要件定義とは、ECサイトを構築する際に、導入事業者(ユーザー)とシステム開発会社(ベンダー)で、ECサイト構築に必要な機能・性能を明確にしていく作業のことです。
といっても要件定義はECサイトを構築する際だけでなく、システム構築やWeb制作をする際にも行うことがありますが、IT系の人でなければ聞き慣れない言葉だと思います。
この記事では初めてECサイト構築やシステム構築を依頼するという人向けに、「要件定義」の意味から、「失敗しない要件定義の進め方のポイント」を解説します。
要件定義とは?
要件定義とは、ECサイトをはじめ、基幹・業務システムなどのシステムやソフトウェア開発において、「導入事業者(ユーザー)」と「システム開発会社(ベンダー)」が、業務に必要な機能・性能を明確にしていく打ち合わせ作業のことです。
要件定義では、導入事業者(ユーザー)がシステム開発会社(ベンダー)に対してや業務シナリオや業務フローを伝えます。そしてシステム開発会社(ベンダー)は構築するECシステムに、どんな機能が必要なのか?どんな性能を持たせるべきなのか?ということを考えていきます。その後、ECシステム開発・構築を進めるにあたり、要件定義で明確にした機能を作っていくわけです。
ECパッケージシステムを導入し構築していく場合は、事業者(ユーザー)の要件を明確にし、すでにあるECパッケージの標準機能に対して、持ち合わせている機能があればその機能で対応し、持ち合わせていない機能があれば開発(カスタマイズ)して作る。ということを両者が認識します。
⇒ECパッケージシステムでECサイト構築、7つのメリットをご紹介
つまり要件定義とは、導入事業者(ユーザー)が望んでいるECサイトを構築する場合に、システム開発会社(ベンダー)に対して要望を伝え、各種要件において両者の認識の差異をなくしていく打ち合わせ作業を、要件定義といいます。
要件定義=ECシステム構築がゴールではない
ECサイトを構築するにあたり一番重要なポイントは「要件定義」であることは間違いないのですが、あくまでも「要件定義」は事業者(ユーザー)が思い描いているECサイトをシステム開発会社(ベンダー)にしっかり構築してもらうために行うことです。
ここで忘れないでほしいのが、ECサイトを構築する目的を見失わないでほしいということです。ちなみに本来、ECサイトを構築する目的はこのようなことだと思います。
店舗と連携したオムニチャネルを行い顧客満足度を高めたい
お客様に対してEC買いやすいサイトを作ってサービスを向上したい・・・etc
事業者(ユーザー)目線ではこのようなことがECサイトを構築をする目的だと思います。
なのでECサイトを構築することはゴールではなく、スタートです。企業のECビジネスを飛躍させるということが目的となり、結果お客様に満足してもらうことがゴールだと思います。
ECサイトを構築する際に要件定義は非常に大事ですが、それでは自己満足になります。ですから自分たち事業者目線で要件定義を行うのではなく、自社のECビジネスを飛躍させるため、顧客満足度を高めるために「要件定義」を行うということを第一に考えましょう。
それでは要件定義をする心構えをもっていただいたということで、失敗しない要件定義の進め方とプロセスを解説していきます。
失敗しない要件定義の進め方・プロセス
失敗しない要件定義を行うためには、社内での情報収集や準備が非常に大切です。
なぜなら社内のことは事業者(ユーザー)しかわかり得ません。システム開発会社(ベンダー)がどんなにECサイトの構築実績と経験があったとしても、一般的な機能や業務を理解しているだけで事業者社内の詳しい業務については伝えないとわからないです。
ですから失敗しない要件定義をするには、社内での事前準備が非常に大切です。
①社内業務を明確に
まず大事なことは、ECサイト運営における社内業務を明確にすること、つまり現行のECサイトにおける「業務フロー」を明確にしておきましょう。
現在ECサイトを運営していてリニューアルということであれば、ECサイトで受注したデータがどこにあり、どのように顧客管理をし、どんな手順で物流倉庫にデータが渡り、お客様に出荷をしているなどの「業務フロー」を明確にし、その中の課題を明確にしどのように改善できればOKなのかということをまとめておきます。
