ファッション誌や週刊誌をはじめ、ご存知のとおり雑誌の販売部数は年々減少しています。
マスコミ四媒体とよばれる「テレビ」「新聞」「ラジオ」「雑誌」のなかでも、雑誌広告の出稿量は昨年1,841億円(前年比91%)で、最も広告費が減少しているのも「雑誌」です。
ご存知のとおり、5年連続で二桁成長しているのは「インターネット広告」で、1兆7,589億円(前年比116.5%)となっています。
とはいえマーケティングにおいてもデジタルの時代ではありますが、あらためて雑誌の価値が評価されています。
この記事では、雑誌を活用したマーケティングを今こそ行う理由から、雑誌広告の種類や仕組みをご紹介します。
雑誌の販売部数、広告出稿金額は年々減少している
出典:出版月報(出版科学研究所)
雑誌の現状をお伝えすると、上記の図のように右肩下がりで販売数が減少しています。
2007年には1兆1,828億円あった販売金額も、2018年には5,930億円と、約10年で約半分の販売金額になっています。
さらに電通による「2018年 日本の広告費」によると、雑誌広告の出稿金額は昨年1,841億円(前年比91%)で、こちらも右肩下がりで推移しています。
このようなデータを見ると、雑誌という媒体は厳しい状況ではありますが、とはいえ一定企業が雑誌広告を活用してマーケティングを行っています。
雑誌をマーケティングに活用している企業の多くは、知名度の高い大手企業です。
このような企業は、もちろんインターネットをはじめとしたデジタルにもマーケティング投資を行っていますが、雑誌を活用したマーケティングも行っています。
そんな企業が、雑誌を活用したマーケティングを行っている理由をご紹介します。
雑誌を活用したマーケティングを今こそ行う理由
雑誌という媒体自体が元気ではないという状況ではありますが、多くの企業がマーケティングの一定金額を雑誌に投下しています。
- ターゲットセグメントが明確
- 顕在層にアプローチができる
- 雑誌がデジタル、リアルにシフトしている
雑誌を活用したマーケティングに一定企業が投資しているのは、このような理由があります。
それではその理由を詳しく説明します。
ターゲットセグメントが明確
まず雑誌をマーケティングに活用する理由として、「ターゲットセグメントが明確」ということです。
ターゲットセグメントとは、アプローチをしたい読者(消費者)を細分化することです。
というのも雑誌以外のマスコミ四媒体では、ターゲットを細分化することができません。
テレビやラジオは、多少番組によって趣味嗜好が違うものの、視聴者が幅広すぎてしまうので、ターゲットの細分化ができません。
新聞は多少ターゲットの細分化ができますが、基本的には活字なので、訴求力が弱くなってしまいます。
ですが雑誌は、好きなモデルや特集、趣味嗜好があった人でないと雑誌自体を購入しないため、ターゲットの細分化が明確になります。
顕在層の読者(見込み客)にアプローチできる
そもそも雑誌はお金を払って情報を得ているため、顕在層の読者にアプローチができ、購買動機が起きやすいです。
これは昔から言われていたことですが、雑誌のコンテンツを、ウェブや電子書籍に掲載したとしても、購買動機が起きやすいということがわかっています。
それは情報をまとめただけのインターネット上のコンテンツではなく、読者目線でさまざまな時代やトレンドの情報を収集している、編集者がいるからです。
その編集者によって、購買動機を起こさせるようなコンテンツが生まれています。
雑誌は同じ趣味趣向をもった読者があつまるようなコミュニティの形成もできています。
雑誌がデジタル、リアルにシフトしている
一昔前の雑誌は、紙媒体でのみ展開していましたが、今はデジタル、リアルにシフトしています。
まずは雑誌の電子版が挙げられます。
2018年度の調査では、紙媒体の電子版率が53.8%となっていて、今まで販売部数でしかアプローチ力を図れませんでしたが、今はユニークユーザー数でも図ることができるようになっています。
電子版以外でも、雑誌のWeb化も進んでいます。
「雑誌媒体のWebメディア一覧、UU数やPV数も限定公開!」で紹介しているように、ファッション誌をはじめ情報誌や週刊誌なども多くのWebメディアを立ち上げており、多くのユニークユーザーを獲得しています。
雑誌はメディアとしてだけでなく、編集者発信のSNSや、出演しているモデルやタレントのSNSも絡めてコンテンツとしています。
それだけでなく、リアルイベントなども力を入れています。
近年は編集者やモデル、タレントが読者と触れ合えるようなリアルのイベントも積極的に行っており、本誌だけでのアプローチ力でなく、多くのチャネルをつかってターゲットにアプローチをすることが可能になっています。
この記事の本題はここまでですが、雑誌の広告のことがわからないという方向けに、雑誌の広告の仕組みやタイアップメニューなどをご紹介します。
雑誌を活用したマーケティング、基本的な広告の種類
雑誌を活用したマーケティング、広告の種類はこのようなものがありますので、基本だけでも覚えておいてください。
費用の仕組みなどは、「【広告用語】グロス・ネットの意味を必ず理解しよう!」で解説しています。
編集ページ
編集ページとは、編集部主導で読者のために作ったページのことです。
雑誌でいうと巻頭の方に掲載されることが多く、ここにはお金を払ったとしても広告の掲載をすることができません。
ここに自社の商品を掲載したいという場合は、編集部へのキャラバン活動や、スタイリストとのパイプなど、PR会社が得意としている活動が必須になります。
関連記事:PR会社とは?広告代理店との違いや売上ランキング一覧など
タイアップ広告
タイアップ広告とは、雑誌と一緒に(タイアップ)ページを作る広告のことです。
たとえば雑誌に出演しているモデルやタレントを起用し、広告したい商品を掲載しつつ、雑誌のフィルターを通して読者に訴求する広告手法です。
広告なのである程度の自由は効きますが、あくまでも編集タイアップになるので、雑誌から逸脱したような掲載方法はNGとなります。
純広告
純広告とは、ページの枠を買い付けて、自社の広告を掲載することができます。
純広告の枠は大きく分けて4種類あり、
- 表2(表紙をめくったところ)
- 表3(裏表紙をめくったところ)
- 表4(裏表紙)
- 中面
上記の4種類の場所に広告を掲載することができます。
とはいえ中面に関してはページの指定ができず、編集ページに違和感のない形で掲載されます。
デジタル化が進んだ今こそ、雑誌マーケティングを見直そう
ここまでご覧いただきありがとうございます。
ファッション誌や週刊誌をはじめ、ご存知のとおり雑誌の販売部数は年々減少しています。というのも雑誌広告の出稿量は昨年1,841億円(前年比91%)で、最も広告費が減少しているのも「雑誌」です。
とはいえマーケティングにおいてもデジタルの時代ではありますが、こんな理由があり雑誌の価値が評価されています。
- ターゲットセグメントが明確
- 顕在層にアプローチができる
- 雑誌がデジタル、リアルにシフトしている
雑誌はメディアとしてだけでなく、編集者発信のSNSや、出演しているモデルやタレントのSNSも絡めてコンテンツとしています。
近年は編集者やモデル、タレントが読者と触れ合えるようなリアルのイベントも積極的に行っており、本誌だけでのアプローチ力でなく、多くのチャネルをつかってターゲットにアプローチをすることが可能になっています。
こんなデジタルの時代だからこそ、編集者が読者のことだけを考えて作った雑誌とお取り組みをして、ターゲットの購買換気を狙うようなマーケティングを行っていましょう。