ファッション・アパレル自社ECモール売上高ランキングTOP10をご紹介

ファッション・アパレル自社ECモール売上高ランキングTOP10をご紹介

多くの大手ファッション・アパレル企業が自社ECサイトだけでなく、自社で展開する複数のブランドを総合的に販売する自社ECモールを構築し、Eコマース販売を行っています。

自社ECモールを構築・展開する目的は、「ブランド × お客様」ではなく、「会社 × お客様」として顧客を囲い込んでいく、オムニチャネル的な要素も含まれています。

ファッション・アパレル業界ではそのような自社ECモールを展開する企業が増えており、各社様々な施策を実施していますが、どれくらいのEC売上高を誇っているのでしょうか?

この記事では、国内ファッション・アパレル企業が展開する「自社ECモール」の売上高ランキングをご紹介しつつ、自社ECモールの特徴をご紹介します。

自社ECモールとは?

ECモールとは、複数のECサイト(ショップ)をまとめているショッピングモールのことです。

ECモールで有名なのは、楽天Yahoo!ショッピングアマゾンですが、このようなモールは別会社の複数の企業が出店をしている形になります。

関連記事:国内ECモール「楽天・アマゾン・ヤフー」の売上・流通総額をご紹介

ですが自社ECモールとは、自社で展開しているブランドの単体のECサイトではなく、自社で展開している複数のブランドを横断的に購入することができる大きなECサイトのことです。

従来のEコマース展開としては、

  1. 自社ECサイト(ブランド単体)
  2. 他社ECモールへの出店・出品(楽天アマゾン、ZOZOTOWNなど)

がファッション・アパレル企業のEC展開は上記のような形でしたが、近年は

  1. 自社ECサイト(ブランド単体)
  2. 自社ECモール(自社ブランド複数)
  3. 他社ECモールへの出店・出品(楽天アマゾン、ZOZOTOWNなど)

上記のようなEコマースは、3つのチャネルがスタンダードになってきています。

このような自社ECモールを展開する目的としては、①の自社ECサイトだと「ブランド×お客様」という顧客接点でしたが、お客様の購買行動が変化するなか「企業 × お客様」として接点をもつことで、企業全体の売上向上、顧客の囲い込みを実施していきたいという目的があります。

ちなみにECモールについては、「ECモールとは?2つの種類とメリット・デメリットを理解しよう」でご紹介しています。

近年はこのような展開をする企業が増えてきており、大手ファッション・アパレル企業はほとんどの企業がこのような自社ECモールを展開し、総合的にブランドを展開することにより、各社大きな売上高を上げています。

それでは本題の、国内ファッション・アパレル企業の自社ECモールの売上高ランキングをご紹介しつつ、私の所感を書いていきたいと思います。

ファッション・アパレル企業の自社ECモール 売上高ランキング

ファッション・アパレル企業の自社ECモールの売上高ランキングを先に紹介してしまうと、

  1. ユナイテッドアローズ
  2. オンワードホールディングス
  3. ベイクルーズ
  4. アダストリア
  5. ワールド
  6. TSIホールディングス
  7. マッシュホールディングス
  8. バロックジャパンリミテッド
  9. 三陽商会
  10. パル

上場企業の決算書を参考に算出すると、このようなランキングTOP10になります。

ちなみにユニクロのネット通販の売上高は832億円ですが、「自社ECモール」ではなく「自社ECサイト」なので同ランキングには含んでいません。

各サイトの売上高ランキングに関しては「【2020年最新】大手ECサイト・ネット通販売上高ランキングTOP100を発表!」でご覧ください。

※ファッション・アパレル上場企業 直近の決算書を参考

1位 ユナイテッドアローズ(UNITED ARROWS LTD. ONLINE STORE)

  • 会社名:株式会社ユナイテッドアローズ
  • 会社年商:1,574億円
  • ECモール名:UNITED ARROWS LTD. ONLINE STORE
  • 自社ECモール売上高:272億円

ファッション・アパレル企業の自社ECモールにおいて、最も売上高が高いのは、ユナイテッドアローズが展開している「UNITED ARROWS LTD. ONLINE STORE」です。

会社年商は1,574億円ですが、自社ECモールの売上高は272億円と、自社ECモールでは最も高い売上高でした。

約20の各ストアブランドを複合的に購入ができるECモールとなっており、ブランド力や商品力の高さで、ファッション系の自社ECモールでは最も高い売上高を誇ります。

練馬聡一
練馬聡一
システムリプレイスの失敗でサイト停止の時期もありましたが、回復の兆しにありますね。

2位 オンワードホールディングス(ONWARD CROSSET)

