国民の生活を支えている「エネルギー企業」ですが、売上ナンバーワンの企業はどの会社でしょうか?
エネルギー業界の主要分野は、電気、石油、ガスの3つに分類されることが多いですが、再生可能エネルギーといわれる太陽光や風力、バイオマスや、水力、水素エネルギーを開発している企業も含まれます。
そんなエネルギー企業は、さまざまな方法で開発したエネルギーを企業や消費者に提供することで、売上(収益)を得ています。
国民としては、電力や石油、水道などの利用があたりまえになっていますが、企業が安定的にエネルギーを開発・提供してくれているからこそ、豊かな生活を送ることができています。
この記事では最新の決算情報から、日本のエネルギー企業を「電気」「石油」「ガス」「水道」にまとめ、売上ランキングTOP50位をご紹介します。
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日本のエネルギー3大業界とは?
日本のエネルギー業界とは、大きく3つに分類されています。(カッコ内は市場規模)
- 電気(19兆2,000億円)
- ガス(5兆4,000億円)
- 石油(22兆5,000億円)
他にも、近年は「再生可能エネルギー」とよく耳にするようになった、
- 再生可能エネルギー(1兆7,000億円)
- 太陽光
- 水力
- 風力
- バイオマス
自然界で再生されるエネルギー開発・提供している企業も、新たにエネルギー業界に入ってきます。
他にも生活者のインフラというところでいくと、「水道(2兆3,000億円)」などもあり、各社がより良い生活に欠かせないものとなっています。
エネルギー業界の市場動向
上記で紹介したエネルギー業界の市場規模は約30兆円になっていますが、今後は若干の縮小傾向になると予測されています。
日本は資源が少ないというところから、
- 輸入国の貿易関係
- 世界的なエネルギー市場情勢
- 生活者や企業の需要低下
上記の理由などから、従来の生産~販売が抑制されてしまうこともあるからです。
ただ近年の政策として「再生可能エネルギー」が推進されていることから、そんな企業の売上・収益が増加していく傾向があり、エネルギー効率を高める技術開発や、従来型の企業が再生可能エネルギーを採用していくことで、新たな市場拡大が見込まれます。
それではエネルギー業界における企業の売上ランキングTOP50を紹介し、各社のトピックスもご紹介します。
エネルギー業界 売上ランキングTOP1位〜10位
順位 | 会社名 | 売上高 | 前年比 | メイン事業 |
1 | ENEOSホールディングス | 10兆9,218億円 | +43.0% | 石油 |
2 | 出光興産 | 6兆6,867億円 | +46.7% | 石油 |
3 | 東京電力HD | 5兆3,099億円 | -9.5% | 電気 |
4 | 関西電力 | 2兆8,518億円 | -7.8% | 電気 |
5 | 中部電力 | 2兆7,051億円 | -7.80% | 電気 |
6 | コスモエネルギーホールディングス | 2兆4,404億円 | +9.3% | 石油 |
7 | 東京ガス | 2兆1,451億円 | +21.5% | ガス |
8 | 東北電力 | 2兆1,044億円 | -8.0% | 電気 |
9 | 九州電力 | 1兆7,433億円 | -18.2% | 電気 |
10 | 大阪ガス | 1兆5,868億円 | +16.3% | ガス |
※青字は前年比増、赤字は減少、黒字は横ばい
1位 ENEOSホールディングス:10兆9,218億円
エネルギー業界の売上ナンバーワンは、石油をメインに扱っている「ENEOSホールディングス」です。
売上高は10兆9,218億円で、前年比+43%と大きく増加しています。
ENEOSといえばガソリンスタンドが有名ですが、石油関連以外でも多数のエネルギー事業を行っています。
- エネルギー事業
- 在庫影響:3,703億円
- 石油製品:1262億円
- 石油化学製品:-68億円
- 電力:-190億円
- 石油・天然ガス開発事業:970億円
- 金属事業
- 機能材料・薄膜材料:545億円
- 資源:721億円
- 精錬・リサイクル:410億円
- 事業共通費用:-94億円
- その他事業:532億円
営業利益別のセグメントとしては上記のようになっており、様々なエネルギー関連の事業を行っている「ENEOSホールディングス」ですが、来期の売上高は12兆8,000億円の見通しとなっています。
2位 出光興産:6兆6,867億円
2位にランクインしているのが、石油がメイン事業の「出光興産」です。
売上高は6兆6,867億円となっており、前年比は+46.7%となっています。
出光といえばガソリンスタンドでおなじみですが、石油関連以外にも事業展開を行っています。
売上高のセグメントでいうと、
