ECサイト運営に資格はいるの?必要な資格・許可を解説します

ECサイトやネットショップと呼ばれるインターネットを活用した通販サイトは、個人でも法人でも手軽に始めることができるようになっています。

特に個人向けのECサイトは初期費用0円から始めることができ、低価格でECサイトを運営できるサービスがたくさんあります。

といってもECサイトで商品を販売するにあたり、特定の資格や許可が必要になる場合があり、知らずに販売をしていると、罰則を受けてしまう可能性があります。

この記事では、ECサイトを運営するにあたって販売する商品別に必要となる資格や許可をご紹介しつつ、企業のEC担当者として持っているとよい、EC系の資格をご紹介します。

ECサイトやネットショップ販売に開業届は必要?

まず、ECサイトやネットショップという「通販事業」を行う際には、特別な資格や許可は必要ありません。

なので企業がECサイトを新規で立ち上げるということに関しても必要がありません。

ですが、個人でECサイトを開業するという場合には、個人事業の開業・廃業等届出書という指定の開業届出の提出をするとメリットがあります。

提出をしなくても罰則はありませんが、提出をしていると節税対策として役立ちます。

開業届を出していることで、確定申告の際に青色申告ができるというメリットがあり、複式簿記で申告すると65万円の特別控除を受けることができます。

練馬聡一
練馬聡一
個人の小規模事業であれば、開業届をしたほうが良いですね!

それでは本題の、EC販売に必要な資格や許可、EC担当者としてあったほうが良い資格や検定をご紹介します。

【商品別】EC販売に必要な資格や許可

まずはECサイトやネットショップで販売する「商品別」に必要な資格や許可をご紹介します。

以下の商品に該当しない場合は、ECサイト運営に資格は必要ありませんので、ご安心くださいね。

食品を販売する場合

食品をECサイトで販売したいという場合は、「食品衛生責任者」の資格が必要になります。

さらに保健所に「食品衛生法に基づく営業許可」を申請し、許諾を得ることが必要です。

前者の食品衛生責任者の資格は1日講習を受けるだけで取得が可能ですが、営業許可は立入検査を受ける必要があるので、ハードルが高いです。

ちなみに食品ECの市場規模は1兆6,919億円にのぼり、EC化率は2.69%で、大きく拡大傾向にあります。詳しくは「食品EC・ネット通販の市場規模やEC化率は?」でご紹介しています。

練馬聡一
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健康食品やお菓子、加工食品も該当するので注意が必要ですよ!以下で売上ランキングも紹介しています。

酒類を販売する場合

酒類をECサイトやネットショップで販売する場合は、どちらかの資格が必要になります。

  1. 一般酒類小売業免許
  2. 通信販売酒類小売業免許

どちらの資格が必要かというのは、対象の消費者によって変わります。

同一都道府県の消費者を対象とする場合は、①一般酒類小売業免許が必要になり、2都道府県以上の消費者が対象になると、②通信販売酒類小売業免許が必要になります。

練馬聡一
練馬聡一
とはいえECで販売するということは、全国の消費者をターゲットにすると思うので、当然後者の方ですよね。

国産の酒類を販売する場合は、仕入先から交付された課税移出数量証明書の提出が必要になります。

ちなみに海外の輸入酒を販売する場合は証明書は必要ありません。

関連記事:海外の食品EC市場や国別ランキング、アメリカ食品業界の脅威とは!?

医薬品を販売する場合

医薬品をECサイトで販売する場合は、前提として「店舗販売業許可」を受けていなければいけません。

ドラッグストアなど、店舗を構えて営業している場合はすでに許可を受けているので問題ないと思いますが、その場合は保健所に「特定販売届」の提出が必要になります。

ちなみに第一類医薬品を販売する場合は、薬剤師の資格が必要になり、第二類医薬品、第三類医薬品を販売する場合は、登録販売者の資格が必要になります。

練馬聡一
練馬聡一
このあたりは個人ではなかなか行わないですし、企業が行う場合しか該当しませんよね?

中古品を販売する場合

第三者の中古品を販売する場合は、古物商の許可が必要になります。

古物商の許可は都道府県単位で取得をすることになるので、営業所を複数展開している場合はそれぞれの都道府県で許可を取ることが必要です。

練馬聡一
練馬聡一
メルカリやヤフオクなど、自分のものを売る場合は資格はいらないのでご安心を!

