カゴ落ちとはECサイトを利用するユーザーが、ショッピングカートに商品を入れたままサイトから離脱してしまうことです。それを防止するための施策のことを「カゴ落ち対策」といいます。
「カゴ落ち対策」を正しく行えば、ECサイトの売上は約30%アップします。というのも一般的なECサイトのカゴ落ち率は70%で、ショッピングカートに商品を入れたユーザーが1,000人いたとすると700人はカゴ落ちしており、母数が多いため改善の余地がたくさんあるからです。
この記事では「カゴ落ち」の説明から、カゴ落ちが発生する理由と対策、売上アップにつながるフォローメールの回数や配信タイミングを解説します。
カゴ落ちとは?
「カゴ落ち」とはECサイトに訪問したユーザーが、商品をショッピングカートに入れたままサイトから離脱してしまうことです。
商品をカートに入れたということは、その商品に何かしらの興味があるということですから、購入を促すアプローチを行えば、購入してくれる可能性は高くなります。このような購入を促す施策のことを「カゴ落ち対策」といいます。
国内の有名・大手ECサイトはカゴ落ち対策がしっかり行われています。国内のECサイト売上ランキングは「【2019年最新】大手ECサイト・ネット通販売上高ランキングTOP100を発表!」で解説しています。
それではECサイトにおけるカゴ落ち損失を具体的に説明します。
1,000人カートに入れたら700人がカゴ落ちしている
世界のECサイトのカゴ落ち率は約70%です。ECサイトで1,000人のユーザーが商品をカートに入れたら、700人のユーザーがカゴ落ちしているということになります。
参考:40 Cart Abandonment Rate Statistics – Cart & Checkout – Baymard Institute
ただし商品をショッピングカートに入れているというアクションがあるので、何かしらの原因があって商品を購入しない理由があります。なので「もうひと押しのアクション」で購入に繋がる可能性も高いといえます。
ECサイトの客単価が5,000円だったら、たった5%のカゴ落ち改善で35人が購入するということになり、175,000円の売上アップとなりますので、カゴ落ち対策をしない理由がありません。
国内の有名ECサイトでは、その「カゴ落ち対策」がしっかり行われており、カゴ落ち率は40%〜45%に抑えられています。詳しくは「【公開】有名・大手ECサイトの購入率、平均と目安をご紹介!」で詳しく解説しています。
ではそんな対策がなされていないECサイトの、カゴ落ちする理由と対策をご紹介します。
カゴ落ちする5つの理由と対策
予想していなかった費用が発生した
購入画面に進んだときに、予想していなかった費用が発生するというパターンです。
一番多いのは「送料」が思ったよりかかるということが発覚したパターン、他には消費税が記載されていないなど、思っていたよりも金額が高くなってしまうということです。
対策としては、送料無料!というのがいちばん良いのですが、送料をいただく場合は送料や消費税などの別途発生する金額は、カート→購入手続きより前に伝えるなど、早めに伝えるようにしましょう。
購入プロセスが長くて面倒
続いては購入プロセスが長く、入力が面倒くさくなってしまったというパターンです。
よくあるECサイトでは、カートに商品を入れる→ログインまたは会員登録をする→確認画面→購入確定というように、購入プロセスが長くなります。
対策方法としては特に会員登録がとても面倒になりがちなので、カート遷移画面は2ステップくらいにとどめ、会員登録画面ではEFO(エントリーフォーム最適化)機能などを入れ、スムーズにストレスなく入力ができるような購入フローを心がけましょう。
希望する決済方法がない
希望する決済方法がないということもカゴ落ちする原因です。
決済方法はクレジットカード決済を希望されるユーザーが多いですが、ECサイトで購入の際に家族にバレたくないというニーズもあったりします。
対策としてはできるだけ多くの決済方法を導入しておくことが重要です。
売上ランキングTOPのECサイトが導入している決済方法は、4つ以上の決済方法を導入しており、クレジットカード、商品代引、コンビニ決済と「あと1つ」というEC事業者さんが多いです。詳しくはこちらをご覧ください。
あと1つの答えは「amazon Pay」なのですが、そのようなアカウント決済を導入しておけば、会員情報の入力も省け、さらにカゴ落ち率が改善されます。
カートに商品を入れたことを忘れる
在庫確保のために、気になった商品はとりあえずカートに入れるというユーザーも多いです。
そのときには購入意欲がなくなってしまったわけなのですが、気になっている商品ということには変わりありません。
対策としては「カートに商品が入ったままですよ」という、お知らせをするメール、いわゆる「カゴ落ちメール」を行い購入を促すということが効果的です。
今は購入できるお金がない
今はお金がなくて買えないけど、給料日以降の来月買いたい!というニーズはあると思います。
そんなユーザーも一旦はカートに商品を入れる修正があります。
対策としては、同じく「カゴ落ちメール」を送って、先月購入を考えていた商品の購入喚起させることが重要です。
売上アップするカゴ落ちメール
上記で紹介した5つの理由のうち、上記3つは購入フローや決済方法の拡充で対策が可能ですが、残りの2つの理由については、「カゴ落ちメール」で購入意欲を喚起させることが重要です。
カゴ落ちメールとは
カゴ落ちメールとは、カゴ落ちしたユーザーに対して、「まだカートに商品が残ってますよ!」というメールを配信し、ECサイトに呼び戻す施策のことです。
例えばカートに商品を入れて離脱してしまったユーザーに対して、「1時間後にメール送る」なんていうことが可能になります。このカゴ落ちメールを送るタイミングや回数なども各ECサイトごとに様々ではあるのですが、カゴ落ちメールを配信できるツール「カートリカバリー」から、1番売上につながる配信回数と配信タイミングが発表されたので、ご紹介します。
カゴ落ちメールは配信回数は3回がベスト
結論からいうと、カゴ落ちメールの最も売上が高くなる配信回数は、カゴ落ちしたあとに「3回メールを配信する」です。
数値としては、「サイト再来訪率:10.86%」「購入率:3.09%」という高い結果を出しているとのことです。
配信タイミングは3時間後、24時間後、7日後がベスト
結論からいうと、カゴ落ちしたあとに「3時間後」+「24時間後」+「7日後」にメールを配信することが、売上を最大化する配信タイミングです。
数値としては、「サイト再来訪率:14.50%」「購入率:3.37%」という高い結果を出しているとのことです。
カゴ落ち5つの理由を改善して売上アップを目指そう
ここまでご覧いただきありがとうございます。
ECサイトのカゴ落ち率は世界的にみても約70%と非常に高い数値ですが、売れているECサイトのカゴ落ち率は40〜45%となっておりしっかりカゴ落ち対策がされています。
ECサイトの売上アップを目指すなら、カゴ落ちする5つの理由を改善、カゴ落ちメールを適切なタイミングで配信して売上アップを目指しましょう!
他にもECサイトの売上アップを狙う方法はあります。「【売上アップ】簡単にECサイトの売上を上げる21の方法」でご紹介しているので、もし興味があればご覧ください。