国内のEC市場が拡大するなか、大きな市場規模になっているのが化粧品のEC市場です。BtoCの化粧品販売におけるEC化率は5.8%を超え、年々規模は拡大しています。
国内にも化粧品メーカーはは多く存在しますが、実際どこの化粧品会社の売上が高いのでしょうか?
この記事では化粧品のEC・ネット通販の売上高ランキングからTOP80位を発表しつつ、私の所感・コメントなんかを書いていきたいと思います。
BtoCの化粧品販売におけるEC化率は6.0%
消費者向け(BtoC)の化粧品販売においてのEC化率は、国内では6.0%であり、まだまだ実店舗や訪問販売の実績が高いのが現状です。
化粧品EC・通販に関しては、新規顧客の獲得とともに2回目以降の購入を促すような単品リピート通販モデルが基本となるため、新規顧客の獲得や顧客維持などの課題は多いです。
ですがこのような状況のなかで売上高を伸ばしている企業は、既存の商品のリニューアルや新商品が、売上増加の理由となり、さらに海外での売上拡大が貢献しています。
ちなみに単品通販については「単品通販とは?総合通販との違いや売上ランキング、構築方法もご紹介」で解説しています。
それでは本題の、化粧品EC・通販の売上高ランキングをご紹介しつつ、私の所感やコメントを紹介していきます。
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化粧品EC・通販売上高ランキングTOP1位~20位
順位 | 会社名 | 売上高 | 増減率 (%) |
決算月 | 本社 |
1 | ファンケル | 567.7億円 | 11.1 | 3月 | 神奈川 |
2 | ディーエイチシー | 518億円 | 1.8 | 7月 | 東京 |
3 | オルビス | ※420億円 | – | 12月 | 東京 |
4 | 新日本製薬 | 312.1億円 | 10.0 | 9月 | 福岡 |
5 | 再春館製薬所 | 294億円 | ▲2.0 | 3月 | 熊本 |
6 | ザ・プロアクティブカンパニー | ※250億円 | – | 12月 | 東京 |
7 | ドクターシーラボ | 231.5億円 | 1.2 | 7月 | 東京 |
8 | ジュピターショップチャンネル | ※200億円 | – | 3月 | 東京 |
9 | ハーバー研究所 | 192.5億円 | 7.6 | 3月 | 東京 |
10 | 富士フイルムヘルスケアラボラトリー | ※175億円 | – | 3月 | 東京 |
11 | QVCジャパン | ※170億円 | – | 12月 | 千葉 |
12 | 資生堂 | ※150億円 | – | 12月 | 東京 |
13 | キューサイ | 126.6億円 | 4.3 | 12月 | 福岡 |
14 | アテニア | 115.1億円 | – | 3月 | 神奈川 |
15 | アイム | ※110億円 | – | 2月 | 香川 |
16 | 協和 | 107.7億円 | ▲0.9 | 1月 | 東京 |
17 | ランクアップ | 103.5億円 | 2.0 | 9月 | 東京 |
18 | 銀座ステファニー化粧品 | 98億円 | 40.0 | 12月 | 東京 |
19 | アンファー | ※95億円 | – | 3月 | 東京 |
20 | JIMOS | 87.3億円 | ▲7.9 | 3月 | 福岡 |
化粧品EC・通販の売上高ランキング1位は「ファンケル」で、売上高567億円を突破し、前年比は11.1%アップと大きく売上を伸ばしています。2位は前年比1.8%アップの「ディーエイチシー」で518億円となり、3位は「オルビス」で420億円となっています。
1位のファンケルの売上増加は、リニューアルした「基礎化粧品」や「マイルドクレンジングオイル」の主力商品が好調ということ、戦略商品としている「リンクルクリーム」が好調に推移したということが理由です。
4位の「新日本製薬」は一昨年にマザーズ上場を果たしていますが、前年比10.0%アップによる312億円となり、大きく売上高を伸ばしています。主力商品の「パーフェクトワン オールインワン美容液ジェルシリーズ」が好調に推移しています。
13位には青汁でおなじみ福岡の「キューサイ」がランクイン、126億円の売上高となっています。スキンケア系の化粧品が46%を占めており、「コラリッチジェルシリーズ」も主力商品となっています。
