メーカーが自社ECサイトを構築し、消費者に直接販売をするDtoC(Direct to Consumer)のビジネスモデルを行う企業が増えています。
大手メーカーはテレビCMやマス広告を中心に、卸先の小売店の売上を増加させるようなマーケティングを行ってきましたが、直接消費者に販売するメーカーのECサイト、つまりDtoCモデルを行っている場合は、そもそものマーケティング方法も変わってきています。
この記事ではメーカーEC、つまりDtoCのビジネスモデルを行っている企業が、マーケティング予算をどこに投資すべきなのか?ということを、海外の事例をもとにご紹介します。
メーカーEC企業の78%がマーケティング予算を増やしている
出典:emarketer.com
アメリカのメーカーEC(DtoC)企業の78%が、2019年のマーケティング予算を昨年よりも増やしているという調査がCommerceNextの調査により明らかになっています。
マーケティング予算を昨年と同額という企業が14%、予算を減らしているという企業は7%となっています。
消費者への販売チャネルが小売店からではなく、直接消費者に販売していくメーカーEC(DtoC)は、ECマーケティングへ予算を増やし、様々なマーケティングを行っています。ちなみにメーカーではない小売店側のECマーケティング予算も、60%以上の企業がマーケティング予算を増やしているそうです。
ECのマーケティングといっても広告から制作、CRMなど様々ですが、ではアメリカのメーカーEC(DtoC)企業はどんなことを目的にECマーケティングに予算を投じているのでしょうか?
最も注力しているマーケティングは顧客向け
同じくCommerceNextの調査によると、アメリカのメーカーEC企業の93%が、「顧客向け」に注力しているという調査結果がでています。
顧客向けというと国内においては「CRM」でひとまとめにされてしまいがちですが、そのマーケティング予算の投資する優先事項として、
- 顧客維持(44%)
- ブランディング(33%)
- オムニチャネル(30%)
- パーソナライゼーション(26%)
このような優先順位で「顧客向け」のマーケティングが行われています。
顧客維持とはECサイトで言うと会員離れを起こさないためのCRMの一環であり、顧客に長期間に渡り購買をしてもらえるようにしていくことです。
顧客維持を行うには顧客(会員)データを分析し、適切なタイミングで適切な商品をオススメしていくだけでなく、その他のサービスも柔術させていかなければなりません。ECサイトの売上はほぼ顧客で成り立つことが多いので、CRMは必須です。詳しくは「ECで売上が伸び悩んだら、CRMを分析し徹底的に見直そう!」で紹介しています。
優先順位としては顧客維持(44%)と多くを占めていましたが、ブランディングやオムニチャネル、パーソナライゼーションも含め、すべてが顧客向けのサービスの充実です。
ブランド離れを起こさないような「ブランディング」、どこでも情報を得られどこでも買い物ができる「オムニチャネル」、顧客が求める情報に適切な情報を発信する「パーソナライゼーション」は顧客離れを起こさない重要な施策です。
⇒なぜアパレル企業はオムニチャネルに失敗するのか?その理由を説明
⇒ECサイトで「AIを活用」すると可能になる8つのこと【事例】
メーカーEC企業の93%が、顧客向けのマーケティングを行っているという調査結果ではありますが、そもそも新規顧客はどんなマーケティング方法で獲得しているのでしょうか?アメリカのメーカーEC企業の新規顧客の獲得チャネルをご紹介します。
メインの顧客獲得チャネルはSNSへの広告
出典:emarketer.com
2019年のTolunaによるアメリカのインターネットユーザーに対し、「初めて購入した商品はどのようにして知りましたか?」という調査によると、
- SNSの広告(34.6%)
- インターネットでの検索(24.8%)
- 口コミ(16.4%)
- 情報ウェブサイトの広告(14.3%)
- 屋外広告(6.5%)
このような調査結果がでています。
1位はfacebookやtwitter、Instagramをはじめ、「SNS上での広告で商品を知った」というユーザーが34.6%と大きなシェアを占めています。
続いてはGooogleなどでの検索エンジンから商品を知ったというユーザーが24.8%、口コミが16.4%、情報メディアの広告が14.3%と続いています。
メーカーEC(DtoC)はSNS広告とSEO対策に注力
ここまでご覧いただきありがとうございました。
アメリカでのメーカーEC企業はECに対するマーケティング予算を軒並み増やしており、78%の企業が昨年よりもマーケティング予算を投じています。
その中でも「顧客向け」に対してマーケティング予算を組んでおり、その中でも顧客維持やブランディング、オムニチャネル、パーソナライゼーションという優先順位でマーケティングを行っています。
新規顧客獲得に関しての商品認知というところでいえば、SNSでの広告での認知が検索エンジンを抜いており、国内でも初回の商品認知ということで言えばSNS上での広告が有効です。
ぜひメーカーEC(DtoC)が盛んなこの時代を生き抜くために、顧客向けのマーケティングに注力し、広告を検討するのであればSNSでの広告を検討しましょう。
ここまでご覧いただきありがとうございます。もし興味があれば国内のECサイト売上ランキング「【2019年最新】大手ECサイト・ネット通販売上高ランキングTOP100を発表!」もご覧ください。