いろいろな方から「アパレル企業の化率ってどれくらいを目指せばいいの?」と聞かれます。
元々レディスアパレル企業でEC担当をしていた経験もあるのですが、EC化率をわざわざ増やす必要はないと思っています。
とはいえアパレル企業のの売上が落ち込んでいる中、アパレルECの市場規模や「EC化率」は増加をしているので「EC化率」をアップさせていきたいと思うのは会社として仕方がないと思います。
今回はアパレル企業のECでの販売における市場動向と、「EC化率」の平均、最後にEC化率を気にするよりオムニチャネルを意識しましょう。ということを解説します。
アパレルのEC化率の平均は12.96%
経済産業省の発表された報告書によると、2018年のアパレルのEC化率は「12.96%」です。これは経済産業省のレポートからピックアップしたアパレルの市場規模とEC化率です。
EC市場規模 | EC化率 | |
2014年 | 12,822億円 | 8.11% |
2015年 | 13,839億円 | 9.04% |
2016年 | 15,297億円 | 10.93% |
2017年 | 16,454億円 | 11.54% |
2018年 | 17,728億円 | 12.96% |
引用:平成 30年度 我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備(電子商取引に関する市場調査)
これだけアパレルの売上が苦戦しているというのに、アパレルECの市場規模は増加傾向にあります。EC化率も2014年に比べて約4.85%もアップしています。
「【2019年最新】大手ECサイト・ネット通販売上高ランキングTOP100を発表!」でも解説している国内ECサイトの売上ランキングでも、アパレル企業はたくさんランクインしています。
この数値はEC取引総額となるので、アパレル企業の自社ECサイトやZOZOTONや楽天などのモールでの売上も入っています。
なので「どれくらいのEC化率を目指せばいいの?」という質門に関しては、
EC化率は12.96%を目指すべきなのか?
EC市場が増加し、EC化率も増加しているアパレルですが、12.96%のEC化率を目指すのはアリなのでしょうか?
アパレル事業としては、大きく3つの販売チャネルで展開をしている企業が多いと思います。
- セレクトショップ、専門店への卸
- 直営店舗
- ECでの販売(自社サイト、モール含む)
少し過去を振り返ると、昔アパレル企業というのは基本①の卸を中心に行っており、徐々にアパレルブランドの増加により①卸&②直営店展開を行っていました。
2000年くらいからファッション系のECモール「マガシークやファッションウォーカーなど」が現れてきて、①卸&②直営店舗&③EC販売をすべて行うようになります。
2005年〜からは、自社ECサイトを行うアパレル企業も増えてきて、商品を倉庫に送るだけで独自ドメインで自社ECサイトを構築・運営までしてもらえる「フルフィルメントサービス」を提供するベンダーも増えてきました。
⇒フルフィルメントか内製化、自社ECサイトはどちらがいいのか?
近年ではスマートフォン、SNSやインフルエンサー普及により、③ECでの販売のみを行っているアパレル企業も増えてきましたね。なので直営店を全国展開をしているアパレルであれば、当然EC化率は下がりますし、その逆もあります。
ですからアパレルのEC化率を求めるのではなく、オムニチャネル推進を行いお客様へのサービスレベルをアップし、結果としてアパレル事業の全体的な売上増加を目指していく企業が増えてきています。それが「オムニチャネル化」です。
オムニチャネルについては「オムニチャネル戦略とは?店舗×ECサイト連携でサービスを最大化!」で解説していますが、アパレル企業のオムニチャネル推進はかなりハードルが高いです。。
アパレル企業のオムニチャネル
オムニチャネルの概念としては、いつでもどこでもどのチャネルでも同じ情報を得ることができ、商品を購入できるということです。
それを実現するための「アパレル企業のオムニチャネル化」については、実店舗×ECサイト×物流倉庫を連携させること、もっと具体的にお伝えすると「顧客データ」と「在庫データ」を一元管理し、お客様に対しサービスを最大化させることをいいます。
失敗しないオムニチャネル化についてはこちらに詳しく書いているので、お時間があれば見てみてください。
⇒なぜアパレル企業はオムニチャネルに失敗するのか?その理由を説明
EC化率をあげる前にサービスの向上を
長々とお話ししてしまいましたが、国内のアパレル企業のEC化率は平均「11.54%」です。ですがブランド事業展開によりそれが正しいとは限りません。
今こそ自社でオムニチャネルを推進し、EC化率をあげるのではなく、お客様へのサービスを最大化させ、アパレル事業全体の売上アップを目指していきましょう。
昔はEC担当者は地味でなかなか日の目を見れなかったのですが、オムニチャネル化が現実的になってきた今、アパレル企業の中心になれるチャンスです。一歩踏み出してオムニチャネルを推進しましょう!
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もともとはファッションやアパレル向けのECサイト構築に向いていましたが、アパレルのEC販売で必要だった特殊な機能をさらにアップデートし、今ではアパレルだけでなく最も売れているECサイトの多くが「futureshop」で構築されています。
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