もし自社ECサイト構築が初めてという場合は、想定されるEC業務のなかでも、受注したデータをどのようにして出荷しようと思っている。くらいは社内認識をまとめておきましょう。
②アウトプットを明確に
次は①で明確にまとめた社内業務をシステム開発会社(ベンダー)に伝えるために、正確にアウトプットできるようにしましょう。
それは現行システムの機能的なところもそうですが、社内の組織的(人的)なところも明確にまとめることで、ベンダー側がどこを開発し、どこを人的運用すればよいのかをわかりやすくするためです。
正確にアウトプットするためには、「提案依頼書(RFP)」を作成することもオススメします。RFPについては「RFP(提案依頼書)とは?書き方や意味、3つのメリットとは」で解説しています。
③役割分担を明確に
役割分担とは、事業者(ユーザー)とシステム開発会社(ベンダー)における関係です。
つまり要件定義では、プロジェクトマネージャーを決めることが重要です。プロジェクトマネージャーとは事業者側のECサイトの運用業務や業務フローを完全に理解し、どんなECサイトを構築したいのかを明確にベンダーに伝えられる責任者のことです。
プロジェクトマネージャーはECサイト構築を失敗しないために、ベンダーに伝える情報の抜け漏れをなくしていき責任者となるべき人です。
やはりお互いに人間ですから、システム開発会社(ベンダー)も「言われなかったからやりませんでした。」ということも多々発生します。ECシステム構築をベンダーのせいにしたとしても、最終的に困るのは事業者(ユーザー)です。
しっかりとすべてを把握しているプロジェクトマネージャーをたてて、要件定義に臨みましょう。
要件定義のスケジュール
要件定義はECサイトの規模にもよりますが、約1ヶ月〜2ヶ月ほどにわたり、毎週4〜5時間は行うことが理想的です。
ECサイト構築において要件定義をしっかり抜け漏れがなく行うことは、次フェーズである「要件定義 → 設計 → 製造 → テスト」という進め方において後戻りはできません。
ECサイト構築のプロジェクトにおいて要件定義が一番重要と言われるのもこのためです。
要件定義は構築後の目的を明確にして挑もう!
要件定義とは、ECサイトをはじめ、基幹・業務システムなどのシステムやソフトウェア開発において、「導入事業者(ユーザー)」と「システム開発会社(ベンダー)」が、業務に必要な機能・性能を明確にしていく打ち合わせ作業のことです。
要件定義で事業者(ユーザー)とシステム開発会社(ベンダー)が両者の認識を合わせたところで、次は「設計」というフェーズにはいります。
「設計」にはいると後戻りはできませんので、要件定義がやり直しになってしまうケースもあります。
ですから自分たち事業者目線で要件定義を行うのではなく、自社のECビジネスを飛躍させるため、顧客満足度を高めるために「要件定義」を行うということを第一に考えて挑みましょう。
もしECサイト構築のシステム会社に迷ったら・・・
星の数ほどあるシステム構築会社を探し、最適なベンダーに依頼をするのは非常に難しいです。
ECプラットフォームを提供している会社(メーカー)が構築してくれる場合もありますが、
- プラットフォームベンダー(メーカー)
- インプリメントベンダー(実装する会社)
が別の場合もありますし、知識がないと難しいです。
- 自社の課題を解決してくれる
- 探す時間が取れない、探し方がわからない
- 費用の相場がわからない
- IT専門知識が少ない
もしこのような課題があったら、ECシステム構築会社に無料で一括見積ができる「発注ナビ」で問い合わせをしてみましょう。
会社でECサイト構築のプロジェクトに失敗してしまうと大変なことになってしまうのですが、ITコンサルタントが要件をヒアリングしてくれるので、最短1日で最適なECシステムの構築ベンダーが見つかります。
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