  • 会社名:株式会社オンワードホールディングス
  • 会社年商:2,482億円
  • ECモール名:ONWARD CROSSET
  • 自社ECモール売上高:260億円 ※

続いて第2位にランクインしているのが、23区や組曲などキャリア系のブランドが有名な、株式会社オンワードホールディングスが展開しているECモール「ONWARD CROSSET」です。

ホールディングスのEC売上高は、333億8,000万円ですが、約8割が自社ECモール売上だと予測されているため、260億円が自社ECモールの売上です。

昨年はZOZOTOWNから退店した同企業ですが、売上低下により再度ZOZOへの出店を予定しています。

とはいえアパレル企業として最も規模が大きいのがオンワードなので、今後のデジタル推進は非常に注目されている企業です。

練馬聡一
練馬聡一
カジュアルではないコンサバ企業は安定感はありますよね。

3位 ベイクルーズ(BAYCREW’S STORE)

  • 会社名:株式会社ベイクルーズ
  • 会社年商:1,335億円
  • ECモール名:BAYCREW’S STORE
  • 自社ECモール売上高:237億円

4位にランクインしているのが、ジャーナルスタンダードやIENA、EDIFICEを展開しているベイクルーズが運営している、BAYCREW’S STOREです。

上場していないので正確な数値は不明ですが、EC全体の売上は395億円で、約60%が自社EC比率なので、およそ237億円の自社ECモールの売上と思われます。

ベイクルーズといえば、オムニチャネルやOMO、デジタル推進がとても先進的な企業であり、アパレルに限らず雑貨や食料品などの展開も行っています。

関連記事:【2020年最新】食品EC・ネット通販売上高ランキングTOP100を発表!

ついにAmazonへの出店も行っていくということで、EC全体的に注目の企業です。

練馬聡一
練馬聡一
やはりセレクト系のECといえば、ベイクルーズという感じがするなと・・。

4位 アダストリア(.st ドットエスティ)

  • 会社名:株式会社アダストリア
  • 会社年商:2,223億円
  • ECモール名:.st (ドットエスティ)
  • 自社ECモール売上高:200億円

4位にランクインしたのがLOWRYS FARMやGLOBAL WORKでおなじみの、アダストリアが運営している自社ECモール「.st」です。

国内EC全体の売上高としては405億円でしたが、EC売上の約半分が自社ECモールの売上高になります。

昨年UAとおなじくシステムリプレイスを失敗してしまい、ECサイトが停止しましたが、やはりF1層向けの人気カジュアルファッションブランドを有しているので、根強い人気です。

カジュアルファッションでは一人勝ちしているような企業なので、今後のECやブランド展開が楽しみです。

練馬聡一
練馬聡一
競合のストライプインターナショナルとここまで差がついてしまったか。というイメージです。

5位 ワールド(WORLD ONLINE STORE)

  • 会社名:株式会社ワールド
  • 会社年商:2,363億円
  • ECモール名:WORLD ONLINE STORE
  • 自社ECモール売上高:130億円

続いて5位にランクインしているのが、アパレル企業大手のワールドが展開する、WORLD ONLINE STOREです。

ワールドといえばオンワードと並ぶ大手企業ですが、ウィメンズではUNTITLEDやINDIVI、メンズではTAKEO KIKUCHIなんかが有名ですね。

EC全体では337億円の売上となっていますが、他社のモールへの出店も多いため、自社ECモールでは約130億円と予測されています。

メンズの低迷が進んでいますが、ウィメンズのブランド業績は堅調ではありますが、他業種のM&Aも進めているので、ECだけでなく企業戦略としてもチェックしておきたいところです。

練馬聡一
練馬聡一
ファッションコラボも傘下にありますし、ECのノウハウはある企業ですね。

6位 TSIホールディングス(Mix.Tokyo)

  • 会社名:株式会社TSIホールディングス
  • 会社年商:1,700億円
  • ECモール名:Mix.Tokyo
  • 自社ECモール売上高:110億円

6位にランクインしているのが、TSIホールディングスが展開するMix.Tokyoです。

EC全体の売上は363億円ですが、自社ECモールのシェア率は高くなく、売上も110億円となっています。

TSIホールディングスは、もともと東京スタイルとサンエーインターナショナルの合併からはじまり、多くの企業やブランドをグループ傘下に収めてきたため、自社ECサイトのほうがパワーをもっています。

