ECサイトを構築し運営してくなかで、運営を外注(フルフィルメント)したほうがいいのか?運営を内製化したほうがいいのか?というEC事業者さんのお悩みがあると思います。
結論からいうと内製化を目指したほうが良いのですが、すべてを内製化していくのは優秀な人材とお金、非常に長い時間がかかります。
この記事では、私の事業者としてECサイト運営を行なった実積や、運営を外注した実績、ベンダーとしてECサイトを構築・運営を支援した経験をもとに、ECサイト運営を外注と内製化のメリット・デメリット、どんなタイミングでどちらを選択するべきなのか?ということを解説します。
自社ECの運営は「年商4億円」になるまでは外注しよう
結論からいうと、自社ECの売上が年商4億円まではEC運営を外注(フルフィルメント)するのがオススメです。
すでに自社ECサイトの運営を内製化している場合は、そのまま内製化で頑張っていくしかありませんが、これから初めて自社ECサイトを運営していくという場合は、極力ECサイト運営を外注(フルフィルメント)していきましょう。
ECサイトを行う理由は各社様々ですが、ほとんどが販路の拡大、つまり売上増加を目指していくという目的のはずです。
ECサイトの運営業務は毎日が同じことの繰り返しになってしまうことが多く、これをこなすのに目一杯になってしまうと、売上アップの施策(マーケティング)を行うことができなくなってしまいます。
のちほど理由は説明していきますが、年商4億円までは運営業務を外注し、売上アップの施策であるマーケティングに注力していきましょう。
詳しくは「ECサイトの運営業務を効率化・改善することが、売上アップの近道!」で解説しています。
どの部分を外注していくべきなのか?
まずは自社ECサイトをオープンさせるまでにできるまで流れを説明すると、商品を売り出すまでは、ECサイトを「構築」してから「運営」することとなります。
ECサイトを構築する
まずは自社のECサイトを構築することから始まります。ECサイト構築にはこのようなステップがあります。
- ECシステム構築
- デザイン制作
- サーバーセットアップ
ECサイトを運営する
ECサイトを構築したら、オープンする前や後にはこのような業務が発生します。
- 商品登録業務(ささげ:撮影、採寸、原稿など)
- 在庫管理業務(倉庫業務も含む)
- EC販売業務(広告集客なども)
- 決済業務(クレジット、銀行振込、代引きなど)
- 受注業務(受注後の事務処理)
- 発送(伝票発行〜倉庫から発送)
- お客様対応(クレーム対応、カスタマーサービスなど)
ECサイト運営を外注しよう!
ECサイト運営で外注すべきところは、お客様が商品を購入してから発送するまでの業務です。
ですが国内にもいくつかは、ECシステム構築〜運営をすべて行ってくれる「フルフィルメントサービス」を行っているベンダーもあります。
そのような場合はEC事業者は商品(在庫)をフルフィルメントサービス会社の倉庫に発送するだけで、勝手にささげ(撮影、採寸、原稿)を行なってくれて、商品登録から在庫の管理、ECサイトでの販売、商品発送、お客様対応までしてくれるわけです。
EC運営を外注するメリット
ECサイト運営を外注するメリットを紹介していきます。
社内EC業務の効率が非常に高まる
先ほど説明したECサイトの運営業務に関しては、自社で行うとなると非常に多くの人員、工数が必要になります。ECサイトの商品登録などはまだしも、トラブルも多いのがクレームをはじめとしたお客様対応や物流業務です。
ECは顔が見えない商売なので、カスタマー体制がしっかり取れていないとイメージダウンにつながりますし、物流倉庫業務においては在庫が無いのに販売してしまったり、配送ミスがあったりと、お客様に直接迷惑をかけてしまうことがあります。
そのような対応は多くの人員と時間を費やしてしまうので、その労力を委託することによってマーケティングをはじめとした商品開発やプロモーションなど「売る為」に必要な仕事に注力することができます。
スピート感を高めることで顧客満足度が向上する
当然フルフィルメントサービスを利用すると各所のプロが対応をすることになります。