EC担当者としてあるとよい資格・検定

上記では「商品別」に必要な資格や許可をご紹介しましたが、続いてはEC担当者としてあるとよい資格や検定をご紹介します。

EC業界の市場動向から見て、今後〜未来のeコマース業界は明るい!」で紹介しているように、EC業界の市場規模は年々拡大しており、今後も大きな拡大が見込めます。

EC業界に転職したい、EC業界でスキルアップしたいという方は、ぜひ勉強のためにもチェックしてみてください。

⇒EC業界に転職したい!でもどんな仕事があるの?4つの仕事をご紹介

ネットショップ実務士

一般財団法人ネットショップ能力認定機構が行っている「ネットショップ実務士」の検定です。

これは同社が2010年から行っており、Web制作からマネジメントをはじめ、ECサイトの実務能力を証明できる資格制度です。

レベルは1〜5まであり、レベル1と2は誰でも受けることが可能ですが、レベル3以降は優良なECサイトを運営しているスタッフのみ受験ができます。

試験内容はECサイトの制作からマーケティングをはじめ、ECサイト運営に必要な基本知識や時事的な問題もあります。

これはECを行っている企業からの推奨が多い資格で、実績も多い資格です。

レベル2以降はテキストを購入しないと合格するのも難しく、業界知識的なところのインプットも必要ということで比較的レベルの高い検定です。

ECについて広く学びたい、知識を高めたい方におすすめなのがこの「ネットショップ実務士」です。

練馬聡一
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迷ったらこの資格をとっておけば間違いないという感じでしょうか!

通販エキスパート検定

一般社団法人通販エキスパート協会が行っている、「通販エキスパート検定」です。

ECサイトやネットショップの仕組みやマーケティング戦略、バックエンド業務など、通販全般に必要な専門知識を得られる検定です。

上記で説明したネットショップ実務士はEC関連が多いですが、通販エキスパート検定はテレビ通販やカタログ通販も含む、「全般的な通販」になっています。

3級の試験からはじまり、2級、準1級・法律編、準1級・ECマーケティング編があります。

こちらも専用テキストで勉強をして望んでみましょう。ECだけでなく全般的な通販のち県を高めたい方は「通販エキスパート検定」です。

練馬聡一
練馬聡一
ECだけでなく、実店舗販売などの知識も必要になる検定です!

ネットショップマスター資格認定講座

ネットショップマスター資格認定講座」は、上記の検定とは違い、講座の受講と認定試験で資格を取得できるものです。

ECサイトを開店し運営するための、デザインから集客施策、ECモールの選定なども講座に含まれています。

さらにECでの売上を上げていくための方法をEC業界で活躍する講師からの講義をうけて、認定試験を受けることになります。

比較的簡単に取得できる資格ではあるので、ぜひチャレンジしてみましょう。

練馬聡一
練馬聡一
たくさん勉強しなくても取得できる資格です!

Googleアナリティクス個認定資格

Googleが提供してい分析ツールの「Googleアナリティクス」の認定資格です。

Google Analytics Individual Qualificationというスペルのため、一般的には「GAIQ」と言われています。

分析ツールであるGoogleアナリティクスの習熟度を証明する資格で、Web分析をする方であればほとんどが持っている資格です。

これは誰でも無料で受けることができるので、ぜひチャレンジしてみましょう!

練馬聡一
練馬聡一
正直なくてもOKですが、大いに越したことはないですもんね!笑

Google Adwords認定資格

同じくGoogleが認定している「Google Adwords認定資格」です。

インターネット広告で必須のGoogleが提供している広告の習熟度を認定する資格で、ネット広告の運用から正しい方法などを認定する資格です。

こちらも無料で受けることができるので、広告に関わる方はぜひ受験しておきましょう!

練馬聡一
練馬聡一
個人的にはアナリティクスよりもこちらのほうが有益かと思います!

ECサイト運営の資格や許可まとめ

ここまでご覧いただきありがとうございます。

ECサイトで商品を販売する際の資格や許可、EC担当者として役に立つ資格や認定をご紹介しました。

ECサイトで商品を販売するにあたり、特定の資格や許可が必要になる場合があり、知らずに販売をしていると、罰則を受けてしまう可能性があるので注意が必要です。

後半の資格や認定は、今後拡大するEC業界でも活躍できるような資格や認定です。

ぜひECの知見を高め、業界で活躍していきましょう!