ECサイトで買い物をするときに、「送料無料」というのは消費者への購入決定に非常に有効です。
というのも日本の55%のユーザーがネットショップで買い物をする場合、「送料無料なのか?」ということが購入決定にもっとも重要なポイントだといわれています。
国内でもっとも売上の高いアマゾンは、プライム会員特典で「送料無料」が当たり前になっていますが、EC事業者としては配送料が上がっているという現状もあり、「送料無料」をサービス化するにはハードルが高いです。
そんなEC事業者さん向けに、消費者がECサイトの購入において「送料無料サービス」の期待度や、どのような条件があれば送料無料でなくても買うのか?を調査結果をもとに解説します。
日本人の55%が送料無料がEC購入の決め手
出典:emarketing.com
まずECサイトにおいて、Free Shipping(送料無料)がどれくらい購入決定の決め手と考えているのか?という調査結果をご紹介します。
アメリカのコンサルティング会社であるAlixPartnersによると、「ECサイトの購入において、送料無料がどれくらい重要なのか?」という調査に対し、日本人の55%が「Greatly impacts my ordering decision(購入決定に大きく影響する)」と答えています。
そんな送料無料が購入決定に大きく影響すると答えたランキングとしては、
- フランス:75%
- アメリカ:72%
- イギリス:57%
- 日本:55%
- ドイツ:52%
- 中国:52%
となっています。この調査によるとフランスとアメリカが70%を超えており、EC市場規模が最も高い中国は、逆にもっとも低い52%と答えています。
ちなみに海外EC市場規模のランキングは、1位中国、2位アメリカ、3位イギリス、4位日本です。詳しくは「海外EC市場&国別売上ランキング」をご覧ください。
この調査からも、日本人の55%は送料無料がEC購入の決め手となっていることもあり、多くのユーザーが送料無料を期待していることがわかります。
カゴ落ちユーザーの多くは、予期しない送料が原因
ちなみにECサイトで買い物カゴに商品を入れたのにも関わらず、サイトから離脱してしまうことを「カゴ落ち」といいます。
カゴ落ちするユーザーは世界的にみても、平均69.89%がカゴ落ちしており、ECサイトに訪れたユーザーの約7割がカゴ落ちをしています。
「カゴ落ち防止で売上30%アップ!ECサイトの対策・メール回数を解説」で紹介しているように、カゴ落ちする理由は、「予期しない費用が発生すること」、つまり購入前に送料が発生するということがわかったときです。
それくらい送料無料がECサイトにおける購入決定に大きく影響していることがわかります。
それでは実際どれくらいのユーザーがキャンセルしてしまうのでしょうか?
送料無料でなければ68%のユーザーがキャンセル
出典:emarketer.com
アパレルECサイトで買い物をする際に重要視するサービス・機能は何か?という調査においても、「送料無料」が最も重要なサービスという結果が出ています。
- 送料無料:53.9%
- ユーザーレビューの評価:15.9%
- 簡単に返品可能:13.2%
- 商品の検索機能:8.1%
- モバイル最適化されたサイト:7.2%
送料無料が約半数以上の53.9%、続いてユーザーレビューの評価が15.9%となっています。
関連記事:ECのレビューの効果は?73%のユーザーは値段が高くても買う傾向
ちなみにECサイト側が、購入前にユーザーに送料負担をお願いした場合、購入確度が一気に下がります。
送料無料でない場合は、68%のユーザーが購入をキャンセルし、91%のユーザーが注文しないと答えています。
ユーザーの20%は送料を払って購入
とはいえ消費者(ユーザー)が全く送料を払わない!というわけではありません。
Internet RETAILERとTolunaの調査によると、購入の20%は送料を払っているという結果も出ています。
アマゾンはプライム会員向けに送料無料を行っていますが、それ以外のECサイトだと送料が発生するサイトも多いので、そのため送料を払っているユーザーも多いというのが現状です。
ということがわかっているので、特定の条件があれば、ユーザーは送料を払ってでもECサイトで購入をしてくれるということがわかっています。
送料を払ってでも買いたい条件とは?
送料を払ってでもECサイトで買う条件として、上記のような調査結果がでています。
その条件をざっくりまとめると・・・
- 商品に魅力がある、そのECサイトでしか買えない【商品力】
- 総額では金額的にお得になる【トータルコスト】
- 早く手元に届けてほしい【配送サービス】
このように商品力、トータルコスト、配送サービスでのどれかのメリットを感じられたときに、ユーザーは送料を支払ってでも購入したいということになります。
送料無料でないと売上は下がるので、サービスを増やそう!
ここまでご覧いただきありがとうございます。
ECサイトで買い物をするときに、「送料無料」というのは消費者への購入決定に非常に有効で、日本のユーザーの55%が最も重要なポイントだと答えています。
ちなみにECサイト側が、購入前にユーザーに送料負担をお願いした場合、購入確度が一気に下がり、売上も下がります。
なぜなら送料無料でない場合は、68%のユーザーが購入をキャンセルし、91%のユーザーが注文しないと答えているからです。
ですが送料を負担してくれるユーザーもなかにはいて、
- 商品に魅力がある、そのECサイトでしか買えない【商品力】
- 総額では金額的にお得になる【トータルコスト】
- 早く手元に届けてほしい【配送サービス】
このような条件があればあるほど、送料負担をして購入してくれるユーザーは増えます。
EC事業者としては送料無料のハードルは高いですが、ぜひこのようなサービスを少しでも増やして、ECサイトで購入してくれるお客様を増やしていきましょう。