 輝かしい未来に貢献する」をミッションに、積極的なM&Aによりシェアを拡大している「武田薬品工業」です。
売上高は3兆5,690億円となり、前年比で+11.6%となっています。
- 消化器系疾患:25%
- 希少疾患:18%
- 血漿分画製剤(PDT):15%
- オンコロジー:14%
- ニューロサイエンス(神経精神疾患):14%
上記5つのビジネス領域と売上構成となっており、バランスのとれたビジネスを展開しています。
今年は成長製品、新製品の力強い成長が見込め、独占販売期間満了による影響を上回る見込みで、さらなる企業の成長が予測されています。
2位 アステラス製薬:1兆2,962億円
2位にランクインしているのは、2005年に山之内製薬と藤沢薬品工業の合併により誕生した「アステラス製薬」です。
売上高は1兆2,962億円で、前年比+3.7%で増加しています。
主要製品の売上構成比は、
- XTANDI:5,343億円
- ミラベグロン:1,723億円
- ゾスパタ:341億円
- パドセブ:217億円
- エベレンゾ:26億円
となっており、特にグローバルの売上が増加しています。
今年も主力製品のXTANDの前年比を+20%の6,425億円と、企業としても増収増益を見込んでおり、営業利益率は20.1%を見込んでいます。
4位 中外製薬:9,998億円
製薬会社の売上ランキング4位にランクインしているのが、売上高9,998億円、前年比で27.1%と増加をしている「中外製薬」です。
- 海外売上:2,839億円
- 国内売上:4,091億円
となり、主な製商品の売上セグメントとしては、
- ヘムライブラ(海外):1,142億円
- アクテムラ(海外):1,028億円
- ロナブリーブ:774億円
- テセントリク:622億円
- ヘムライブラ:416億円
- アレセンサ(海外):501億円…etc
上記のような売上セグメントとなっています。
主力品や新製品の成長により、今年の売上高は1兆1,500億円を見込んでいます。
製薬会社 売上ランキングTOP11位~20位
順位 | 企業名 | 売上高 | 前年比 |
11 | 塩野義製薬 | 3,351億円 | +12.8% |
12 | 参天製薬 | 2,662億円 | +6.7% |
13 | 大正製薬HD | 2,608億円 | -4.9% |
14 | ロート製薬 | 1,996億円 | +15.6% |
15 | 沢井製薬 | 1,938億円 | +3.5% |
16 | 日医工 | 1,790億円 | -4.9% |
17 | 東和薬品 | 1,656億円 | +6.9% |
18 | 日本新薬 | 1,374億円 | +12.8% |
19 | ツムラ | 1,295億円 | -1.0% |
20 | 久光製薬 | 1,201億円 | +5.0% |
※前年比、青字は増加、赤字は減少、黒字は横ばい
続いて11位~20位の売上ランキングです。
TOP10とくらべると売上レンジは3,000億円~1,200億円となっています。
いくつか各社のトピックスをご紹介します。
11位 塩野義製薬:3,351億円
11位にランクインしているのは、売上高3,351億円で前年比+12.8%の「塩野義製薬」です。
事業別の売上収益としては、
- 国内医療用医薬品:891億円
- 海外子会社・輸出:344億円
- シオノギ Inc:138億円
- Fetroja:62億円
- 平安塩野義:102億円
- シオノギB.V.:50億円
- 製造受託:174億円
- 一般用医薬品:112億円
- ロイヤリティー収入:1,813億円
- HIVフランチャイズ:1,740億円
- クレストール:12億円
- その他:61億円
上記のような事業別の売上セグメントになっており、特に海外子会社への輸出が前年比39.5%と高くなっています。
今年以降の施策としては、感染症ビジネスモデルの構築に向けた投資を行っていき、4,000億円の売上を予測しています。
14位 ロート製薬:1,996億円
14位にランクインしているのは、目薬などのCMでおなじみの「ロート製薬」です。
売上高は1,996億4,600万円で、前年比は+15.6%となっています。
- 日本 1,214億円(60.8%)
- アジア 559億円(28.0%)
- アメリカ 100億円(5.0%)
- ヨーロッパ 102億円(5.2%)
と海外での売上比率も多い製薬会社です。
特に日本国内の売上は増収増益を達成しており、特に営業利益の前年比を大きく上回っています。
- 売上高 前年比+13.5%
- 営業利益 前年比+33.5%
特に好調だった商品は、
- 日焼け止め:56.7億円
- 肌ラボ:121.5億円
- 高額目薬:37.1億円
コロナの影響の疲れ目対策ということで、高額目薬の「ロートV5」の売上が好調です。
前年87億円だった研究開発費を、今年は103億円まで引き上げ、2,180億円の売上が予測されています。
15位 沢井製薬:1,938億円
15位にランクインしているのが、ジェネリック医薬品のCMでもおなじみの「沢井製薬」です。
ホールディングス全体の売上高としては1,938億円となり、前年比で+3.5%となっています。