- 燃料油:5兆2,194億円
- 基礎化学品:5,635億円
- 高機能材:4,214億円
- 電力・再生可能エネルギー:1,383億円
- 資源:3,338億円
- 石油開発::754億円
- 石炭:2,634億円
- その他:53億円
上記のような事業別の売上高となっています。
ちなみに燃料油の各種販売数量については、
- 燃料油:5兆2,194億円
- ガソリン:12,711(千KL)
- ナフサ:266
- ジェット燃料:1,729
- 灯油:3,920
- 軽油:9,926
- A重油(軽油90%+残渣油):3,267
- C重油(残渣油90%):2,551
ガソリンや軽油の販売数量が大きなシェアを占めています。
3位 東京電力ホールディングス:5兆3,099億円
エネルギー業界売上ランキング3位にランクインしているのが、おなじみの「東京電力ホールディングス」です。
東京電力の売上高は5兆3,099億円で、新会計基準の適応により-9.5%となっています。
東京電力でもいくつかの事業会社に別れており、
- 東京電力ホールディングス:6,200億円
- 東京電力フュエル&パワー(燃料・火力発電):51億円
- 東京電力パワーグリッド(送配電):1兆9,623億円
- 東京電力エナジーパートナー(小売電気事業):4兆3,606億円
- 東京電力リニューアブルパワー(再生可能エネルギー):1,531億円
上記のような事業会社ごとの売上高で、1兆7,914億円の調整が入っています。
7位 東京ガス :2兆1,451億円
エネルギー業界の7位にランクインしているのが「東京ガス」で、売上高は2兆1,451億円、前年比で+21.5%と増加しています。
ガス以外にもエネルギー関連事業を行っており、
- ガス:1兆4,440億円
- 都市ガス:1兆1,718億円
- LNG販売:1,775億円
- 電力:4,678億円
- 海外:859億円
- エネルギー関連:3,313億円
- 不動産:579億円
- その他:1,075億円
上記のような売上セグメントになっています。
来年度はガスや電力でも増加の見込みとなっており、2兆5,300億円の売上を見込んでいます。
エネルギー業界 売上ランキングTOP11位〜20位
順位 | 会社名 | 売上高 | 前年比 | メイン事業 |
11 | INPEX | 1兆2,443億円 | +61.4% | 石油 |
12 | 中国電力 | 1兆1,366億円 | -13.1% | 電気 |
13 | J-POWER(電力開発) | 1兆846億円 | +19.3% | 電気 |
14 | 日本酸素ホールディングス | 9,571億円 | +17.0% | 産業ガス |
15 | エア・ウォーター | 8,887億円 | +10.2% | 産業ガス |
16 | 三菱商事エネルギー | 8,464億円 | +59.3% | 石油 |
17 | 岩谷産業 | 6,903億円 | +8.6% | 産業ガス |
18 | 北海道電力 | 6,634億円 | -10.4% | 電気 |
19 | 四国電力 | 6,419億円 | -10.7% | 電気 |
20 | 太陽石油 | 6,167億円 | +34.7% | 石油 |
※青字は前年比増、赤字は減少、黒字は横ばい
11位 INPEX:1兆2,443億円
11位にランクインしているのが国際石油開発帝石という会社から、2021年に社名変更をした「INPEX」です。
港区赤坂に本社を構え、国内外でも石油や天然ガスの権益をもつ大手石油開発の企業です。
売上高は1兆2,443億円で、前年比では+61.4%と大きく上回っています。
- 原油:9,051億円(前年比+79.1%)
- 天然ガス:3,136億円(前年比+26.6%)
特に原油の単価上昇により、大きく売上高を伸ばしており、来年度も1兆3,000億円の売上を見込んでいます。
12位 中国電力:1兆1,366億円
12位にランクインしているのが広島市に本社を構える「中国電力」です。
売上高は1兆1,366億円で、前年比は-13.1%となっています。
EnerGia(エネルギア)というブランドで電力事業を行っており、国内107箇所の発電所を展開しています。
- 水力発電所:92箇所
- 火力発電所:12箇所
- 原子力発電所:1箇所
- 太陽光発電所:2箇所
と多くの発電所を展開しており、水力発電所がもっとも多くの展開されています。
13位 J-POWER(電力開発):1兆846億円
年間の水力発電料ナンバーワンの佐久間発電所を有し、銀座に本社を構えるJ-POWER(電力開発)が13位にランクイン。
売上高は1兆846億円で、前年比+19.3%と増加しています。
とはいえ発電量は火力発電がもっとも多く、販売電力量においては、
- 火力発電:479億kWh
- 水力発電:92億kWh
- 風力発電:11億kWh