14位にはファンケルグループの「アテニア」がランクインしており、前年比4.3%アップの115億円となっています。同社は継続率やLTVは鈍化しているものの、新規顧客の獲得が好調に推移したことで売上高を伸ばしています。
ちなみに新規顧客の獲得については「新規顧客獲得のコストの考え方を知ろう!」で解説しています。
化粧品EC・通販売上高ランキングTOP21位~40位
順位 | 会社名 | 売上高 | 増減率 (%) |
決算月 | 本社 |
21 | オージオ | 87億円 | 28.8 | 3月 | 埼玉 |
22 | I-ne | ※80億円 | – | 2月 | 大阪 |
23 | 山田養蜂場 | 79.9億円 | ▲2.0 | 4月 | 岡山 |
24 | メディプラス | 79.7億円 | 1.7 | 8月 | 東京 |
25 | ソーシャルテック | ※75億円 | 7.0 | 3月 | 東京 |
26 | 味の素ダイレクト | ※68億円 | – | 3月 | 東京 |
27 | 悠香 | ※60億円 | – | 6月 | 福岡 |
27 | サントリーウエルネス | ※60億円 | – | 12月 | 東京 |
27 | コーセープロビジョン | ※60億円 | – | 3月 | 東京 |
30 | スイスセルラボ・ジャパン | 58億円 | 21.0 | 9月 | 東京 |
31 | アスカコーポレーション | ※50億円 | – | 8月 | 福岡 |
32 | 健康コーポレーション | ※40億円 | – | 3月 | 東京 |
32 | カタログハウス | ※40億円 | – | 3月 | 東京 |
32 | サンスター | ※40億円 | – | 3月 | 大阪 |
32 | 未来 | ※40億円 | – | 3月 | 愛知 |
32 | DECENCIA | ※40億円 | – | 12月 | 東京 |
37 | ビューティガレージ | 36.2億円 | 35.2 | 4月 | 東京 |
38 | 豆腐の盛田屋 | ※30億円 | – | 3月 | 福岡 |
39 | イノベート | 25億円 | – | 3月 | 島根 |
39 | よつば貿易 | ※25億円 | – | 8月 | 福岡 |
21位には前年比28.8%アップと大きく売上高を伸ばしている「オージオ」が87億円とランクインしています。22位にはオーガニックシャンプーの「BOTANIST」でおなじみの「I-ne」がランクインしています。
売上前年比で大きく伸ばしているのが30位の「スイスセルラボジャパン」で、前年比21%アップで58億円の売上高となっています。
同社はジュエリー成分を配合した「オールインワンファンデーション」が5ヶ月間で20万個以上を販売し、大ヒットを記録しています。さらに単価を下げ幅広い顧客層へのリーチを狙う予定で、2019年9月期の売上高は100億円を目指しています。
化粧品EC・通販売上高ランキングTOP41位~60位
順位 | 会社名 | 売上高 | 増減率 (%) |
決算月 | 本社 |
39 | SONOKO | 25億円 | 25.0 | 3月 | 東京 |
39 | ユーグレナ | ※25億円 | – | 9月 | 東京 |
43 | ヤマサキ | 24.9億円 | 7.2 | 2月 | 広島 |
44 | アプロス | 24.5億円 | 0.7 | 11月 | 東京 |
45 | アイスタイル | 21.9億円 | 40.4 | 6月 | 東京 |
46 | 愛しとーと | ※20億円 | – | 9月 | 福岡 |
46 | 小林製薬 | ※20億円 | – | 12月 | 大阪 |
46 | マードゥレクス | ※20億円 | – | 3月 | 東京 |
46 | ロート化粧品 | ※20億円 | – | 3月 | 東京 |
46 | 世田谷自然食品 | ※20億円 | – | 6月 | 東京 |
46 | ビーボ | ※20億円 | – | 8月 | 東京 |
46 | FTC | ※20億円 | – | 4月 | 東京 |
53 | プレミアアンチエイジング | ※20億円 | – | 11月 | 東京 |
54 | 千趣会 | 18億円 | – | 12月 | 大阪 |