例えば物撮りのカメラマンやライターが商品登録(ささげ:撮影、採寸、原稿)のプロ、顧客対応はコールセンターなどのサポートのプロ、物流倉庫業務は在庫管理、発送ノウハウがあるプロが担当する為、非常にスピード感が高まります。
ECにおいてはスピード感が非常に重要です。販売から発送までを各所のプロが行うことによりEC事業者自体のブランディング向上にもつながり、結果顧客満足度が向上します。
ECサイト運営を外注するデメリット
外注するメリットは沢山ありますが、私の経験上デメリットが2つあります。
売上の●●%をレベニューシェアとして取られる
ここまでEC運営を任せられるので当たり前の話なのですが、比較的高い掛率で手数料が発生します。そりゃそうでしょ。という感じなのですが、じゃあどれくらい取られるの?という話ですよね。
もちろん上記①〜⑩のどれくらいをお願いするのか?という話で変わってるのですが、私が経験したファッション・アパレル系のフルフィルメントECサービスでは①〜⑩をすべてお願いしておりました。私の業務としては新しい商品(在庫)を物流倉庫に送るだけというパターンで、売上の15%〜25%ほどの手数料が発生します。
社内にECノウハウが蓄積できない
ここ数年のEC市場は右肩上がりになっており、メーカーから小売事業者までがECに参入しています。
この時代に自社でのECのノウハウを蓄積できないということが、デメリットのひとつえす。右肩上がりの市場ということもあり、ECの知見・経験のある人材を企業もどんどん採用しつつあります。それくらい自社内にECのノウハウを蓄積したいわけですね。
右肩上がりのEC市場については「EC業界の市場動向から見て、今後〜未来のeコマース業界は明るい!」で解説しています。
フルフィルメントか内製化、どちらが良いのか?
最後にフルフィルメントをするのか内製化をするのか?どちらが良いのかというお話ですが、私の持論を述べさせていただきたいと思います。
自社でのECサイト構築〜運営を行なってきた実績がない企業の場合は「フルフィルメント」でのECをオススメします。
内製化をしたとしても外部へアウトソーシングする費用や自社内の人件費、体制構築をする費用を考慮すると、フルフィルメントを利用する売上のレベニューシェアを差し引いても、勝らないと思っているからです。
だって仮に売上の25%を手数料として取られたとしても、商品を送るだけで商品登録(ささげ)や管理、ECサイト上での販売、お客様対応まで行なってくれるというのは、ありがたすぎます。
ちなみに私としては「費用・利益」のことだけを考えていくと、まずはフルフィルメントで売上を伸ばしていき、自社EC年商が4億円を超えたくらいから内製化を考えていくということがベストだと思っています。
最後にフルフィルメントベンダーを選ぶポイントですが、「EC フルフィルメント」などで検索すると、多くのECフルフィルメントベンダーなどがヒットすると思いますが、どこでも良い、費用が安いということだけではなく、多少費用が高くとも、自社の商材を得意としているベンダーを選ぶようにしてください。
もしECサイト構築のシステム会社に迷ったら・・・
星の数ほどあるシステム構築会社を探し、最適なベンダーに依頼をするのは非常に難しいです。
ECプラットフォームを提供している会社(メーカー)が構築してくれる場合もありますが、
- プラットフォームベンダー(メーカー)
- インプリメントベンダー(実装する会社)
が別の場合もありますし、知識がないと難しいです。
- 自社の課題を解決してくれる
- 探す時間が取れない、探し方がわからない
- 費用の相場がわからない
- IT専門知識が少ない
もしこのような課題があったら、ECシステム構築会社に無料で一括見積ができる「発注ナビ」で問い合わせをしてみましょう。
会社でECサイト構築のプロジェクトに失敗してしまうと大変なことになってしまうのですが、ITコンサルタントが要件をヒアリングしてくれるので、最短1日で最適なECシステムの構築ベンダーが見つかります。
問い合わせは無料なので、EC・IT知識のない方はぜひこのようなサービスを利用してください。