上記のような販売電力量となっています。
小売向け電力販売価格の上昇や、石炭販売価格の上昇により、来期の業績予想は1兆4,310億円(+31.9%)と増収増益を見込んでいます。
15位 エア・ウォーター:8,887億円
15位にランクインしているのは、大阪市に本社を構える大手総合ガス企業「エア・ウォーター」です。
売上高は8,887億円、前年比で+10.2%と過去最高業績を更新しています。
売上セグメントは、
- 産業ガス関連:1,946億円
- ケミカル関連:391億円
- 医療関連:1952億円
- エネルギー関連:616億円
- 農業・食品関連:1,395億円
- 物流関連:584億円
- 海水関連:462億円
2010年から「売上高1兆円企業ビジョン」を掲げ、M&A戦略などを推進してきましたが、いよいよ目標達成が間近になり、売上高1兆円を見込んでいます。
エネルギー業界 売上ランキングTOP21位〜30位
順位 | 会社名 | 売上高 | 前年比 | メイン事業 |
21 | 北陸電力 | 6,137億円 | -4.0% | 電気 |
22 | 三愛オブリ | 5,987億円 | +26.3% | 石油 |
23 | 東邦ガス | 5,153億円 | +18.5% | ガス |
24 | 富士石油 | 4,853億円 | +40.8% | 石油 |
25 | 日立造船 | 4,417億円 | +10.7% | 電気・水道 |
26 | 栗田工業 | 2,882億円 | +7.6% | 水道 |
27 | 石油資源開発 | 2,491億円 | +3.8% | 石油 |
28 | イーレックス | 2,305億円 | +62.5% | 電気 |
29 | サーラコーポレーション | 2,279億円 | +7.7% | ガス |
30 | 西部ガスHD | 2,152億円 | +12.1% | ガス |
※青字は前年比増、赤字は減少、黒字は横ばい
22位 三愛オブリ:5,987億円
22位にランクインしているのが設立70周年を迎え、石油製品や液化石油ガス、航空燃料を扱っている「三愛オブリ」です。
売上高は5,987億円、前年比で+26.3%となっています。
- 石油関連事業:5,223億円
- ガス関連事業:512億円
- 化学品関連事業:103億円
- 航空関連事業:147億円
消費者向けとしてはキグナス石油というガソリンスタンドが有名で、石油関連事業が多くの売上を占めています。
23位 東邦ガス:5,153億円
天然ガスを主に扱っている「東邦ガス」が、売上高5,153億円、前年比+18.5%となっています。
愛知県名古屋市に本社を構え、家庭用や業務用、産業用のガスを提供しており、日本4大都市ガスの一つです。
- 東京ガス(2兆1,451億円)
- 大阪ガス(1兆5,868億円)
- 西武ガスホールディングス(2,152億円)
- 東邦ガス(5,153億円)
ちなみに日本4大都市ガス企業というと、上記の企業ですが、過去には名古屋で五摂家といわれる5大企業があり、
- 東海銀行
- 松坂屋
- 名古屋鉄道(名鉄)
- 中部電力(同ランキング5位)
- 東邦ガス
の5社で構成されています。
25位 日立造船:4,417億円
25位にランクインしているのが、大阪市に本社を構える「日立造船」です。
エネルギーというよりは、環境装置や産業機械、発電設備を製造しているメーカーで、売上高は4,417億円、前年比は+10.7%となっています。
同社の環境部門として水事業を展開しており、上水、下水、産業排水処理システムを展開しています。
環境部門としての売上高は3,072億円となり、国内外の水事業を行っています。
エネルギー業界 売上ランキングTOP31位〜40位
順位 | 会社名 | 売上高 | 前年比 | メイン事業 |
31 | TOKAIホールディングス | 2,106億円 | +7.1% | ガス |
32 | 沖縄電力 | 1,762億円 | -7.5% | 電気 |
33 | 日本瓦斯 | 1,625億円 | +13.3% | ガス |
34 | 東亞合成 | 1,563億円 | +17.2% | 産業ガス |
35 | タクマ | 1,340億円 | -8.6% | 水道 |
36 | 静岡ガス | 1,329億円 | +9.6% | ガス |
37 | 北海道ガス | 1,269億円 | +7.4% | ガス |
38 | 住友精化 | 1,155億円 | +11.9% | 産業ガス |
39 | オルガノ | 1,120億円 | +11.4% | 水道 |
40 | 京葉瓦斯 | 897億円 | +1.2% | ガス |
※青字は前年比増、赤字は減少、黒字は横ばい
31位 TOKAIホールディングス:2,106億円
31位にランクインしているのは、静岡市に本社を構える「TOKAIホールディングス」です。