- 国内売上:1,638億円
- 米国売上:299億円
国内売上は前年を大きく超えていますが、米国では主要ジェネリック医薬品における、競合企業の参入により、前年を下回っています。
医療機関別の新規採用(卸)件数は、
- 病院:8,028軒
- DPC対象病院:1,751軒
- 診療所:41,438軒
- 保険薬局:60,522軒
- 薬店:323軒
と全国の医療機関、206,384軒で扱われています。
製薬会社 売上ランキングTOP21位~30位
順位 | 企業名 | 売上高 | 前年比 |
21 | 持田製薬 | 1,101億円 | +7.0% |
22 | シミックHD | 1,084億円 | +26.4% |
23 | キョーリン製薬HD | 1,055億円 | +2.6% |
24 | 科研製薬 | 760億円 | +1.4% |
25 | キッセイ薬品工業 | 653億円 | -5.3% |
26 | ゼリア新薬工業 | 595億円 | +7.4% |
27 | EPSホールディングス | 535億円 | +10.4% |
28 | JCRファーマ | 510億円 | +69.8% |
29 | 扶桑薬品工業 | 496億円 | +0.8% |
30 | 鳥居薬品 | 469億円 | +12.7% |
※前年比、青字は増加、赤字は減少、黒字は横ばい
以下より製薬会社の売上ランキング21位~30位のご紹介です。
ここからあまり聞きなれない製薬会社もランクインしてきますが、1,100億円~460億円という売上レンジとなっています。
ではいくつか製薬会社をピックアップしてご紹介します。
21位 持田製薬:1,101億円
21位の「持田製薬」は、東京の新宿に本社を構える製薬会社です。
売上高は1,101億7,900万円で、前年比から+7.0%となっています。
- 持田製薬の売上高:1,101億円
- 医薬品関連事業:1,044億円(94.8%)
- ヘルスケア事業:57億円(5.2%)
売上の多くを占めているのが「医薬品」です。
そんな主要医薬品における新薬の売上セグメントに関しては、
- 抗うつ剤(レクサプロ):155億円
- 潰瘍性大腸炎治療剤(リアルダ):109億円
- 慢性便秘症治療剤(グーフィス):49億円
- 慢性便秘症治療剤(モビコール):35億円
- 抗悪性腫瘍剤(ドキシル):30億円
- 肺動脈性肺高血圧症治療剤(トレプロスト):16億円
- 尖圭コンジローマ・日光角化症治療剤(ベセルナ):10億円
- 痛風・高尿酸血症治療剤(ユリス):2億円
と上記のような売上セグメントとなっています。
今年の売上予測としては、新薬のレクサプロやドキシルが前年を割ると予想され、1,050億円の売上予測となっています。
24位 科研製薬:760億円
24位にランクインしているのが、旧理化学研究所がルーツとなっている「科研製薬」です。
売上高は760億円で、前年比+1.4%となっています。
売上セグメントとしては、
- 医療用医薬品・医療機器:619億円
- 農業薬品:55億円
- 不動産賃貸料:24億円
となっています。
同社としては米国を始めヨーロッパ、もちろん日本でも、化学農薬の仕様削減や、有機栽培の拡大が推進されているため、そこでのチャンスも伺っています。
そんな「科研製薬」は、2026年には売上高800億円、2031年には売上1,000億円を目指す経営目標を掲げています。
28位 JCRファーマ:510億円
28位にランクインしているのは、一般人としてはまったく馴染みのない「JRCファーマ」です。
兵庫県に本社を構える医療品メーカーであり、東証プライムの上場企業で、決算指標の数値もすべてを大きく上回っています。
- 売上高:510億8,200万円(前年比+69.8%)
- 営業利益:199億3,300万円(前年比+141.1%)
- 経常利益:205億1,200万円(前年比+141.6%)
主力製品のイズカーゴが予測を30億円ほどと、かなり上回っていることが要因です。
製薬会社 売上ランキングTOP31位~40位
順位 | 企業名 | 売上高 | 前年比 |
31 | 佐藤製薬 | 444億円 | +3.1% |
32 | ダイト | 434億円 | -10.8% |
33 | 栄研化学 | 429億円 | +11.2% |
34 | 千寿製薬 | 408億円 | +0.2% |
35 | 富士製薬工業 | 354億円 | +4.2% |
36 | 生化学工業 | 348億円 | +26.0% |
37 | 日本ケミファ | 325億円 | +3.1% |
38 | コーア商事HD | 203億円 | +14.2 |
39 | そーせいグループ | 177億円 | +100.3% |
40 | 日水製薬 | 166億円 | +34.5% |
※前年比、青字は増加、赤字は減少、黒字は横ばい
続いて製薬会社売上高ランキングの31位~40位のご紹介です。
ほとんどが聞き慣れない企業ですが、売上レンジは430億円~166億円となっています。
では各社のトピックスを以下でご紹介します。
31位 佐藤製薬:444億円
32位にランクインしているのは、ぞうさんのキャラクターでテレビCMでもおなじみ、ユンケルで有名な「佐藤製薬」です。
