ネットスーパーなどの普及により、国内の食品EC市場が拡大しています。
日本国内の食品EC市場は、アパレル・雑貨ECに次ぐ大きな市場規模になっています。ですがEC化率は2.4%ほどで、国内の物販ECの中では最も低いEC化率となっています。では海外の食品EC市場はどうなのでしょうか?
この記事では、海外の食品EC市場の国別ランキングや、日本に近い民度であるアメリカの食品ECで売れている商材、今後アメリカの食品業界の脅威となっている「ある企業」なんかもご紹介します。
食品購入のEC化は伸びていくのか?
2018年に経済産業省が発表したデータによると、物販系分野の最も大きな市場は「食品、飲料、酒類」で、商取引の規模は64兆円でした。
ちなみに食品EC市場規模は1兆5,579億円となっており、EC市場は年々拡大していますが、EC化率は低く、2.41%となっています。
市場は最も大きいのにEC化が進んでいない理由としては、食品は自分の目で見て買いたいという消費者心理だったり、身近にスーパーやコンビニなどがあるためわざわざECで購入をする必要がないということが挙げられます。

日本国内のEC市場については「【2019年最新】食品EC・ネット通販の市場規模やEC化率は?」で解説しています。
それでは世界の食品EC市場をみていきましょう。ネタバレしてしまうと、海外の先進国でも食品のEC化は大きく進んでいません。では海外の先進国の食品EC国別ランキングをご紹介します。
海外の食品EC市場 国別売上ランキング
出典:emarketer.comより
日本の食品EC市場はファッションECに次ぐ大きな市場規模になっていますが、海外の先進国で日本を超えているのは中国のみで、日本はアメリカよりも食品EC市場は大きくなっています。
アメリカのIT調査会社のIDG(International Deta Group)によると、2018年の中国の食品ECの市場は509億ドルにのぼりアメリカの2倍以上の市場です。市場規模ランキングは1位の中国に続き、日本、アメリカ、イギリス、フランス、韓国という順番になっています。
ちなみにEC化率については、日本、イギリス、韓国、フランスの順に高い水準となっています。

2023年の食品EC市場は2.5倍
同社の予測によると、2023年には上記の国々による食品EC市場は2.5倍になると予測されています。
特に成長が予測されているのは現在1位の中国で、約4倍の1,963億ドルの食品EC市場になると予測され、EC化率も約3倍の11.2%に達するといわれています。続いてアメリカが約2.5倍に成長すると見込まれており、中国に次ぐ2位の食品EC市場になると予想されています。

ということで、国土は大きいですが民度は近しい、アメリカの食品EC市場について深掘りしていきたいと思います。
アメリカの食品EC市場の推移
出典:emarketer.comより
別の機関が調査した結果によると、アメリカの食品EC市場は2019年は198億ドルに達する見込みで、右肩上がりに推移していき2023年には約2倍の380億ドルに達すると予想されています。
といってもEC化率は大きく伸びず、2.3%→3.5%の見込みです。これはオムニチャネル化によって市場は伸びるが実際にEC自体の注文→配達は大きく伸びないということでしょう。
というのもスーパーやコンビニなどの食品小売店も、実店舗とECを組み合わせたオムニチャネルにどんどん挑戦しています。
たとえば全米で1800店舗展開をしているスーパーマーケットの「ターゲット」は、drive up(ドライブ アップ)というサービスを提供しています。
これは注文しておいた商品をドライブスルー感覚で車に乗りながら受け取ることができるサービスで、家や外出先でPCやスマホでECで注文をしておくと、駐車場で受け取れるサービスです。

このようなオムニチャネル化でECを活用すれば、実店舗での購入は増えてもEC自体での注文は大きく伸びないという実態がわかりますね。
それではアメリカの食品ECで売れているものは何なのでしょうか?
アメリカの食品ECで売れているものは「お菓子」
出典:emarketer.comより
同社の調査データによると、ECで最も購入されているのは、ポテトチップスやクッキーなどの「パッケージお菓子」で、性別や年齢を問わずもっとも購入されたというアンケート結果がでています。
続いてはシリアルや小麦粉、砂糖などの「乾燥食品」で、続いてソフトドリンクやジュースなどの「飲料」がECで購入されています。
日本のネットスーパーやオイシックスなどがECで提供している「生鮮食品」は8番目となっています。
アメリカでは国土が広すぎるということから物流・配送の課題もあって、生鮮食品をECで購入するということが難しいという背景もあります。

そんなアメリカでも今後成長していくであろう食品ECですが、各食品小売業の経営者のアンケートによると、やはりあの企業が脅威だということです。
食品小売企業の脅威はアマゾン
出典:emarketer.comより
調査会社のPhononicのアンケートによると「今後の自社の事業拡大における脅威はなんですか?」というアンケートを、歴史あるアメリカの食料品店の経営者に行ったところ、42%がアマゾンと答えました。
アマゾン自体が多種多様なサービスで拡大していますが、特に食品において大きく成長をしています。
アマゾンは生鮮食品のアマゾンフレッシュをはじめ、ちょっとした日用品や食品を購入できるプライムパントリー、当日届くプライムNowなどの各種サービスで、食品を顧客に提供するサービスを急速に拡大しています。
日本でも2017年の4月からアマゾンフレッシュはサービスを開始しており、生鮮食品も含んだ食品を17万点以上取り揃えた、巨大な食品のECサイトになっています。
しかもamazonフレッシュは、全国に物流拠点を構えているため、食品の鮮度、賞味期限の保証のサービスがあり消費者の安心感を高めています。

海外の食品EC市場は拡大していく
ここまでご覧いただきありがとうございます。
実はEC化率は低いものの日本の食品EC市場は進んでおり、他の先進国は食品EC市場がまだ大きくありません。
といってもアメリカを始めヨーロッパの先進国は、2023年には2倍近く拡大すると予測されています。
日本でも1.5倍の市場拡大が予測されていますので、ぜひ食品EC事業者の方々は、成長市場で売上を最大化できるように様々なサービスを提供していきましょう。
ありがとうございました。国内の食品EC売上ランキングもまとめているので「【2019年最新】食品EC・ネット通販売上高ランキングTOP50位を発表!」もぜひご覧ください。

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