売上構成の41%を占めるエネルギー事業で、LPガスや都市ガス、電気を全国展開しており、特に中京圏でのシェアが高い企業です。
昨年からカーボンニュートラルへの取り組みや、再生可能エネルギーにも積極的です。
昨年の取締役会で、経費の不正流用等で社長の鴇田氏が解任されてしまいましたが、今後は目標である「TOKAIグループマテリアリティ」に向けての基盤づくりを目指してほしいです。
32位 沖縄電力:1,762億円
32位にランクインしているのが、沖縄県は浦添市に本社を構える「沖縄電力」です。
売上高は1,762億円で、前年比は-7.5%となっています。
電気供給は沖縄県のみとなっているため、日本国内の電力会社では最小の規模となっています。
グループ内各社の売上高は、
- 沖縄電力株式会社:1,680億円
- 株式会社沖電工:239.6億円
- 沖縄プラント工業株式会社:100.1億円
- 株式会社プログレッシブエナジー:30.8億円
- 沖電開発株式会社:30.6億円
- 沖電グローバルシステムズ株式会社:22.2億円 …etc
上記のような売上高になっています。
来期の売上高は、燃料価格の不透明さから見通しは未定となっています。
34位 東亞合成:1,563億円
瞬間接着剤で有名な「アロンアルファ」を提供する化学メーカーではありますが、産業ガスを取り扱っている東亜テクノガスを有する「東亜合成」です。
東亜テクノガスは名古屋市に本社を構える酸素、窒素、アルゴン等の工業ガスを製造販売している企業です。
36位 静岡ガス:1,329億円
36位にランクインしている「静岡ガス」は、静岡市に本社を構えるガス会社で、売上高は1,329億円、前年比は+9.6%となっています。
都市ガスの販売量としては、
- 東京ガス(2兆1,451億円)
- 大阪ガス(1兆5,868億円)
- 東邦ガス(5,153億円)
- 静岡ガス(1,329億円)
国内4位となっています。
静岡県中東部を共有エリアとしていますが、近隣のガス会社にも卸売を行っています。
エネルギー業界 売上ランキングTOP41位〜50位
順位 | 会社名 | 売上高 | 前年比 | メイン事業 |
41 | 高圧ガス工業 | 824億円 | +7.3% | 産業ガス |
42 | 三井石油開発 | 729億円 | -26.7% | 石油 |
43 | 関東電化工業 | 622億円 | +19.9% | 産業ガス |
44 | 富士興産 | 604億円 | +42.7% | 石油 |
45 | 小池酸素工業 | 418億円 | +6.6% | 産業ガス |
46 | 日新商事 | 364億円 | -32.1% | 石油 |
47 | 丸紅エネルギー | 344億円 | -83.8% | 石油 |
48 | 東邦アセチレン | 312億円 | +4.9% | 産業ガス |
49 | 東亜石油 | 267億円 | -6.2% | 石油 |
50 | 大丸エナウィン | 265億円 | +23.8% | 産業ガス |
※青字は前年比増、赤字は減少、黒字は横ばい
41位 高圧ガス工業:824億円
大阪市に本社を構えている大手産業ガスメーカー「高圧ガス工業」です。
売上高は824億円で、前年比は+7.3%となっています。
- ガス事業
- 溶解アセチレン
- 工業ガス(酸素、窒素、LPガスなど)
- 溶接溶断関連機器
- 容器(溶解アセチレン用容器、高圧ガス容器)
- 化成品事業
- 接着剤(合成樹脂接着剤)
- 塗料
- 化成品関連原材料
- その他事業
- LSIカード
- RFID
- 電子ペーパー表示機
- 食品添加物
上記のような事業セグメントになっており、グループ16社で構成されています。
43位 関東電化工業:622億円
東京都千代田区に本社を構える「関東電子工業」です。
グループ全体の売上高は662億円、前年比で+19.9%となっています。
- 基礎化学品事業:79億円
- 精密科学品事業:490億円
- 鉄系・商事・設備事業:53億円
同社は1970年に国内初のフッ酸電解の工業化に成功し、純度の高いフッ素ガスを生産する仕組みを構築しています。
2024年には売上高1,000億円を目指しています。
44位 富士興産:604億円
1949年創業、千代田区に本社を構え、石油製品販売を手掛ける「富士興産」です。
売上高は604億円、前年比で+42.7%となっています。
- 石油事業
- ホームエネルギー事業
- レンタル事業
- 環境関連事業
上記4つの事業展開をしています。
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そんな企業への募集・転職情報を逃してしまうと、限りあるビジネス人生を棒に振ってしまいます。
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