メルカリやヤフオクなど、消費者同士の電子商取引を行う、CtoCのEC市場が拡大しています。
EC市場でいうと企業間取引のBtoB、企業と消費者取引のBtoCに比べると規模は小さいですが、特にフリマアプリの需要が高まっている背景から、今後も市場の拡大が予測されます。
この記事では、経済産業省から発表されている内容をもとに、CtoC(消費者間取引)のEC市場規模を紹介しつつ、海外事例や今後の動向などを解説します。
消費者同士の取引を行う「CtoCのEC」とは?
まずはCtoCのECについて解説します。ECサイトには3つのビジネスモデルがあり、
- BtoB(Business to Business)=企業と企業の販売をするECサイト
- BtoC(Business to Consumer)=企業から消費者への販売をするECサイト
- CtoC(Consumer to Consumer)=消費者から消費者への販売するECサイト
この3つに分類されます。
ちなみに昨年のBtoBのEC市場規模は373兆円にのぼり、2016年から比べると、なんと54兆も増えているので、詳しくは「BtoB ECの目的は業務効率化!市場規模やランキング、構築方法まで解説!」もご覧ください。
さらに企業から消費者に販売をしているBtoCのEC市場は、昨年17兆9,845億円となり、年間1兆円規模で市場が拡大しています。
こちらも詳しくは「EC業界の市場動向から見て、今後〜未来のeコマース業界は明るい!」をご覧ください。
出典:経済産業省 平成30年度 電子商取引に関する市場調査より
本題のCtoCのECサイトとは(Consumer to Consumer)の略で、消費者同士の販売をECサイト上で行う取引形態のことです。
CtoCのECサイトは、国内外でも注目が集まる「シェアリングエコノミー」として考えられており、持っているものを無駄にしないというリサイクルやリユースという循環型社会の一環としても期待されています。
CtoCのECといえばフリマアプリとネットオークション
消費者同士の販売を行う「CtoCのEC」は、国内でいう2つの販売方式があります。
- フリマアプリ
- ネットオークション
EC上の販売方法は違いますが、両者とも消費者同士の売買をするプラットフォームで、販売価格が異なるということ以外は、「CtoCのEC」ということになります。
それでは本題の、両者の特徴やCtoCのECの市場規模をご紹介します。
CtoC-ECの国内市場規模は2兆2,121億円
フリマアプリとネットオークションを中心したCtoCのEC市場は、2兆2,121億円にのぼります。
詳しくは以下で解説しますが、メルカリなどでおなじみのフリマアプリの市場規模は6,392億円で、ヤフオク!などのネットオークションの市場規模は1兆133億円となっています。
それでは具体的に市場規模を解説します。
フリマアプリの市場規模は6,392億円
出典:経済産業省 平成30年度 電子商取引に関する市場調査より
経済産業省の発表によると、2018年のCtoC市場規模においてフリマアプリの市場規模は、6,392億円となっています。
2016年は3,052億円という市場規模でしたが、2年間で倍以上の市場規模の拡大になっています。
フリマアプリの特徴
あらためてフリマアプリの特徴を紹介すると、フリマアプリは消費者同士の売買取引を行うアプリプラットフォームです。
売り手が価格を設定し、買い手がその価格で購入するという、至ってシンプルなビジネスモデルになっています。
上記のフリマアプリが有名で、利用しているユーザー数も多いです。
最もユーザー数も多く、流通金額が高いのはご存知メルカリで、出品してから購入に至るまでの時間が非常に短いということが特徴です。
ユーザーは女性や主婦が多く、ほぼスマートフォンのアプリで行われています。
出典:経済産業省 平成30年度 電子商取引に関する市場調査より
上記の図のようにメルカリの売上ジャンルのシェアとしては、レディースの商品がもっとも売上シェアが多く、エンタメ・ホビーが続き、その後にメンズの商品が続いています。
ネットオークションの市場規模は1兆133億円
出典:経済産業省 平成30年度 電子商取引に関する市場調査より
続いてはCtoCのECのなかでも、ネットオークションの市場規模のご紹介です。