55 | あきゅらいず | 16.5億円 | 17.2 | 5月 | 東京 |
56 | ニッピコラーゲン化粧品 | 16.1億円 | 2.7 | 3月 | 東京 |
57 | フューチャーラボ | ※15億円 | – | 7月 | 東京 |
58 | さくらフォレスト | 15億円 | – | 3月 | 福岡 |
59 | 小豆島ヘルシーランド | ※13億円 | – | 3月 | 香川 |
60 | ミルズインターナショナル | 12.7億円 | 18.9 | 9月 | 神奈川県 |
39位には鈴木その子さんでおなじみの「SONOKO」が前年比25%アップの25億円でランクインしています。
43位の「ヤマサキ」も前年比7.2%アップと大きく売上高を伸ばしており、24.9億円となっています。売上増加の要因としては大型新商品の販売開始が寄与しています。
君島十和子さんがクリエイティブディレクターの化粧品ブランドを展開している「FTC」も、20億円の売上高で46位にランクイン。主力の「オールインワンゲル」を中心に、君島十和子さんのブランド力と広告→LPなどのダイレクトマーケティングを駆使し、売上アップを実現しています。
化粧品EC・通販売上高ランキングTOP61位~80位
順位 | 会社名 | 売上高 | 増減率 (%) |
決算月 | 本社 |
61 | ドクタープログラム | ※12.4億円 | – | 3月 | 東京 |
62 | トリプルサン | ※12億円 | 20.0 | 3月 | 東京 |
63 | ペー・ジェー・セー・デー・ジャパン | 11.3億円 | ▲0.9 | 9月 | 東京 |
64 | エミネット | ※10億円 | – | 3月 | 鳥取 |
65 | シャルーヌ化粧品 | 9.1億円 | 23.0 | 12月 | 東京 |
66 | サイエンスポーネ | 8.8億円 | ▲0.4 | 9月 | 福岡 |
67 | ネイチャー生活クラブ | ※8億円 | – | 6月 | 熊本 |
68 | ヤーマン | ※7.1億円 | – | 4月 | 東京 |
69 | フェヴリナ | 5.9億円 | ▲23.5 | 9月 | 福岡 |
70 | ニッセン | ※5億円 | – | 12月 | 東京 |
70 | ティーライフ | ※5億円 | – | 7月 | 静岡 |
70 | every one | ※5億円 | – | 11月 | 東京 |
73 | バルクオム | ※4億円 | – | 9月 | 東京 |
74 | スピカズ | ※3.5億円 | – | 12月 | 東京 |
75 | ハウスオブローゼ | 3億円 | 27.1 | 3月 | 東京 |
76 | アイフォーレ | 2.8億円 | ▲5.0 | 3月 | 神奈川 |
77 | ビーバイ・イー | ※2.6億円 | – | 4月 | 東京 |
78 | 大正製薬 | ※2億円 | – | 3月 | 東京 |
79 | カミツレ研究所 | 1.1億円 | – | 3月 | 東京 |
80 | 八幡物産 | 0.1億円 | ▲27.7 | 8月 | 鳥取 |
61位〜のEC・通販売上高は10億円強〜1000万円台になっています。
なかでも前年比を大きくアップさせているのは、62位の「トリプルサン」が前年比20%アップの12億円、65位の「シャルーヌ化粧品」が23%アップの9.1億円、75位の「ハウスオブローゼ」が27.1%アップの3億円となっています。
化粧品EC・通販の市場競争は激化していく見込み
ここまでご覧いただきありがとうございます。
化粧品EC・通販市場については、上位にランクインしているディーエイチシーや再春館製薬所は、競合他社の増加による競争の激化を懸念している一方、山田養蜂場は化粧品EC市場自体が伸びているので比較的安心と述べています。
化粧品だけでなくEC市場は国内でも拡大傾向にありますが、中小、零細企業まで化粧品事業展開やECへの参入が増えているので、大手化粧品会社も懸念しているという状況ですね。
さらに新規顧客獲得や既存顧客の維持が重要となってくるので、ECサイトの運営者やマーケティング担当者は、新たな施策で売上アップを目指していきましょう。
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