売上高は431億円で、前年比は+3.1%となっています。
- ユンケル
- アセス
- ストナ
- リングルアイビー など
市販のかぜ薬をはじめ、有名な商品も多数展開しています。
32位 ダイト:434億円
31位にランクインしているのが、2010年に上場してから2倍以上の売上高となっている「ダイト」です。
売上高は434億円、前年比はマイナスの-10.8%となっています。
- 原薬部門:45%
- 製剤部門:55%
という売上構成比となっていますが、もともと商社ということもあり、自社で生産していない品目は仕入販売を行っています。
とはいえ生産体制の最適化に取り組んでおり、
- 高薬理活性固形剤の生産体制拡充
- 低コスト原薬製造プロセスなどの開発
- ジェネリック原薬、製剤の開発加速
を当面の施策とし、今年度は440億円の売上、営業利益は45億円という業績予測をしています。
34位 千寿製薬:408億円
34位にランクインしているのは、大阪に本社を構える「千寿製薬」です。
売上高は408億円で、前年比では+0.2%と微増となっています。
千寿製薬は目薬が有名で、医療関係者向けの医薬品をはじめ、マイティアをはじめとした市販の有名商品も多数展開しています。
昨年と比べ、営業利益が54.4億円→69.8億円と大きく増えている点も注目の企業です。
製薬会社 売上ランキングTOP41位~50位
順位 | 企業名 | 売上高 | 前年比 |
41 | ジーエヌアイグループ | 126億円 | +29.8% |
42 | 有機合成薬品工業 | 123億円 | +11.5% |
43 | 大幸薬品 | 112億円 | – |
44 | ビオフェルミン製薬 | 108億円 | -10.0% |
45 | 養命酒製造 | 105億円 | +1.9% |
46 | 森下仁丹 | 95億円 | +1.4% |
47 | ペプチドリーム | 93億円 | -20.0% |
48 | わかもと製薬 | 83億円 | -5.8% |
49 | 堺化学工業 | 78億円 | -2.5% |
50 | 中京医薬品 | 53億円 | -8.1% |
※前年比、青字は増加、赤字は減少、黒字は横ばい
最後に、製薬会社売上ランキングの41位~50位をご紹介します。
医療関係向けのBtoBではなく、一般生活者向けBtoC事業がメインの製薬会社が多くランクインしています。
43位 大幸薬品:112億円
43位にランクインしているのは、ラッパのマークの正露丸でおなじみの「大幸薬品」です。
売上高は112億9,900万円で、前年比は-47.6%と大きく下回っています。
- 医薬品事業:43.5億円(前年比+0.3%)
- 感染管理事業:69.4億円(前年比-59.7%)
感染管理事業の核をなしているのが、コロナの影響で需要が高まった「クレベリン」ですが、その販売が大幅に減少したところで、売上減少が加速しています。
47位 ペプチドリーム:93億円
47位にランクインしているのが、東京大学発のバイオベンチャー企業である「ペプチドリーム」です。
非標準のペプチド治療薬の発見・開発を目的としており、売上高は93億6,500万円、前年比で-19.0%となっています。
- テイジン
- 塩野義
- 旭化成
- 参天製薬
- 武田薬品
など、海外をはじめ国内を代表する企業ともパートナーとし、創薬の共同研究開発をパートナー企業と積極的に行っています。
48位 堺化学工業:78億円
最後にご紹介するのが、48位にランクインしている「堺化学工業」です。
売上高は78億9,200万円で、前年比で-2.5%となっています。
- 科学事業:768億円
- 医療事業:78億円
科学部門のグループで昨年湯本工場の爆発火災が起きてしまった企業ですが、カイゲンファーマを中心とした医療事業は堅調で、薬価切り下げの影響で前年比を割ってしまいましたが、来年度は87億円の売上高を見込んでいます。
製薬会社の平均年収は1,000万超えも多数
上記でご紹介した製薬会社の売上ランキングの平均年収ですが、非常に高いです。
- 武田薬品工業:1,155万円
- アステラス製薬:1,064万円
- 第一三共:1,094万円
- 中外製薬:1,155万円
- エーザイ:920万円
など、売上TOP5の年収はほぼ1,000万円超えで、11位以降のランクイン企業でも800万円以上の企業が多いです。
製薬会社は大きく3つにカテゴライズされます。
- 医療事業者向け(武田薬品工業、アステラスなど)
- 一般生活者向け(ロート製薬、佐藤製薬など)
- ジェネリック系(沢井製薬、日医工など)
もし製薬会社の営業やマーケティングをはじめ、製薬会社への転職を考えている方は、「リクルートエージェント」か「ビズリーチ」のどちらかに登録して、今すぐ無料で求人をチェックしましょう。
無料で登録しておくだけでも転職情報を得られるのと、各社人材不足なので、リクルーティングにも力を入れています。
そんな企業への募集・転職情報を逃してしまうと、限りあるビジネス人生を棒に振ってしまいます。
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