2018年、ネットオークションの市場規模は1兆133億円となっています。
ですがこの数値はネットオークション内のBtoCやBtoBも含まれている数値なので、実際の消費者同士の取引であるCtoCのEC市場規模とは異なります。
出典:経済産業省 平成29年度 電子商取引に関する市場調査より
正確な市場規模の数値は発表されていませんが、2017年の経済産業省の発表で3,569億円だったので、拡大率からいうと3,570億円ほどになると予測されます。
ネットオークションの特徴
続いてネットオークションの特徴を解説します。
ネットオークションは、オークション形式、せりによって販売価格が決まるという販売方式です。
売り手が販売価格を決めて出品し、期間中の入札金額がもっとも高い買い手が商品を購入することができます。
代表的なネットオークションサイトは上記です。
昔は多くのネットオークションがありましたが、ざんねんながら多くの会社がサービスを停止してしまい、現在は多くありません。
国内のフリマアプリやネットオークションである、CtoCのEC市場規模をご紹介しました。
もう少しCtoCの情報を知りたいという方は、海外の市場規模もご紹介しているので、もう少しお付き合いください。
海外CtoCの市場規模
上記では国内のCtoC市場規模をご紹介しましたが、続いては海外の市場規模をご紹介します。
EC市場規模がもっとも高く、小売ECで1兆9894億ドルの市場規模を誇る「中国」と、6006億ドルの市場規模を誇る2位の「アメリカ」のCtoCのEC市場規模をご紹介します。
ちなみに海外のEC市場に関しては「海外EC市場&国別売上ランキングと、3年後伸びる商品ジャンルTOP10」にて詳しく解説しています。
中国のCtoC市場は9兆7,033億円
中国のMobData研究院によると、中国のCtoCのEC市場規模は 5,707.8 億元(約9兆7,033億円)となり、2020年には1兆元に登ると予測されています。
近年の中古品リユースのCtoC-ECに関しては、
3社で95%のシェアを締めています。
天猫(Tmall)を運営するアリババグループの「闲鱼(Xianyu)」、テンセントが出資する 58 同城の「轉轉(ZhuanZhuan)」、さらにJD.comを運営している京東グループの「拍拍(PaiPai)」となっています。
取引されている商品の多くは、家電や衣類、ブランドバッグが多く、2020年には前年対比30%増で推移すると予測されています。
アメリカのCtoC市場は14兆3,894億円
続いてEC市場規模が世界2位のアメリカですが、CtoCの市場規模は約14兆3,894億円です。
この数字は私がアメリカのフリマアプリとネットオークションのeBayの流通金額を足したものなので、正確にはもっと大きな市場規模になります。
アメリカのフリマアプリでは、上記の4つが有名です。
もっとも流通額が多いのは「Letgo」で、アクティブユーザーは7,500万人、流通額は230億ドル(約2兆4,567億円)です。
出典:経済産業省 平成30年度 電子商取引に関する市場調査より
ネットオークションに関しては日本でも知名度がある「eBay」で、2007年は46.5億ドルでしたが、2018年には945.8 億ドル(約10兆5,500 億円)となり、2倍以上の推移で市場が拡大しています。
関連記事:海外の食品EC市場や国別ランキング、アメリカ食品業界の脅威とは!?
今後も拡大傾向!CtoCのEC市場
ここまでご覧いただきありがとうございます。
国内でもメルカリやヤフオクなど、消費者同士の電子商取引を行う、CtoCのEC市場が拡大しています。
同じく中国やアメリカでもCtoCの市場が拡大しているので、BtoBやBtoCのECに比べると規模は小さいですが、特にフリマアプリの需要が高まっている背景から、今後も市場の拡大が予測されます。
ECだけでなく、資金を集めるようなクラウドファンディングやスキルを売るようなクラウドソーシングなど、CtoCのサービスがどんどん生まれてきていますので、ぜひ今後のCtoC市場の動向もチェックしていきましょう。
もし興味があれば、「大手ECサイト・ネット通販売上高ランキングTOP100を発表!」で国内のEC売上ランキングもご紹介しているので、ぜひご覧ください。