バイラルマーケティング(Viral Marketing)とは、インターネットを活用し「個人の口コミ」を利用して情報拡散をさせるマーケティング手法のことです。
一昔前のマーケティングはテレビなどのマスメディア、少し前からはWebサイトやメールを活用したバイラルマーケティングが主流でしたが、現代はtwitterやInstagramなどのSNSユーザーの増加により、大企業でも個人の力を借りる時代になってきています。
この記事では「バイラルマーケティングとは?」から、バイラルマーケティングのポイントや事例、バイラルマーケティングのリスクを解説します。
バイラルマーケティングとは?
バイラルマーケティングとは、自然に人から人に「クチコミ」を発生させ、プラス評価の「ためになる情報」を伝えてもらうことで、ブランディング向上、認知拡大、顧客獲得を狙うマーケティング方法のことです。
バイラル(Viral )とはインフルエンザのような病原体、「ウイルス」の意味で、1人が感染すると短期間で感染する(広まる)ことからバイラルマーケティング(Viral Marketing)といわれています。
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人から人に感染させるバイラルマーケティングは不特定多数のターゲットに対してアプローチをするイメージがあるかもしれませんが、実は狙い通りのターゲットにアプローチをすることができます。
不特定多数へのアプローチといえば、テレビCMなどのマスマーケティングです。
テレビCMは「ある番組を見ている視聴者」の年齢や性別、地域などをある程度予想して広告発信をするものの、ターゲットが多すぎる結果、不特定多数のターゲットに対してリーチをすることになります。
ですがバイラルマーケティングは人から人に「クチコミを」で情報を伝えてもらうマーケティング方法なので、ターゲットに近しい人、親和性のある人から拡散していきます。

今はネット上にもたくさん情報が溢れているなかで、個人からの情報ということでを信頼性が高く、結果的に質の良いプラス評価の「ためになる情報」を親和性の高いターゲットにリーチすることができる。というのがバイラルマーケティングです。
バズマーケティングとの違い
同じようなマーケティング方法で情報を「拡散」させるということでいえば「バズマーケティング」という方法もあります。「バイラルマーケティング」と「バズマーケティング」との違いは、質と量の違いです。
バイラルマーケティングはクチコミを利用して人から人に「ためになる情報」を伝えてもらうことを目的にしていますが、逆に「バズマーケティング」は情報を意図的に注目させることで拡散させ、「話題の量」を増やすということを目的にしています。
話題の量を重視しているのでテレビCMなどに近く、情報拡散(バズる)はするのですが、注目はされますが、実際マーケティングで商品やサービスが売れるのか?という「マーケティングの質」においては、バイラルマーケティングのほうが強いです。

バイラルマーケティングのポイント
バイラルマーケティングを成功させることができれば、比較的低コストで実践ができます。まずはバズマーケティングの基本的なポイントをご紹介します。
SNSで伝えてもらう
ターゲットとしても一番手軽で簡単なのがSNSで伝えてもらうことです。
このブログにもありますが、facebookのいいね!やシェア、twitterのリツイート、LINEで送るなど、ボタンを押しただけで、ターゲットのフォロワーや友達に情報を伝えることができます。
これが数百人になれば、数多くのターゲットユーザーに対して情報が伝わります。

伝えたい心理を利用する
バズマーケティングのような意図的に話題量を発生させるのではなく、バイラルマーケティングはあくまでも自然に伝えてもらうことです。
SNSユーザーは質の悪い情報を紹介することはありません。というのもそんな質の悪い情報を伝えてしまうと自分の価値が低いということを伝えるようなものだからです。
みなさんの知り合いでもやけに難しい記事や専門的な情報を、facebookでシェアしたりtwitterでリツイートしている人がいると思いますが、「私はこんなこと興味関心があるんだよ!」だったり、「俺ってカッコいいでしょ?」というような自己ブランディングの心理が一番に働いているものなのです。

なのでいろいろな意味で人が自発的に紹介したいと思う質の良いコンテンツ作りを心がけましょう。
バイラルマーケティングのタイプと事例
バイラルマーケティングはネットを活用することは必須ですが、やはりSNSを活用したバイラルマーケティングが話題なので、事例を参考に「伝えたいという心理が働く」タイプ別に説明していきます。
①金銭的なバイラルマーケティング
伝えたいという心理が一番働きやすいのがこの「金銭的なバイラルマーケティング」です。
よくあるのがSNSでシェアしたり友達を紹介したりすると、金額が安くなる、ポイント付与、クーポンがもらえる、など金銭的なメリットを与えることです。
人は誰でも金銭的(お金)に得をしたいという心理が働くため、世の中的にもスタンダードなバイラルマーケティングの方法です。
ZOZOTOWN新春セールが史上最速で取扱高100億円を先ほど突破!!日頃の感謝を込め、僕個人から100名様に100万円【総額1億円のお年玉】を現金でプレゼントします。応募方法は、僕をフォローいただいた上、このツイートをRTするだけ。受付は1/7まで。当選者には僕から直接DMします! #月に行くならお年玉 pic.twitter.com/cKQfPPbOI3
— Yusaku Maezawa (MZ) 前澤友作 (@yousuck2020) January 5, 2019
たとえば「総額1億円のお年玉」のプレゼント企画を行ったZOZOの前澤社長を事例にあげると、このツイートをリツイートしたら1億円の現金を100名にプレゼントするというものです。このツイートは500万以上のリツイートとなり、リツイートされた数で世界一になりました。

②応援型のバイラルマーケティング
次に伝えたい心理が動きやすいのがこの「応援型のバイラルマーケティング」です。
人は共感したときに応援したくなるものです。事例としては、2017年8月に起こったアメリカテキサス州ヒューストンを襲ったハリケーンの被害で、ペンシルベニア州立大学友愛会による支援する呼びかけです。
With the current devastation in Houston, we are pledging $0.15 for every RT this gets! Please forward this along to help out those in need! pic.twitter.com/lodyOBE0eG
— Penn State IFC (@PennStateIFC) August 30, 2017
ペンシルベニア州立大学友愛会は「リツイート1件につき15セントを支援する」としたペンシルベニア州立大学友愛会公式アカウントのツイートです。
こちらは111万回以上リツイートされました。マーケティングという観点とは少し違いますが、このように応援したくなることは人に伝えたくなりますよね。
バイラルマーケティングで有益情報を伝えてもらおう
バイラルマーケティングを成功させることができれば、少ない費用で多くの人々に情報を伝えることができます。
金銭的なメリットを与えるバイラルマーケティングが主流ではありますが、「人に伝えたい心理」をうまく狙って、自然に人から人に「クチコミ」を発生させ、プラス評価の「ためになる情報」を伝えてもらい、ブランディング向上、認知拡大、顧客獲得を目指しましょう!