同グループでECで有名なのはナノユニバースですが、近年上野商会やSTUSSYもグループ入りをしており、自社ECモールよりも各ブランドのECサイトが強いです。

練馬聡一
練馬聡一
そりゃストリートのSTUSSYとエレガンスのApuweiser-richeは一緒に買わないですからね。

7位 マッシュホールディングス(USAGI ONLINE)

  • 会社名:株式会社マッシュホールディングス
  • 会社年商:787億円
  • ECモール名:USAGI ONLINE
  • 自社ECモール売上高:83億円

続いて7位にランクインしているのが、マッシュホールディングスの株式会社ウサギオンラインが運営している、USAGI ONLINEです。

F1層なら大好きなsnidelやgelato piqueをはじめ、cosme kitchenなどのビューティー系も強い企業です。

ジュンとデイトナインターナショナル、某ECベンダーと合弁会社を設立し、STYLEVOICEというECモールを立ち上げたり、2018年からは各ブランドのECサイトを立ち上げたりと、ECに積極的に投資をしています。

ファッションを貫いていてブランド力があるので、今後ECおよび企業の業績も伸びていくと思います。

練馬聡一
練馬聡一
個人的にはすごく好きな企業です!笑

8位 バロックジャパンリミテッド(SHEL’TTER WEB STORE)

  • 会社名:株式会社バロックジャパンリミテッド
  • 会社年商:658億円
  • ECモール名:SHEL’TTER WEB STORE
  • 自社ECモール売上高:77億円

8位にランクインしているのが、MOUSSYやSLYなど、109系ブランド全盛期に最も人気ブランドを有していた、バロックジャパンリミテッドが展開するSHEL’TTER WEB STOREです。

残念ながら全盛期はMARK STYLERかバロックジャパンというくらい、もっと売上も高かったと思うのですが、やはり若年層のファッションの多角化において、人気は低迷してしまっています。

会社年商は658億円、ECモールの売上高は77億円となっています。

練馬聡一
練馬聡一
CECIL McBEEも全店撤退を決めましたし、109系ブランドはこの先難しいかもしれませんね。

9位 三陽商会(SANYO iStore)

  • 会社名:株式会社三陽商会
  • 会社年商:688億円
  • ECモール名:SANYO iStore
  • 自社ECモール売上高:62億円

9位にランクインしているのが、三陽商会が運営しているSANYO iStoreです。

バーバリーのライセンスが無くなってからはかなり売上も厳しく、年商も688億円と大幅に下がっており、EC全体は84億円ですが、自社ECモールは62億円の売上高になっています。

百貨店を中心とした販売チャネルの展開にも関わらず、自社ECモールでは意外と売上はありますが、人気ブランドを有していないところから今後ECにおいても苦戦をしていくと思われます。

練馬聡一
練馬聡一
残念ながらマッキントッシュではバーバリーの穴埋めは難しそうですね。

10位 パル(PAL CLOSET)

  • 会社名:株式会社パル
  • 会社年商:1,321億円
  • ECモール名:PAL CLOSET
  • 自社ECモール売上高:41億円

最後に、10位にランクインしているのが、株式会社パルが運営している自社ECモール、PAL CLOSETです。

自社ECモールの売上高は高くありませんが、同社はファッションだけでなく雑貨販売やライフスタイル系事業の展開もしています。

そもそもブランド数が非常に多いので、自社ECモールに寄せていけば売上は上がるとは思いますが、各ブランドに適した販売チャネルで展開していくことで、全体の年商を底上げしている感じです。

練馬聡一
練馬聡一
正直そこまで自社ECモールの売上増加を目指さなくても良いと思っています。

企業 × 顧客の囲い込みで自社ECモールがスタンダードに

ここまでご覧いただきありがとうございます。

多くの大手ファッション・アパレル企業が自社ECサイトだけでなく、自社で展開する複数のブランドを総合的に販売する自社ECモールを構築し、Eコマース販売を行っています。

自社ECモールを構築・展開する目的は、「ブランド × お客様」ではなく、「会社 × お客様」として顧客を囲い込んでいく、オムニチャネル的な要素も含まれています。

今後大手のファッション・アパレル企業は、顧客の囲い込みに注力し、この自社ECモールにはどんどん投資をしていくと思われます。

ぜひこのランキングを、マーケティングやECの情報収集で活用してもらえると嬉しいです。

ちなみにファッションECサイトの売上ランキングが気になる方は「【2020年最新】ファッション・アパレルECサイト売上高ランキングTOP50を発表!」もご覧ください。

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